内海新聞のブログ

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2033:造影CTの真実

 いやあ、死ぬかと思った。ほんとマジで。心臓の冠動脈の造影CT無事終えました。生きた心地しなかった。

え?ただのCTでしょ?やっている人いっぱいいるんでしょ?……表面はそうだけど、実際は違うからね。リスク知っていたら……やりたくないよ。死ぬから。

■造影CTのリスク
 CTの場合、通常のまま撮像(単純CT)すると「血管とかが見えづらい」。

※「撮像」……MRIとかCTをやる「プロ」が使う用語。普通の人は「写真撮影」の「撮影」というけど、プロは「撮像(さつぞう)」という。覚えておくとツウみたいに見えるぞ。

それでヨード剤を点滴で血管に注入すると「光る」ので血管の細かいところまで見えるようになる。

それが「造影CT」。だけど、このヨード剤がくせもので「アレルギーのショック死」すなわち「アナフィラキシー」があります。

アレルギーなので「やってみないとわからない」ということ。パッチテストも以前はしたらしいけど「効果ない」ので「やって」「ショック反応でおかしくなりだしたら」「医師らが延命措置を試みる」……そういう内容なのです。

軽い症状だと「皮膚の発疹」「吐き気」「頭痛」とかぐらいで済むけど、重たく出たら「意識混濁」「呼吸停止」になります。

どれぐらいの確率で死ぬかというと、0.0004%(2.5万人に1人)と学会?や厚労省は言ってるようだが……けっこう多いらしいんだよね。

★事例概要. 【実施した医療行為の目的】 前立腺に対する化学療法中で、治療効果判定のために、造影CTを施行した直後にアナフィラキシーによるCPAとなった。
https://www.med-safe.jp/mpreport/view/A1B833AB74484E2DC
どうよ……やばいっしょ。アレルギーショックって起きだしたら「即死」だからね。

■造影CTでアナフィラキシー起こしやすいタイプ
厚労省に上がってくる医療事故のレポート読んでいたら「パッと見」で多いタイプがあった。
それは「すでに病気になっていて」「心臓が弱い人」だな。

えー?心臓病とか重病で弱っていて「どうなっているか造影CT撮って調べましょう」とすべき人自体が実はアナフィラキシー起こしやすい。それじゃ……検査で死ぬんだから本末転倒だろう……。

だいたい、医学の治療では人が死ぬという事例が出た時点で「そのやり方はアウト」なんだけど。だってワクチンだろうが新薬だろうが……それで「お蔵入り」「せっかく第3相試験(売る前の最終チェック)まで終えたのに」「パー」何度もある。
だけど「造影CTで撮像して病気を見つけるほうが大事」なんだからという「あきらめ」で造影剤は日々皆さんにうたれている。

■けっこう死んでいる
厚労省のデータであるじゃん(6ページにある)
https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/teigen-03.pdf
2016年だけど
総件数69件の全国のアナフィラキシーショック死の内訳

第1位 医薬品(造影剤など)29件……42%

第2位 ハチに刺されで死んだ19件……27%

第3位 食べ物2件………………………2.8%
第4位 血清(輸血)……………………0%

結構、造影剤系で死んでるんだよね。29人「無理して造影CTしなきゃよかった」という変な話なんだ。

これが横行している。

あんま言いたくないけど、もう「CT使わなくても」「MRIでやれる」時代なんで……いい加減、循環器内科もMRIメインでやれよ……って思います。

実際、MRIで循環器内科としてきちんとハイレベルに検査できているクリニックもあるんで。

心臓MRI検査でどんなことがわかるの?心臓CT検査との違いは?
https://medicommi.jp/88985
心臓MRI検査でどんなことがわかる?(名古屋ハートセンター)
https://nagoya.heart-center.or.jp/imaging/mri.html
おら、大御所の榊原記念病院も認めてるよ
https://www.hp.heart.or.jp/page-5314/
「大動脈疾患の診断はCTを用いるのが一般的ですが、MRIは造影剤を用いないでも冠動脈を描出することや大動脈の血流動態の評価ができるので、造影剤アレルギーのある患者さんの血管診断に有効です。」

MRIでCT使わないでできるんだけど「コスト」でやらないようにしているんだ。

こうやって調べたら「その病院が造影CTがいい」って「言い張っている」のは「MRIだと赤字になるから」という「くだらない論理」でやるんだ。

なんで、あなたも目の前の先生が「はい、心臓の冠動脈造影CT撮りましょう」といったら「MRIでお願いします」っていうのは「ありだね」

「なんで?」って言われたら
アナフィラキシーが絶対いやなんで」って
強弁していいよ。

だってアナフィラキシーになってしまった場合の保証なんて病院も医師も、そもそもしないから。
「なったら終わり」なんで。
だから造影CT強弁するやつ、擁護するやつ「バカ」かもしれないな。

病院はそりゃ「万全の態勢で処置しますから」って言うんだよ。
吹きそうになる。
「処置しても死んじゃってゴメンだろ」「それがアナフィラキシー

俺も……言えばよかったな……って。つい「循環器内科の指導医の先生が言うんだから正しいんだろうな」って……また
「その医師は正しいと信じる教」
やっちまったよ。

疑ったほうがいいね「先生、本当にCTじゃないとだめなんですか?」って。
MRIしか受けたくないですぅ」って言い張っていいよ。
自分の命を守るため……。

あー、それでもめたら「病院変えればいいよ」。別にMRIでやるところあるんだから。

ちなみに読者の医師(国立大医学部卒・医学部で研究もしていた)に聞いたら「心臓の先生、CT使いたがりますね」ってポロっと言ってた。

だけど、病院側の「コスト」で「CTのほうが短時間で多くの患者をさばける=診療報酬が増える」から……そうしているわけです。

■造影CTどういうことするの?
 いやあ、けっこう「おおごと」だったよ。本質知らないでだまされて受けているほうがいいかもね……。

この検査前後のストレスのほうで心臓発作……誘発しそうだったよ。

まず、自分の場合「糖尿病の薬(メトホルミン)」飲んでいる。これが造影剤のアナフィラキシーを誘発するので「検査日前後、飲まない」指示が出た。

ほかの薬(カナグル、スタチン)などは「飲んでいてOK」だった。

実は糖尿病のメトホルミンにせよ「薬飲み忘れを数日してしまった」「けっこう血糖値や、HbA1c悪化に即つながる」のだ。

なんで「糖尿病治療の犠牲」を払って「造影CT」受けないといけない。

言われた通りまじめに薬飲まないで、病院行く。

■万が一の場合入院になるので「入院セット持参」がいい
 実は「アナフィラキシーくらったら」「そのまま入院」になる。なので、やりすぎかと思ったが「入院セット」をバッグに一通り詰めて持参した。
私の場合
「テレビのイヤホン(ダイソーで買えるよ)」
「電気シェーバー」
「USBつきコンセントタップ(病室の電気を手元で使うため)スマホ充電で使う」
「自分のマグカップ(割れないプラスチック)」
「歯ブラシ・フロス」
をプラスした。

これ「やりすぎ」でもなく「準備して臨んだほうがいい」と思う。

■検査開始
「上半身だけ裸になって検査着お願いします」
「点滴します」
って、看護師が腕にぶさって「太い針」刺してチューブで「生理食塩水」を点滴始める。

10分ほど様子観察されてからCT室に連れていかれる。

すぐ寝台に寝かされ「造影剤いれますんで」「その前に血管を拡張する薬を下の裏側に入れてなめてください」と渡される。

薬を舌の裏で溶かして吸収させる(舌の上だと唾液で成分が逃げるのでまずいらしい)

そうしたらものものしい感染防護服姿の「専任看護師」が到着して「はい、これから造影剤を注入します。」

特殊な装置で点滴経路にヨード剤を注入開始する。「アナフィラキシー」が起きないかずっと監視されている。

注入したのがだんだんわかる。
心臓がまず、ぼわっと「ウイスキー一気飲み」したような「熱さ」でほてる。
それの「熱い集団」がじわじわ、心臓からおなかや足のほうに「広がっていく」のがわかる。

看護師が声をかける。直後に看護師は退避。消えていた。

「だいじょうぶですね。いきます」

そうしたら、突然CTが「ものすごいうなり」をあげて回転を始め、私の心臓をスキャンした。スキャン自体はヘリカルでめちゃ早い。「ヴィーっ」って動いて
止まる。

しばらく静かになっている。
多分、再構成したCT画像がうまく撮れているかチェックをその場でしているんだろう。

「はい、終わりました」

この点はMRIより圧倒的に早い。MRIだと20分は最低かかるんで。

「それで、このあともしアナフィラキシーがあると10分以内に出る可能性があるので、このまま点滴つけて休んでいてください」
と告げられる。

「軽い人で肌がかゆいとか、蕁麻疹みたいになるとか、そういう感じですので」

「そうなんですか。」

私はCT室の外で点滴つけたまま待った。しばらくしたら
「もう大丈夫だと思いますんで、点滴外します」

太い注射針が抜かれた。血をおさえて止血。

「このあと、ヨード剤を早く外に出してほしいので、水をどんどん飲んでおしっこしてください。」
「食事は?」
「もうとってだいじょうぶです。普通に生活してもらっていいです。」

アナフィラキシーは後日出る可能性ある
アナフィラキシー、後日出たりしますか?」

「はい。数日たって出る場合もあります。皮膚がかゆいとか、蕁麻疹みたいになるとか……ほかの症状も……もし症状が現れたら、ただちに、病院に電話してお越しください。夜でもいつでも24時間処置しますので……病院いつでも電話出ますから。」

「でかい病院でやっておいてよかった」

と……この時ほど思ったことはないです。「24時間365日対応」がある。

だけど、この病院に行くのに「深夜一人で自動車運転して」「いけるのだろうか?」って思いますけどね。

■費用
9800円ほど(3割負担)
まあ、高いことは高いけど……カテーテル検査(6~9万円自己負担)よりは安いよな。

この程度で……逃げられることを……祈る。

■冠動脈の造影CTやって思ったこと
 やっぱMRIにしてもらったほうがよかったと「後悔」している。

それは放射線技師との会話でわかるのだが
「あのう、この造影CTは、気軽に毎月とかポンポンしていいですか?」
「いやあ、これ、被ばく量けっこうあるんで、そんなに気軽にしないほうがいいですね。というか自分たち放射線技師のほうがもっと被ばくしてますけどね(笑)」

……くらったわ。
病院の公式発表だと、心臓のスキャンでの被ばく量は4.5mSVって書かれているけど。これ10回やったら45mSVになるし、基本放射線は「体に貯蓄」なので……今後、おなかとかも含めて45mSV超えていくと「原発労働者の作業限界」に到達してしまう。

でも、その「乾いた真実」を病院や医学界も「認めたくない」ので……苦しい言い訳として「少量の散発的な被ばくでしたら回復します」……おいおいウソ言っちゃだめだよ。

一度受けた被ばくは「貯金」なの。

だからみんなも「自分がこれまでやったCTの回数」で「被ばく貯金量」計算してメモしておくといいぞ。50mSV超えたら本来は……もうできないレベルなんだがな。

ちなみに、内科のレントゲンだとか、歯科のレントゲンは「鼻くそみたいに低い」んで何度受けてもだいじょうぶだよ。歯科のCTも。その辺は安心。

CTはレントゲンの比じゃない放射線パワー使うんで。

でも「がんで死ぬよりは」「治療のために被ばくしてしょうがない」という発想なんで。これを「医療被曝」といって「放射線浴びてもいい特権」と勝手にされている。医師らの論理で……。

医療被曝も、原発の被ばくも「いっしょだっちゅーの」

なんで、自分の主治医(大学病院の指導医)は「わたしは、CTは被ばくリスクあるんで基本しません」なんて言ってるから。笑っちゃうよね。

そのくせ目の前の私には「造影CTかけましょうか?」って言うんだから。

余計な被ばくをしてしまった。先生とケンカしてもMRIでやってもらうべきだった。

もういいよ。ここ何回もMRIで逃げてきたので……。次回からはMRIにするわ。

しょうがないよ。循環器内科も勉強するから(涙)。おれ……医学部全学科やってるよ。

だって、MRIなら危険な造影剤ほとんど使わないし、たとえ使ってもCTの造影剤より「ショックがはるかに少ない」やつなんで。

MRIっていいんだよ。そもそも自分でメーカーであの機械作っていたんで……すごさ知っているから。

済生会は「検査チーム」が優秀
 ま、毎度思うけど、済生会今治も西条も「超音波検査」にせよ検査チームがなんか優秀だよね。
 済生会今治の消化器内視鏡部隊もなかなか強くて、「口」「鼻」「麻酔」の3つの胃カメラが選べるし「1日で胃カメラと大腸カメラ同時にやって寝てるだけ」の楽な検査もできる。西条はやってないんだよな。
 これは、ほんと楽だった。
 CTやMRIなどの検査も今回ちゃんとした体制でやっていたので安心。

アナフィラキシーは「突然」「想定外で起きる」「予防不可能」
 ちなみに「アナフィラキシーは」「1回だいじょうぶだったから」「次回は再現しない」は「ない」「その都度」「想定外にフレッシュに起きる」ものなので。

だからそんなリスクがある検査や治療は……「死ぬかどうかの病状レベル」でどうしてもそれしかできない方法以外はしないことだね。

■造影剤注入されて「わかった」こと
 だが、これ貴重な医学実験を受けられた。「自分の血管の中に入った液体が」「どんな感じで」「全身に」「どれぐらいの時間で」「浸透するか」実感できた。

今の武田式の栄養学にもすごく役立つ知見となった。

ようするに「血管中に入った成分は」「心拍数1回で」「たちまち全身にいきわたっていく」スピードだということ。

感じてもたった数十秒だったよ。
それで心臓から送り出されて足の先のほうまでヨード剤が行くのがわかった。

自分の場合、最低で70とかだとしても「1分間に70回」「血液の成分は全身にいきわたる」

これ……こわいよね。逆に考えるなら「悪い成分、高血糖も」「1分間70回、高血圧なら140回以上」「ドクドク圧力かけて流れ込んでいく」

それが……「いい成分」だったら「いいけど」
「悪い成分だったら」「体がどんどん壊れて破綻していく」わけ。

アルコールや、薬物、脂肪やら、砂糖……それが同じように体にいきわたり……破壊しているわけだ。

リアルタイムでこわさを理解したよ。

やっぱ「口から入れる食べ物、飲み物」を「ちゃんと成分選んで、大事に血液に入れていく習慣」すなわち「正しい食生活」……大事すぎ。

■田舎暮らしはその地区の病院で決まる
家族がいる人……すごく大事ですよね。田舎で医療を受けるときのポイント。

一人暮らしの中年のオッちゃんが倒れたら……そのまま部屋で死んでハエたかってるだろうな……って思いました。

毎度思うんですけど「老後の生活は田舎で……」ウソです。口では言えて、頭ではそう思っても「いざ、倒れた時」「病院行くとき」「すごくヤバい展開になる」ということは……思っておいて。

私も移住相談で「老夫婦」からの場合「まず、持病を聞いて」「対応できる病院システムがあるか」で「可否」を判断しています。

やっぱ24時間365日、緊急対応できる「総合病院」ほしいよね。開業クリニック程度じゃ歯が立たないので。

脳梗塞や心臓だと「カテーテルアブレーション」ができるレベルの24時間365日対応可能な病院がある地区にいないと……アウトですから。

ちなみに、愛媛県今治市だと「今治第一病院」「県立今治病院」「済生会今治病院」がカテーテルアブレーションやってるんだけど
今治第一病院は【24時間緊急手術可能な体制】なので」今治の人間は……覚えておくといいよ。
https://www.imabari-daiichi.com/shinzoukekkancenter.html

今治第一……バリィさんの病院だけど。やっぱ「バリィさんの店はいい店が多い」法則で……いい病院だから……。あそこ……穴場。グーグルでぼろくそに書かれているんでビビっていかない人が多いようだけど……逆なんで。
「食わず嫌い」は良くないよ。
ちなみに済生会今治もバリィさんのポスターいっぱい貼ってるな。いいことだ。

ちなみに県立今治済生会今治は24時間緊急手術ができるか「わからん」……PRもしてないし。その辺寒いかもしれない。
(内海君:小市民)