内海新聞のブログ

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2002:胸痛に潜む意外な病気と対応法

 読者のAさんから「胸痛が毎日続いてあるのですがどうしたものか?」という相談。「腹痛」「胸痛」って……決して軽く考えたり、甘く見ないほうがいいです。私の場合深刻に考えます。最高レベルの検査・チェックをしてもらい「安心」を確保して「管理レベルをダウン」していきます。

これ……災害対応・アメリカ国防総省FEMAなどの一流のセキュリティ対応の「基本原則」です。それから、まともな医師もそういうプロセスで「検査や診察」を行います。

年齢は?「50代」とのこと。正直「何の病気で死んでもおかしくない年齢」「明日死んでもおかしくない年齢」なんです。もう私の所では芸能人の病気一覧でうんざりするほどわかっていて「とにかく50代はまずい年代」なんだ。

「こういう痛みって軽く考えちゃいけないので至急病院に行った方がいいです。ただ、もう40代、50代になると複数の専門科の病気が連鎖して同時並行・クロスオーバーでありうるので循環器内科と消化器内科と肝胆膵内科、泌尿器科までそろう総合病院に最初から行った方があとあといいです。」
今治なんですが。土曜日しか行けないんです。」
「このエリアは土曜日、まともな病院の診療科は医療崩壊でほとんど閉まっています。
あとは専門が違う頼りないクリニックがあるだけです。
この地域で一番大きい病院は済生会今治だけどあそこも診療科が歯抜け状態で土曜診療できなくなっていて終わってます。今回の場合、循環器内科から診ていくなら今治第一病院が優秀です。幸い土曜日も午前やってます。医師も調べたんだけど指導医が担当するんでいいかなあと。」
「行ってみます」

……後日レポートありました。
「予約なかったけど、今治第一病院とても親切で予約の最後で入れてくれました。先生も指導医で仕事バリバリできる人で心電図、レントゲン、心臓エコー、胸部CTその場でオーダーしてちゃちゃっと全部検査してくれ、結果も1時間ほどで教えてくれました。」

「いやあ、それ【病院運】いいですね。大学病院や総合病院では通常そこまで一度であり得ないです。大学病院レベルの検査内容できちんとやってくれましたね。街のクリニックじゃ無理ですよ。だいたい、総合病院だって初日におしかけてもいいとこ超音波程度です。CTとか別日程にされるから。それでどうでしたか?」

「結果として、心臓や循環器的な問題はないけど、唯一不整脈もあるかもしれないので24時間心電図を装着してもらって、胸痛がある場合はニトロを飲んでみて止まるかどうかを確認したい。そうすれば痛みが循環器の病気か、胃腸などの別の病気かはっきりするから」って。

「なかなか、的確にやってくれますね。いい病院だ。逆にAさん得したね。ヘボな人間ドックの循環器部分のチェック格安で念入りに終えたことになります。そして、指導医の【問題なし】の太鼓判までもらえたのだから。血管側の心筋梗塞脳梗塞系は……安心だね。

他の50代なんて、こういう検査をしたら「詰まってます」「脳梗塞出てきています」続出で……ヤバい人が圧倒的に多い。もちろん、圧倒的多数の40代、50代はこういう検査すら行かないので……「突然死」しているのです。

バスの運転手、タクシーの運転手、老人の「突然死」暴走……横転突っ込み大事故、コンビニ特攻は……こうして毎日のように起きています。

あの病院はリニューアルでインテリアもとてもきれいだし、今回の循環器科も24時間心臓カテーテルの緊急手術対応しているそうですよ。他の科も指導医クラスを揃えてやる気ある。あれで眠ってできる胃カメラ・大腸カメラとか、肝胆膵や糖尿病の専門科があったらいうことないのですけどね。」

結果としてAさんは再度共通の発作のときニトロを飲んだけど効かず、24時間心電図でも異常はみつからず「循環器科的には問題なし。むしろ健康!」「あとは消化器科など別疾患で診てもらってほしい」と「切り分けジャッジ」されてしまいました。

ちなみに「肺炎」とか肺の方は?その辺は医師はぬかりなく「胸部レントゲン」「胸部CT」で「肺炎」の確認をさっとしてあり、リスクなしで除外しているようです。

逆に言うと、Aさん「肺がん検診」もついでにクリアしちゃったかもしれない。

また、振出しに戻るね。このとおり「たったひとつの胸痛」なのに「循環器ではない」という実態があるのね。

さて、どうするか?次は……消化器系だね。実はこの部位は「肝胆膵のがん」とかヤバい病気の時も痛みが出るので。そこのリスクがつぶせたら……あとは気楽になれる。

今治第一は循環器は強いけど、ほかないんですよ。たまたま会社の検診で胃カメラするんだけど。」
「どこですか?」
済生会西条です。」
「え?なんで西条にしたの?今治のほうが消化器内視鏡チームは優秀だよ。麻酔で寝ている間に胃カメラ・大腸カメラやってるし。」
「そうなんですが、電話したら【数カ月まち】ですぐできないそうです。予約が殺到していて。しかたなく口からやる従来のゲホゲホする嫌なのにしました。」
「なるほど。ほんと地方の総合病院の崩壊ぶりはすごいね。しかも今治とか東予側は松山と違って医療は……終わってるんで。でも、少しだけいい話があります。あなたが検診する済生会の西条に愛媛県トップの肝胆膵の大御所がリタイアで移ってきた。
彼は愛媛県トップクラスの松山赤十字病院の肝胆膵センターを創設し全国10位に入る成果を上げて松山赤十字の副院長も直前まで務めた人です。

幸い西条の病院は今年新築リニューアルして彼がそこの副院長になったので多分、病院がテコ入れされてマトモになる可能性が高い。Aさんが行ける日もちゃんと肝臓の専門医がいるからどうかな?」
「行ってみます。」

■検診した総合病院で診察受けるメリット
報告来ました。
「ありがとうございます。武田さんのアドバイスビシッとはまってますね。すごいです。胃カメラの後、そのまま予約しないで診てもらえましたよ。今治第一の循環器の結果を伝え、検診で撮れたばかりの胃カメラの映像もその場で即座に診てくれました。」

「あー、それで胃カメラの検診時にその場で検査した医師に【胃なにかありましたか?】て一言聞きましたか?」

「はい。教えてくれましたよ。【食道も胃も問題ないです】でした。」

「よかったですね。これで、あなたは食道がん胃がんのリスクは一端消えた。胸痛の原因も別にありそうですね。

それで、総合病院がいいのは、そういうデータや検査結果をすぐ他の専門の医師も共有できるんで、これが、それぞれのクリニック行ったらその都度検査し直しでデータはばらけて管理されるし、いちいち紹介状や資料出してもらって説明しないといけないんで……すごく骨が折れて日にちもかかる。お金もかかるんだ。」

「それで、胃カメラの映像を見た先生の話だと【胃の開口部がもともと小さいようだし】【ほぼ8割方、逆流性食道炎】だろうと。」

「なに?そうなの?この先生は肝臓専門医なので肝胆膵の病気は逆にただの胃腸科の先生と違って詳細に見れるが、それでその見解ですか。」

「はい。なので【これらの飲み物はもう飲むな】って言われました。」
「ふーん。なに?」
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「コーヒー、紅茶、炭酸飲料」

あと油もダメだって「マヨネーズとか」
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「Aさんコーヒー好きなの?」
「はい。ブラックコーヒー1日4回飲みます。先生に言ったら【もうコーヒーダメですね。コーヒー終わり】ってピシャっと言われました。無糖の炭酸水も体にいいと思ってよく飲むんですが。それもダメだった。炭酸水もやめます。」
「そりゃ、楽しみがゼロにされ致命的だったね。牛乳や豆乳はいいの?」
「はい。牛乳や豆乳、水はいいです。」
「で、治療どうするの?」
「とりあえず、1日で水を飲んでいる量が少ないので、水を飲んでほしいと言われました。そうしたら胃液が薄まるので症状が減らせるだろうと。あとは、コーヒー断ちしてこれから様子見ると。先生の話だとコーヒー好きな人にかなり逆流性食道炎が多いのでやめさせると止まる人が多いんだそうです。薬はまだやらないでいい感じです。」
「そうか。で、先生は腹部超音波検査入れたのかな?」
「はい。今日はできず次回予約ですが1週間後で会社が休みの時に予約してくれました。超音波検査も日程埋まっていて数週間後と言われたのですが奇跡的に1日だけ土曜日が空いていたのです。診察もそのあとしてくれるそうです。平日会社休まず助かりました。」
「それは運がいいね。Aさんは【病院運】いい。そういうのも神様のおかげ……かなりあるんで。さすが肝胆膵の先生だから念のため検査入れたね。まあ、どの病院も他院のデータだけでは判断しないから。必ず自分の病院の検査結果を得るんで。

でも、よかったんじゃないですか。その病院で定期的に腹部超音波の検査のデータもためていくことです。そうしたらポリープやのう胞が出ても「同じ条件の検査体制での定点観測」がしやすいので、医師も判断が的確にできる。クリニックころころ変えるとそれができないから。済生会の超音波検査はきちんとしたチームでしっかりやるので、クリニックよりいいと思う。

それに今回Aさんの主治医は死亡率が高い凶悪な【肝胆膵】の専門医になった。肝胆膵の専門医はなかなか数がいないんです。

西条の済生会愛媛県トップの肝胆膵内科の大御所降臨で肝胆膵内科が強い病院になった。彼の優秀な部下とか弟子がついてくるのでいいことです。今治済生会は「診療科崩壊で終わってる」んで。あそこは機材はいいけど中味がない。

Aさんの場合、循環器は逆に最高レベルのチェックでクリアしたんで、今後の脅威は消化器系のがんとか乳がんでしょう。そちらをつぶしてクリアしていれば、生き延びられる。あとは食事をふだんからちゃんとしてベースの身体を病気にならないように維持しておくことです。

■複数の病院を使い分けるしかないさみしい現実
「西条の済生会MRIによる乳がん検診ができるといいんだけど、やってなさそうですので、また別の病院を探すしかない。」
済生会の西条はマンモしかやってないです。ダメですよね」
「だろ?病院に行ってMRIの無痛がん検診をやってほしい!と要望して変えていくしかないよ。」
胃カメラも、西条は口だけのやつしかしないです。今どき?今治済生会は寝ている間に胃と大腸カメラ検査1日で1発でやってくれるし、鼻、口全部の検査スタイルが選べます。」
「西条の済生会……そういうところがタコなんだよな。今治胃カメラ・大腸カメラ部隊だけは優秀なんで」
東予地区でMRI乳がん検査をしてくれるのは今治放射線第一病院だけです。」
「あそこか……MRIだけはいいけど、あとの診療科使い物にならないものな。あそこは。」

逆流性食道炎……実はまずい
逆流性食道炎なんて……たいしたことないですか?」

「いやあ、意外と分かっていない人多いけど【寝ている間に胃酸が食道を焼く】わけよ。食道は胃と違って酸に弱いから、「酒」「たばこ」「胃酸」で簡単に炎症になるよ。それ、くせになって繰り返していたら、食道がんのリスクになるから。潰瘍だから。治したほうがいいです。睡眠時無呼吸症もまずいんだけど、寝ているから本人気づかない。だから科学的な検査で抜き打ちでチェックしないと多分……一生気づかないので……最後、突然死しているわけです。」

「そうですか。じゃあ、今回の肝胆膵の先生に出会えてよかったですね。ありがとうございました。」

私のIQ800の頭脳がまた一人の人生を助けた。

それにしても「胸痛」が「逆流性食道炎」とは……調べてみないとわからないものです。ぜんぜん思いもしない病気の現象だった。

同じことが「腹痛」にもいえるから……なめたらこわいんだ。

■コーヒーが体にいい……うのみはまずいね
あと、世間の医師や栄養士ですら「いい」という「コーヒー」「ナッツ」ですら「落とし穴」こうしてあるわけで。

ああいう主張も「そのまま信じない」ことだね。私は全部自分で検証して病院の管理栄養士に相談して武田式に採用しているけど、それでも「思わぬ真実」が出てくる。なので随時採用する食品を「修正」しているよ。

世間であれほどよさげに言っている「素焼きミックスナッツ」でもLDL逆に上がってくらったから。今はNG食品になってしまった。

コーヒーもいまだにいいか悪いか?2分してる。
実は読者の消化器内科の指導医からは「経験上、膵臓(すいぞう)がんの患者ってコーヒー飲みが多いんだよな」って言われていた。まいったな。

だけど、世間的には世界的には?「コーヒーは大腸がん防ぐいい飲み物」になっているし。

まあ、指導医のがんになった人はどういうコーヒーを飲んでいたのか?「毎回スティックシュガーや角砂糖入れたコーヒー」だと……アウトだといえるが。
ちゃんとしたブラックコーヒーを豆からドリップで飲んでいたのなら……まずいね。

ブラックならいいか?インスタントだとカビ毒の問題があるし……けっこう調べて検討しないとダメなことも多いんだけど、それでも今回の逆流性食道炎のリスクがある場合は「飲んでもいい人」「ダメな人」にわかれるということだ。

コーヒーが「全部OK」は……ないな。
(内海君:小市民)