内海新聞のブログ

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1895:乳がんになるメカニズム

 読者の女性の方から「乳がんになった」という相談がありました。私は男性なので完全には難しいけど、可能な限り武田医学部での知見を書いておきます。今回は乳がんの病理・メカニズムについて考察します。役立てば幸いです。

それでは、みなさんも基本的な医学知識から一緒に旅しましょう。東大医学部の医師も「がん治療は東大医学部より国立がんセンターが鉄板です」とはっきりいうので、まずその国立がんセンターの公式な説明を見てみましょう。

■どこにできるのか?
乳がんについて(国立がん研究センター東病院
https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/breast_surgery/050/051/index.html
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乳がん」とは「乳腺組織」ががん化したものを言います。
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なるほど。「乳腺組織」ががんになると。

■乳腺組織が、がんになる
じゃあ「乳腺組織」とは何よ?ってなります。次の2つの要素です。

「乳腺組織の中でも実際に母乳を作る場所を小葉(しょうよう)と言い、母乳を乳頭まで運ぶ管を乳管(にゅうかん)」

このいずれかの部分で「がん」になるようです。

つまり「小葉」は母乳を生み出し分泌する部分……多分これは柔らかい組織でしょう。
次に、母乳が通って乳首から出るための「ゴム管」みたいな管が「乳管」。こちらも柔らかい組織です。

この時点で「なぜ乳がんが起きるか」私には「ピピ」ってわかりました。

これまで、あらゆる病気の原因は「血管・血液の状態」だと私は定義してきました。

そして「皮膚」みたいなものだと……「目」「大腸上皮細胞(大腸がん)」「粘膜」「臓器細胞」「歯肉」すらも、同じような構造になっているので……「皮膚の再生」「生成」を理解すると「各がんの発生メカニズム」も「読めてくる」と。

なので、私からすると乳腺の部分は「膵臓(すいぞう)とかと似てるよな」と思いました。

要は「液体を分泌(ぶんぴつ)」するからです。膵臓は「膵液」「インシュリンホルモン」を小腸内や血液に分泌したりしますけど、乳腺は「子供を育てるミルク」を分泌するところ。

その柔らかい細胞組織が……「新陳代謝の入れ替わり」を起こす際に「問題」を起こして……発がんしている。

そう……とらえれば「解けます」

■1つめのポイントは「乳腺小葉」
「乳腺小葉」いい教材がありますね。
乳腺 | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]
https://www.kango-roo.com/word/21306 
【小葉】は乳汁産生構造の最小単位である腺房と、終末乳管と呼ばれる小葉から乳汁を排出する導管からなる。

【乳管】は乳管上皮細胞、【小葉】は腺房上皮細胞(乳汁産生する細胞)からなる。

……本質に到達しましたね。ともに「上皮細胞」……どうですか?私が言ってきた「皮膚と内臓は一緒」そのもので……皮膚と同じように「生まれ変わる」部分です。ここが問題を起こしてがんになる。

■2つめのポイントは「乳管」
 それで、複数の小葉で分泌された母乳は、細い管「乳管」で集められ、最終的に乳首から「お乳」として出る。

この「乳管」の「上皮細胞」が異常を起こして「がん」になる。

それで、膵臓(すいぞう)がんの場合、膵臓の「膵管」ががんになるのですけど(サニージャーニーは膵臓本体の膵液をつくる細胞・すなわち小葉に当たる部分ががんになった)

と、乳がんもすい臓がんも構図的には似ているんですよね。

で、乳房(おっぱい)の乳腺以外は「脂肪」ですね。ここのボリュームが胸の大きさを決めているが、ここはがんにはならない。

問題は「乳腺小葉」と「乳管」です。

母乳は「乳腺小葉」から皮膚でいうなら「汗」みたいな感じで分泌・にじみ出てくるのではないかな?

次に「乳管」は、たとえると「ゴム管」をイメージして下さい。そのゴム管の内側の表面部分が【乳管上皮細胞】であり、ここが炎症を起こし「がん」になってくる。

大腸の上皮細胞表面での炎症・潰瘍が……大腸がんです。同じことです。

なぜ上皮細胞で炎症や発がんが起きるのか?私の思考は明瞭に説明できます。

いずれも「毛細血管」が通っています。そして、栄養分、コレステロール……血液成分が循環しています。

だけど、これまで書いてきたように「血液成分が悪化すると」「末端の毛細血管の血流が悪くなったり、酸化物質が増えて」「炎症」を起こすようになります。

いい資料があった、これ妊婦さんも読んだ方がいい。すごく大事なことが書いてある。
★高槻病院院内学習会2015『乳房の解剖と母乳分泌の生理』
https://fr.slideshare.net/shinkikuchi/ss-48465042
予想通り「乳腺小葉」「乳管」とも、微細な毛細血管と接続され「栄養や酸素」が常時出入りするようになっています。やっぱり毛細血管と血液の成分、酸化ストレスや、炎症反応が起きやすい所だとわかります。

「慢性的な炎症」は「発がんのもと」です。

つまり「砂糖が多い食べ物」「オリーブオイルでないような飽和脂肪酸(肉類)、動物性脂肪を多く食べてコレステロールが多い」と、他の臓器でも問題を起こすけど、女性の場合、乳腺にも影響を及ぼしているということです。

■糖尿病の女性は乳がんにもなりやすい
これだと糖尿病の女性は乳がんにもなりやすい……と言えるかもしれません。

調べたら、糖尿病の女性は乳がんなりやすいことが研究で判明していました。
★「糖尿病女性の乳がん発生率は、コホートで有意に増加」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27836525/
食生活、それから皮膚細胞もそうですが「栄養」「運動」「睡眠」……この3つの要素をちゃんとしていないと「正常な細胞の入れ替わり」ができなくなります。

「正常な細胞の入れ替わりができない」=「発がん」になります。

■ホルモンも原因
 あと、がんの原因には「ホルモン」も影響しています。ホルモンは血液中に放出される微量の物質なんですが、すごく人体の動きを左右しています。

有名なのは「コルチゾール」で、怒ったり、イライラして気が立っている場合によく出るホルモンで、これが多いと「緑内障」にもなります。

たとえばコルチゾールは糖尿病に影響していて「血糖値を上げるグルカゴン」の分泌を増やす働きがあります。つまりストレスが多いと「血糖値が上がる」んです。

緑内障のもとになる「眼圧上昇」も、毎日、コルチゾールが血中に増える午前中が高いのです。

そのコルチゾールを下げる方法は「瞑想」「リラクゼーション」です。

午前、座禅でも組んで瞑想したら……合理的かもしれません。サラリーマンはできないけど。

ですので日々の生活で「怒りっぽくならない」「円満」「ニコニコ笑顔」で暮らすよう心がけると、おのずとコルチゾールが減るので「発がんが遠のく」のです。

だけど、いつも、怒りっぽい、イライラしている、神経質にシリアスに物事を考えすぎていると……「気が滅入る」だけでなく「発がん誘発」もしているわけです。

「病は気から」は冗談でなく「医学的にもそのとおり」なんです。

■今すぐできる、発がん予防は「笑う」こと
ということで、くだらないようですが「普段の生活で、笑う」「楽しく生きる」ことは……すごく大事です。

「笑う」っていいことなんです。美容面でも「顔やあごの筋肉が動いて、リフトアップ」になるので。

女の子は笑えば笑うほど「美人」になるし、魅力も増します。
笑えない人は「銀魂(ぎんたま)」の「エリザベス」「ガンサム」のアニメでもみると、イヤでも笑いますので。見たらいいと思います。

あと「休養」がすごく大事です。とくに「睡眠」が大事で。睡眠時間が足りないと……細胞の再生が阻害される。うまくいかない。新しい細胞が増えないから……皮膚からあらゆる人体の細胞組織が「うまく維持できなくなり」「がん」になってしまうのです。

大リーグの大谷クンは、自分で栄養食事療法を組んでストイックに実践していますが、彼の計算づくめの筋肉細胞の増強・維持のプロセスで「睡眠」がすごく大事にされています。彼は普通の人より意図的に睡眠をとにかく長時間しており「細胞再生」を促進しています。

乳がんになりやすい女性像
どうですか?血液からみたら「あらゆる病気」が説明できると……私は言いました。

間違ってないと思います。乳がんひとつとっても「食生活」「栄養」「運動」「睡眠」がちゃんとしてない人、悪い生活スタイルを続けてきた人が、なりやすい。

ここから導かれる「乳がんになりやすい女性像」というのが描けます。
1.酒をよく飲む(お水の仕事、ホステス)、ふだんから家にビールや缶酎ハイ、ワインをおいてたしなむ人

2.オリーブオイルでない「飽和脂肪酸」「工業的な変な油脂」をよく食べる習慣の人「外食」「スナック」「ケーキ」「クッキー」「クレープ」「ホイップクリーム」「アイス」「チョコレート」「デザート」「スイーツ」好きな人。食べ歩きをしている人。

3.糖質を多く食べて運動不足な人(肥満はその代表)、甘いものが好きな人。地方だとクルマ社会で確実に運動不足で太っている女性も目立ちます。乳がんになりやすいでしょう。

4.AGEsが多い食べ物(ポテトチップス、唐揚げ、フライ、天ぷら)を食べている人。

5.夜ふかしが好きだったり、睡眠時間が不規則、深夜労働の人(2交代、3交代勤務労働者、医師、看護師、薬剤師、水商売、風俗、芸能人、アナウンサー、自衛官、警官、CA、タクシーやトラック運転手など)

6.加齢。年齢で人体の基本ベースの免疫細胞が激減します。40代から、発がんが多くなるのは40代でもすでに20代のときに100%あった面積細胞が40%程度減っているからです。これが50代で50%以上、70代では10%程度しか残っていないので……発がんしまくるわけです。

ですので、乳がんの予防方針が導けるのですが40代になったら「毎年」「MRI」でごく初期で発見していく……プラス「食生活」「栄養」「運動」「睡眠」をちゃんとすることです。MRIは被曝しないで済むので毎年やるならMRIがいいです。

これらの条件は乳がんだけでなく「大腸がんなど、ほとんどのがん」の原因でもあるので、やめることですね。

女性は「デザートは別腹」ってニコニコし、とにかく甘い物好きですよね?そして、太りますよね……実は、それ自体が「あらゆるがんのスイッチを押している」ということです。

大腸がんにもなるし、乳がんにもなるでしょう。

なので、男性側としては言いづらいのですが、彼女とか奥さんに「酒・たばこやめよう」「ジュースや缶飲料、ペットボトル飲料飲まないようにしよう」「甘い物食べないほうがいいよ」「デザートはやめよう」「ポテチ、スナック食べるのやめよう」……と、言ってやめてもらうのが「本当の愛情」になるのですが、

やたら言うと怒りますからね。でも、こうやって「なぜ乳がんになるのか?」「大腸がんになるのか?」その原因が「酒、タバコ、甘い物、変な油、肉食、お菓子」だと説明してあげると「こわくなって」「ビシッとやめる」と思います。

内海新聞の医学記事を過去の分……読んでもらうといいと思います。

乳がんの「予防」「治療」で患者としてできる努力のまとめ
 あらためて……乳がんになる「乳腺細胞」すなわち「乳腺小葉」「乳管」はいずれも「上皮細胞」「皮膚みたいなもの」なんです。この認識をもつことです。

「上皮細胞」は皮膚と同じ。新陳代謝が激しく、入れ替わりも早い部分です。それゆえ、血液の栄養バランス、ストレスによるホルモンバランスの異常に、影響をモロ受けやすい部分です。

ですので、乳がんにならないようにするには「乳腺細胞」が「正常に入れ替わるよう」「日々の食事・栄養・運動・睡眠」をきちんと律して、続けているライフスタイルがとても大事だということです。

武田式がん免疫栄養食事療法……それに寄与すると思います。

これは実際に、発がん、手術、各種治療をして回復するうえでも必要ですし、以後の再発、他がんの発生を食い止めるためにも大事なことです。

(内海君:小市民)