内海新聞のブログ

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1879:1日3食の意味

 この場においても、まだ「1日1食」「2食」とか……信じている「医学知識のない人」がいそうなんで、なんで3回がいいのか?説明しておきます。

■歯科の面
 実は「食事は1日3回がいい」は歯科でも大事なポイントになっています。「間食はやめろ」これは……歯科医の間のセオリーです。患者にも教育しているぐらいです。

なぜなら、虫歯は食事後、口内が食べ物で酸性になりそこで虫歯菌が活性化され歯を溶かし出します。だけど、食後、食べ物を食べずいると「唾液」によって「中和」され「歯のエナメル質の脱灰」が「止まって」「失われたエナメル質の修復」が行われるのです。
この時間が食後30分いるそうです。だから歯科医は「食後30分は歯磨きしないほうがいい」と言っています。
★【食後30分以内の歯みがきはNG?】歯医者が解説!!
https://youtu.be/AQj2uMK4bhs
この人体の「回復作業」のために、必要なのは「食後3~4時間後に次の食事をしないで」「常時口内に食べ物を入れたり」「砂糖の飴なめていたら」「常に口内が酸化して」「虫歯が大繁殖する」……こういうことなのです。

■食事回数を4回以上増やす、間食がダメな根拠

 食事によってどうしても虫歯は起きるので……そこのダメージから回復するために口内を休める時間がいる。休める時間が長いほど「歯の修復に貢献」するからです。

だから……食事を1日3回にわけて時間をあけて食べることが「必須」になります。

この歯科面での食事インターバル確保から「食事回数を1日、4回、5回、6回……にするのは虫歯予防のためにもダメ」という結論が導かれるわけです。

■糖尿病内科での面「朝食が必須な理由」
そして、重病で死んでしまう糖尿病からの離脱。治療による抵抗からも重要なポイントです。

 朝食を食べると「セカンドミール効果」があり、昼食以後の食事での血糖値が有意に下がることがわかっています。なので、糖尿病専門医らは「食事は1日3回にわけて」食べるよう指示しています。

もし、朝食を抜くと昼食が「ファースト」になりますが、この時の血糖上昇はハンパなく高くなるのでまずいからです。

自分の実験でも朝食をちゃんと必要量食べ、昼食を食べると明らかに昼食での血糖スパイクの山は低くなります。さらに朝食での血糖スパイクを爆上げしないようにコントロールできれば、1日「3回」の血糖スパイクの大山を平滑化できました。

■消化器内科での面
 消化器内科でも食事の時間、回数は重要なポイントになっています。

 毎度の食事で胃に食べたものが滞在して小腸に送られるまでに3~4時間かかります。そして、まったく空にしたり、食べた量が少なく「糖質不足」が脳のセンサーで感知されると「足りないからもっとくれ」という信号が出て「間食」をしてしまいます。あるいは、甘いものを食べたくなり、これが「菓子」「スイーツ」を間食する原因となります。

「満腹感」は大事。さらに次の食事は「あまりお腹がすいていないうちに」「食べる」ことも大事です。

ただ、武田式を始めてからは「ちゃんと野菜や繊維質をがっつり食べている」と「間食しようとか甘味、スイーツを無理して食べよう」という衝動が明らかになくなりました。なので、次の食事まで普通にしていられます。

なので、いかに「3度の食事で適切な量を食べ、型をつける」ことが大事か……わかります。

■1日3度に食事をわける意味
さて、1日起きて活動している行動時間はだいたい17時間。そのうち寝る前4時間前には食事を終えて、胃の負荷を軽減しないと寝た状態で胃に内容物が残ります。
それは、胃もたれや消化不良を起こすわけです。

 すると17時間から4時間は減るので14時間。これを4時間のインターバル確保すると1日3回がベストな食べ方になります。

このように科学的、論理的に詰めていったら「1日3食」はちゃんと意味が通っています。これを、1日1食、2食にすると少ない回数で一度に大量の食事を食べないと「つじつま」が合わなくなります。大食いになる。間食をしてしまう。ダメですね。

じゃあ、また勘違いしている「断食」「カロリーダウン」すればいい……もう、ここまでくると「アホの極み」であり「栄養不足」になります。

「栄養不足」は「全身あらゆる病気の原因」になります。根本からアウトです。

「じゃあ、禅の修行僧」「断食行者は?」はい。彼らの生活スタイルを科学的に分析したことがありますか?

カロリーをダウンする代わりに「カロリー消費が少ない行動原理」をとっています。
「長時間の座禅」「瞑想」

あなたが、日常生活をそうするなら……かまいませんが。でも、彼らもそれは「限定期間」にとどめ、終了後はむしろ倒れ込んで介抱してもらうレベルまで衰弱しています。

なので、本質的には「よくない」です。修行だということで根性入れてますが、医学的には「アウト」です。

人間は3日間、食事で栄養補給ができないと「死ぬ」こともわかっています。災害時のレスキューのタイムリミットが「72時間」「3日間」なのもそのためです。

■栄養学的な面
 さらに3回にしたほうがいい合理性が存在しています。それは「タンパク質の摂取タイミング」「回数」があるのです。

 タンパク質は「必須アミノ酸など」「人体の細胞生成・維持」に絶対必要な要素で、多数のアミノ酸を含んでいます。これを毎度の食事で食べることが絶対必要です。

このタンパク質は「朝きちんと摂取しろ」が栄養学的にわかっています。それは寝ている間に人体がタンパク質を「自分の体」から「消耗」してしまうからです。朝起きた時点で、かなりのタンパク質が人体から失われてしまっています。これでは細胞の再生や、人体の活動に影響が出ることになります。

たいていの日本人は「朝、タンパク質がないパンとコーヒー」程度の軽食です。

結果として1日摂取すべきタンパク質は不足していて、それがどういう現象を引き起こすかというと「寝ている間に筋肉が分解され、栄養素として使われてしまう」すなわち「筋肉量が減ってしまう」現象になります。

いくら、日中運動しても「食事でちゃんとタンパク質を必要量食べていないと」「筋肉にならず」「体重は減るけど」「筋肉スカスカ」になって「健康に害」する状態になるわけです。

特に老人がこの傾向がひどくなり「筋力低下」「さらに骨も分解」され、「骨折しやすい」体になってしまう……のは「タンパク質の摂取量が明らかに日々の食事で少ない」からなのです。

だから、結論としては「中高年」「老齢者」は「タンパク質を大量に」「1日3回の食事で食べる工夫」が絶対的に必要です。

「老人こそステーキ食べろ」……牛ステーキは別の問題があるけど、それぐらい老人のほうが「積極的にタンパク質をがっつり食べる」必要が出てくるのです。

じゃないと、どんどん筋力が落ち、骨も薄くなっていきます。そういうことです。

 でも、骨や筋肉、あらゆる組織を作り出すための原料として大事なアミノ酸は、「流れ落ちる栄養素」であり「一度に大量に食べたから貯金できる」ものではないです。そしてこの致命的な弱点をクリアするために「一度に大量にアミノ酸をとればいい」という考えもダメなんです。

 1日3回の食事にわけてタンパク質(肉、卵、乳製品、大豆など)を小分けでとって徐々に血液に送り込んでやったほうが体内での吸収効率がいいわけです。

■意外と日本食の味噌はいけるらしい
で、タンパク質摂取の効率性で調べていると意外と「味噌」もいけそうです。塩分が多いので循環器的にダメかと思ったら、実は塩分が多くても味噌汁の発酵大豆自体の成分の相互作用で塩分摂取が帳消しにされているらしい……と。
★『味噌の最新栄養学』味噌の効果がすごすぎた!医学論文を用いて分かりやすく説明します!【栄養チャンネル信長】
https://www.youtube.com/watch?v=mrNzBJiM_rc
……味噌汁毎日飲むのは……ありみたいです。あと料理に味噌を入れ込む工夫……。

■管理栄養士の指導を受けるべき理由
 さて、成人で1日必要なたんぱく質量はトータル60グラムだそうです。実際の食べ物の量はこれよりはるかに増えます。

まずいのは日本人のほとんどがこの量に達していないらしいそうで、それが骨粗鬆、筋肉量低下……を引き起こしていると。

なので、自分が摂取しているタンパク質量がわからないまま、バカみたいに運動したところで……筋肉つくどころか、減ったり、体調崩す……わけです。

私の管理栄養士は「豆乳や豆腐を毎食事15分~30分前に食べると、食事後の血糖値上昇が有意に抑えられる」という方針には賛成しました。

 管理栄養士に相談するメリットが多大なのは以下の問いに「答えられる」「適切な指示ができる」支援を得られることです。ぜひ皆さんも、顧問の管理栄養士を雇う、病院で主治医に「栄養指導」を希望してください。すごいコストではないです。糖尿病の人は健康保険で数百円の料金です(糖尿病栄養指導は対面で250点。3割負担で800円ぐらい)。

 食事の悩みや疑問に対して、日々の食事を適切に導いてくれる管理栄養士の存在は、あなたの命を守る上ですごく大事です。

大リーグの大谷君は明治乳業と研究員、管理栄養士のバックアップを多大に受けてあのボディづくりをしてきました。それぐらい大事なポイントです。

■1日どれぐらいタンパク質を食べればいいのか?
私「では、1回どれだけの豆腐を食べたらいいでしょうか?とりあえず30グラム食べてみています」
栄養士「30グラムでは足りませんね。100グラム食べてみてください」
私「それ、スーパーの豆腐のどれだけの量?」
栄養士「半分か3分の1ぐらいですね」
私「けっこうな量ですね」

※相談の際は「毎食の内容をデジカメ、スマホで撮って」「今まで食べている食事の写真を全部見せる」ほうが楽です。栄養士もすぐいろいろ理解して答えてくれます。

こんな感じです。「ただなんか食べた気分」ではダメで「必要量をちゃんと食べる」ことが栄養学面、実践で必要になります。

今回食事療法をやっていてわかったのは「食べたつもり」の「感覚」が「ダメ」であり「きちんと量りで計ってちゃんとその量を食べる」ことの大事さを……痛感しています。

毎日自分で計っていると「目分量」が正確になって「見るだけで大体何グラム」まで「肌でわかる」ようになります。そうしたら外食や買い物でも「どれぐらい買えばいいか」検討がつくようになります。

実験すると、このタンパク質事前摂取でプロテインの代わりに「きなこ」を使って実験しました。きなこを200mlの水に溶かした「きなこ水」を食事15分(30分)前に飲んでおくと、食事後の血糖スパイクがわかりやすいほど低下しました。安全圏近くに下がります。でも、きなこの量が10グラムだと効果なく、20~30グラムだと効果がはっきり出ました。
★【発見】血糖スパイク食前これ飲むだけでOK
https://youtu.be/w4uXa4Z6hCE
で、血糖値コントロールではいいのですが、本来必要なたんぱく質量としてはどうなのでしょうか?

成分無調整の豆乳(濃度が高い)で200mlのコップ1杯でたんぱく質の量は6~7グラム程度です。1日3回豆乳飲んでもいいとこ20グラム。

ちなみに、きなこも豆乳と同じぐらいです。

なので、豆乳だけではまだ40グラム……足りないです。だから、3度の食事のおかずで「大豆」「鶏肉や魚肉」「ヨーグルトなど乳製品」を上乗せでバランスよく交差して食べて行く必要があるわけです。

ベジタリアンもあまりよくないのですが、もし、あなたが「ベジタリアン宗教」の信者になって抜けられない場合でも「大豆からのタンパク質摂取量」はシビアに計算して「かなり大量」に食べないといけないことが……自明かと思います。

なので「量」がシビアにすごく関係します。

泌尿器科からの問題と糖質ゼロ・カット、ケトン・肉食ダイエットがダメな理由
 さらにダメ押しで泌尿器科でも問題があるのです。今回「腎臓のメカニズム」も勉強しだしているのですが、この泌尿器科というのは医学部でも「めちゃ複雑で難しい分野」なんだそうです。実際「えー」というぐらい「複雑で」「ピタゴラスイッチの何百倍も巧妙な」システムになっています。

その泌尿器科での問題は一度に大量のアミノ酸をタンパク質として食べる、たとえ注射で送り込んだとしても「人体の内部で使用するタイミングでない」「余ったら」「尿になって外に捨てられてしまう」というまずいポイントにひっかかるのです。

なぜなら、この際、腎臓がタンパク質の尿としての排出で「痛む」「腎臓細胞組織の破壊」を引き起こします。なので「過剰なたんぱく質血中濃度で濃くしている」ことは腎臓内科にとって「大変問題」なのです。

これが、いわゆる「糖質ゼロダイエット」「肉ばかり食べるケトンダイエット」の「致命的な欠陥」なのです。やっちゃダメですよ!あれは。やせて喜ぶどころか腎臓を破壊して「腎不全」「透析」行くはめになります。
「炭水化物ゼロ」「肉と野菜だけで通す」……ダメダメ。腎臓が今度はやられる。

管理栄養士からも「糖質ゼロ、カット」「肉ばかり食べるダイエット」「絶対やめてください」「栄養学わかってないアホがやっているとんでもないやり方です」と言われていますが……全体的なシステムとしての医学がわかってくると「ダメだ」その通りです。

糖質は人体にとって絶対必要なんです。だから「いかに多すぎず」「少なすぎず」「最適化してとれる」かが大事です。

なので理想は「タンパク質は1日1度に大量にとるのでなく」「食事3回にわけて、分割して体内にとりこみ」「血液に必要量だけ循環させる」ようにする「食べ方」「回数」が医学的に「絶対条件」として存在しています。

どうですか?みなさん「ひとつの問題」「ひとつの要素」だけで、医学、人体の事を考えがちです。私もそうでした。

でも、人体は「超巨大な複雑系」なんです。すごいシステムです。原子力発電所のプラントやスペースシャトル人工衛星の比ではないです。

あらゆる要素が複雑にからみあい、相互作用、連鎖反応を起こして「生理現象」「病気」が起きる。

■1日3食はちゃんと意味がある
「1日3食がいい」……この単純なフレーズに、どれだけ複雑な意味の「医学的知見」「メカニズム」があるか……わかっていただけると

もう「1日1食」「2食」が……いかに医学的に間違っているか……理解すると思います。

その辺の健康本、医者でもない代替医療や健康食品の人の本……から医学に入らないことです。

きちんと、本筋系の医学部のテキスト、生理学、生化学、分子生物学、細菌学、ウイルス学……こうした分野の本、PubMedによる医学論文の裏付け……こうした要素を鉄板のベースにして思考を重ね、モデルや論理を構築して議論しましょう。

私はそれを毎日しています。なので、自分自身が「医学部全学科」になりつつあります。
(内海君:小市民