内海新聞のブログ

1996年創刊の我が国最初の電子新聞

1919:アミノ酸と糖の貯金システム「糖」

 大事なポイント。基本的な考え方を書くので、みんなついてきてください。人体の内部で起きている病理の根本になる部分です。これは病気の治療、ダイエット、スポーツトレーニング……全部に共通するので。

それは「アミノ酸」「糖」です。この2つを私は「レゴブロック」「お金」みたいなものだと考えます。

そしてこの2つは「食事」で腸から血液に入ってきます。今回はそのうち「糖」の貯金システムの話をします。

■糖の貯金システム
 今やっている糖尿病や高血糖の問題になる「糖」ですけど、たとえば病院の血液検査で「血糖値が200mg/dl」と出ていたらどういう状態なのか?

ミクロレベルで考えてみましょう。

この数字は「1デシリットルあたり200ミリグラム」「糖」が量としてあります……ということです。

「デシリットル」ですよね。1リットルの10分の1

人体の血液の量は成人で5リットルぐらいだそうです。
そして「ミリグラム」って、1グラムの1000分の1。

ということで「200mg/dl」で5リットルの血液の中に糖が何グラムあるか?
考えてみるといいです。

えーと、私もITのコンピューターのエンジニアのくせに、こういう計算苦手なんだよな(笑)幼稚にやります。

5リットルって50デシリットルだよね。
ということは
200mg×50デシリットル=10000mg=10g

なるほど「200mg/dl」の血糖値と言われたら「自分の身体の血液全体に10グラムの砂糖が溶けている状態」

ということですね。

10グラムの砂糖って、イメージできますか?
スタバやマクドでもらうコーヒーとかの「スティックシュガー」あれ6グラム。

なので、スティックシュガー1.6本分の砂糖が血液に溶けている状態。

ちなみに糖尿病のひどい人になると「200mg/dl」どころか「300」「400」あるんです。プロレスラーのアントニオ猪木は36歳で糖尿病を発症しましたが、あのとおりプロレスラーの強靭な筋肉と「バク食い」「ビールや酒をジョッキでバンバン飲む」レベルの「アホみたいな食生活」をしていたら発病時「500」も血糖値あったそうです。
300だと15グラムの砂糖
400だと20グラムの砂糖
500だと25グラムの砂糖
……なかなかすごいですね。

あ、ちなみに「200mg/dl」なんか当たり前にふだん言っているようじゃダメですよ。これ異常なんだから。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
正常な人の血糖値は下が70、上でも109程度です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
そうそう、私の食後血糖値が200越えしているのは「かなり問題」な話なんです。糖尿病専門医らの目標としては
■■■■■■■■■■■■■■■■■
「食後で最大180に抑えろ」なんです。
■■■■■■■■■■■■■■■■■
だから、薬や食事の仕方で「必死に」下げているの。

ちなみに健常人の食後血糖値の最高は「140」となっているようなので、それ超えているような人は「糖尿病にどんどんなっていく」というわけです。
でも、たいていの人は自分が食べた後の血糖値がどれだけ上がっているか計測していないです。
計測したければ私も使っているフリースタイルリブレを装着し24時間計ってみてください。恐ろしい実態を知るでしょう。

健常人で健康な人は血液中の糖の量は「5グラム」程度。スティックシュガー1本未満だということです。

逆にいうと、人間って「スティックシュガー1本の砂糖」があれば「生命維持」できるって……ことかもね。

さて、ここからあなたが恐怖のジェットコースターに乗る話をしますね。おもしろいよ。

つまり、あなたが食事で「スティックシュガー1本」食べる、ジュースなど飲むと、この糖分はほぼ100%迅速に腸から血液に入ってくれます。

同様に「スポーツドリンク」も同じです。

ということは、100の血糖値の人も、単純に血糖値が200にはね上がる……ということです。

■内科医・糖尿病専門医が必死に「ペットボトル飲料飲むな」という理由
 糖尿病になると管理栄養士の食事指導を受けられます。カウンセリングの部屋には「この食品はこれだけ糖があります」という標本展示までしてあります。

そこで「缶コーヒー」が展示してあります。自動販売機とかコンビニに売ってあるやつ。あー、私もサラリーマン時代ときおり会社の自販機で買って飲んでました。ミルク入っていたり……。甘くておいしいです。あれ何グラム砂糖入ってるんだろ。
https://www.aquaclara.co.jp/lifehack/healthcare/016/
13グラム

え?それって、血液に入れたら血糖値どうなるよ?
プラス130に相当。
ということは、健康な人でも血糖値が109+130=239になる。

簡単に、私のように「一時的な糖尿病」になるわけです。

で、そういう生活あなた1日何回……ペットボトルの甘い飲み物飲んでる?
あるいは、コーヒー牛乳、イチゴミルクのパック飲料飲んでます?

で、その血液中の砂糖……どうなるのよ?

■血液中の砂糖の行き場
 血液中のこの「糖」は、通常は脳とか、各臓器、筋肉などが動くための「燃料」として使われています。

なので血液中の糖が少ないのは「超ダメ」です。そう、糖質ゼロってダメなんだよね。人体で一番糖を消費しているのは脳なんで、脳が死んじゃうから。

糖質制限、ゼロのダイエットすると「頭が回らなくなる」のはそのためです。

人体どんなに壊れても最後まで生き延びないといけないのは「脳」です。だから、生体システムは何重もの安全装置で「脳に糖が供給される」ようにプログラムされている。それが「糖を血液に増やせ」というホルモン群。

人体の設計ポリシーは「血液中の糖はないより、あったほうがいい」「常に糖が必要分+プラス」あるように……となっているんだ。

これが飢餓状態、お腹がすいたり、たとえ、腕や足が吹き飛んで胴体と頭だけになっても「最後の最後まで頭が動いて意識があるように死守する」恐ろしいまで強靭な人体のサバイバルシステムなのです。

人体すごいよ。ロボットなんかより。生きたバイオコンピューター搭載の自己完結で外部からエネルギーを補充して自分で修理・メンテナンスして動いていくパーフェクトシステムなので。

でも、外部から「余計に糖分が過剰に入ったら」……その場合もうろたえず人体はちゃんと考えてあります。すごいね。

それは余った糖は「脂肪」「筋肉」に「貯金」する……としているのです。

■脂肪と筋肉への貯金のしかた
 そこで、糖の貯金ですけど保管場所として人体は2つの場所を用意してあります。それが「体脂肪」「肝臓脂肪」のような「内臓脂肪」エリア。もう一つが「筋肉」エリアです。

ただ、貯金するためには条件があります。

筋肉に貯金するためには「運動」が必要です。なので、運動したら血液中の糖は筋肉のほうにアミノ酸と共に貯金されますので「筋肉が太く強く」なります。

でも運動しない場合、糖は「脂肪」に行きます。特に肝臓などの内臓脂肪に変換されて保管されます。これが肝脂肪。すなわち「脂肪肝」です。

■なぜいちいち糖を脂肪にするの?
 血液中の糖をなぜ、わざわざ脂肪にするのでしょうか?

 栄養学やった人ならわかるでしょうけど「油(脂)は同じ量で砂糖の2倍の密度で糖を保管できる」からです。

カロリーの話なのですが通常、人体細胞の材料となるタンパク質は1gで4kcalのエネルギーだけど、油(脂)は1gで9kcalで2.2倍のエネルギーになります。

なので、人体の中で糖をタンパク質で貯金するより、脂で貯金したほうが狭い体内で多く貯められるので効率がいいわけです。

ですんで、血液中の糖で脳や臓器、筋肉、各細胞の生命維持のエネルギーに使われなかった余剰分は、すべての血液がフィルタリングされ浄化される「肝臓」で「大量一時貯蓄」されることになります。あとは手足や胴体の「脂肪」にも貯蓄されます。

こうやって「甘い物や炭水化物を必要以上に食べていると」「太る」わけです。

そして、あなたが飲んだ缶コーヒーや、ペットボトル飲料の砂糖は「肝脂肪」になってしまうわけです。

肝脂肪が増えるといわゆる「メタボ」という状態になります。

■でも、脂肪は「炎症」を起こす
 さて、たいていのサラリーマン、中高年、今では20代、30代でも「ロクな食べ物」食べていないし「外食ばかり」「コンビニ・スーパーで買うもの」しか食べていないわけですよね。

そして、大部分の人は「運動不足」です。車に乗っている人、デスクワークの人……

さらに三食食べているもの……ほとんどが野菜ないですよね。圧倒的に食べているのは「炭水化物」「脂・油」「肉などタンパク質」だと思います。

このうち炭水化物(ご飯、うどん、ラーメン、スパゲッティ、パン、ポテチ、スナック、お菓子)は腸から「糖」になります。

あなた、ご飯、うどん、ラーメン、スパゲッティ、パン、ポテチ、スナック、お菓子……「何グラム」食べていますか?

白米のご飯、私、管理栄養士から「180グラム」「茶碗で山盛り1杯」は「食べろ」って言われています。白米の糖量ってどれぐらいあるのか?
https://www.acacia-no-ki.co.jp/health/rice-sugar-7639/
白米100グラムで37グラムの糖量です。

ということは、180グラム食べたら66グラム「砂糖」血液に入れることになります。

66グラムも砂糖飲んだら?血液どうなります?血糖値が砂糖5グラムで100mg/dlなんだろ?13倍?
単純計算で100mg×13倍=1300mg?そりゃ変だな。認めたくないわ。
おかしいな。私の勘違いだろうか?

実は、その大部分は「肝臓」で「吸収して」もらっているのです。
http://www.tamori-naika.com/column/20100312004851

計算の目安に使える、まともな大手製薬会社のデータがあった。
一般的にはブドウ糖(砂糖)1gは血糖値5mg/dlの上昇を起こすと言われています。
https://sumitomo-pharma.jp/learning/ph_expert/vol.9/2.html
少なめに見積もってこれだろ。この条件使おうか。
5mg/dl×66g=330mg/dl

え?少なめに見積もっても330も上がることになる。
ちょっと待て。そんなに糖があるのか?あるんだよね。

糖尿病専門医が「白米はヤバいよ」「白米は砂糖水」っていうのは……こういう理由なんです。

でも、実際はここまで爆上げしないのは「白米だけでなく、おかずも食べているから」なんです。

もちろん、白米だけ純粋に食べたら……それぐらい上がるかも。こわくて実験できないけど。

1日3食……白米ご飯180グラム食べたら
330mg/dl×3食=990mg/dl

1日トータルで990の糖は……脳や人体で使ってくれるはずだからいいけど。

大部分の人が「それを上回る大食い、間食、お菓子」しているので……当然990どころじゃなくて……数千単位の糖が「余って」「脂肪」として貯蓄されていく。

で、その「余剰脂肪」は「そのままいると」「酸化」してくる。
みなさんも、豚の脂、植物油も放置しておくと「黄色く、茶色く」変色したりして……くるよね。あれが内臓脂肪でも起きる。

そうしたらどうする?免疫細胞がこうした「ゴミ細胞」を「分解」して「アミノ酸」に「戻して」くれるんだけど……免疫細胞が「ドカチン解体工事」すると……「熱」が出るわけで、それが「炎症」。

そして、炎症によって「更地にされた」「細胞エリアの土地」に「再度新しい細胞を建設」するんだけど……老化や紫外線、活性酸素で「設計図のDNA」が「損傷」したら……「変な建物」が立つよね。

それ……「がん」です。

あと、免疫細胞が「炎症」「どかちん解体工事してるよ」「お祭りだ」って騒ぐとだな。その情報(サイトカイン)を聞きつけて「静かにしろよ」って「火消し」を脳が司令するわけだ。

それ何よ?「コルチゾール」だよ。

で、コルチゾールが血液中に増えると何が起きるよ?コルチゾールは肝臓の「肝脂肪」あと「体脂肪」「筋肉」の脂肪やたんぱく質を分解して「血液中の糖を増産」しちゃうんだよね。

ということは「血糖値が別ルートで上がってしまう」わけ。さらにコルチゾールは全身の免疫力を低下させるので「ウイルスや細菌感染症にもなりやすい」「がんが発病して増殖してしまう」ことになる。

ちなみに肝脂肪が増大すると「脂肪肝」なんですが、肝脂肪は飲酒によるアルコールでも増えるんですけど、酒飲まない人でも脂肪肝になるのは「糖質多い食生活」が原因です。そういう脂肪肝を「NASH(ナッシュ)」と言います。

そして、NASHは放置すると肝脂肪が酸化して炎症を常に起こし続けます。臓器細胞で炎症が続くとその細胞は「やわらかさを失い」「繊維化」といって「固く」なります。一度繊維化してしまった細胞は「死んだ細胞」であり、そのエリアが増えることを「肝硬変」と言います。当然死んでいるのでその分肝機能も低下します。

肝機能が低下するということは……血液の浄化ができなくなります。
血液の浄化ができなくなるということは、全身の毛細血管に「毒」「汚れた物質」が流れ込んでくることになり、その先の細胞も「死んで」行くことになります。
そして繊維化した肝臓細胞は最終的に肝臓がんを発病します。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
基本的認識として「甘い物」「脂肪(油)が多い食べ物」「酒」を
食べたり飲むと
「肝臓」「胆のう」「膵臓(すいぞう)」のいわゆる
「肝胆膵」が「破壊」「ダメになる」「がんになる」と思ってください。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
簡単でわかりやすいよね。

こうして肝臓に脂肪を増やしたばっかりに、常態的、慢性的に「血糖値が高くなる」ようになってしまうんです。

それが「糖尿病」にもなるわけです。
糖尿病の病理を考えるとき、単純にインシュリンの所だけ見ないで、こうした「血液中の糖の流れの全体構図」を考えたほうが病理がイメージしやすくなります。

わかった?糖尿病って遺伝もあるけど。やっぱあなたが「ふだん食べているもの」「食べ続けている量」「生活スタイル」で発病するんで。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
食事って
「血液にこれから、どれだけの量の糖を注入するのか」
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
という考えで食べないと……結果として自分の体……致命的に壊しまくるのです。

(内海君:小市民)