内海新聞のブログ

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1945:ドライアイは重病だった

 糖尿病になって緑内障になって世間の眼科での治療が「緑内障には詳しくない」ため「失敗」して結果として大学病院の緑内障専門医の治療を受けるはめになって10か月。武田式食事法と医学部の治療が相乗効果を上げ私の眼圧はいい低下を見せるようになりました。

大学病院で数カ月の検査の結果、ごく初期の開放隅角緑内障(かいほうぐうかくりょくないしょう)と診断され「あなたはラッキーだ。今の段階で治療続けていければ失明はかなり防げますよ」と前回の開業医の眼科でアレルギー反応でダメになったキサラタンから、ミケルナという点眼液に変更して治療を再開しました。

■目薬が目に悪い理由
 無知な人はドラッグストアでやたら目薬を買って、薬に頼ってつけたがる人が多いのですが……自殺行為だと思ってください。しないほうがいい。

ドラッグストアに行くと驚くのは「目薬コーナーがどでかい」ことですね。それだけ目薬つけたがる……人が多い。

なぜなら「世間、そして眼科で処方する点眼液のほとんどが」「塩化ベンザルコニウム」という「殺菌剤」が入っています。そもそもこれは目を傷めて悪いんです。

「うがい薬」で「目を洗う」からです。意味わかった?

なので眼科医の話だと、目薬はすればどのみち「殺菌剤で目を傷め」「アレルギー反応」を起こすのだそうです。治療を優先するためアレルギー反応の副作用を認識しながら使うものだと……。

なので眼科としては「目薬を変えて」「逃げる治療」でしのぐしか……ないと。

ということで、私も「慎重に」「経過観察」をして目薬をしました。でも……10月頭だったかな……また目が……「プールの塩素水につかったような痛さ」になってきました。

夕方になるともう、目が開けているのがつらい。

「またかー」
私は、高速道路に乗って大学病院に駆け込みました。

「また、薬がアレルギー反応起こしたかも」「目が痛い」
早速、医師は私の眼を検査しました。「アレルギー反応かな?」医師は検査液を目につけて顕微鏡で私の角膜を撮影していました。

「ドライアイですね」
「ドライアイ?」
「撮影した写真を見てもらうと、このぼやけた部分が角膜表面がカサカサにひび割れてきている状態です。10月になって乾燥してきたでしょ?」

ドライアイで損傷した私の角膜写真

「たしかに」

「目ってね、角膜の表面がムチンという材質の、たとえると深海魚の皮膚のような【ネバネバ】みたいな柔らかいゼラチンみたいになっているんだよ。これで角膜を守っている。そこは常時、まばたきをしていると成分のゼリーが供給されるんだけど、目をずっと開いている人……武田さんPC画面とか見ているよね?目が開いたままの人が最近多いんで……1時間ほどで乾いちゃう。そしてパリパリにひび割れてくる。これがドライアイというんだ。」
「え?1時間程度でダメになるんですか?」
「そうなんだ。ちなみに子供とかはスマホを見てばかりいる子が多いんで同じようにドライアイになる。」
「で、ムチンってコラーゲンですか?」
コンタクトレンズをしている人は角膜表面が壊れている人ばかり
「いや、コラーゲンではないんだよね。涙腺から出てくるんだけど。ちなみにコンタクトレンズをしている人はこの部分がボロボロになっているんだ。」
「え?私はしないのでわからないのですけど。」
「レンズでこすれたり、涙が入らないからだよ。コンタクトレンズの患者は角膜を見るとボロボロの人ばかり。でも、皮肉なことにあまりにも壊れて……もう慣れちゃうというか……人間の目って適応しちゃうんで本人もわかっていない。」
「コンタクトなんてするもんじゃないですね。どうすればいいのですか?」
■一番の予防策は?どう治療するの?
「一番いいのは、まばたきを1日何度もしていることなんだよ。」
「そうしたら何時間で修復するのですか?」
「1日ぐらいあれば。できると思うが。」
「じゃあ、私もまばたきしまくっていたら……治りますか?」
「いや、もうこの状態だと薬でやったほうがいいね。」
「目薬ですか?」
「そう。ジクアスといういい薬がある。これで1か月ぐらいかかるね。」
「えー、そんなにひどいんですか?緑内障の点眼薬と併用するんですか?」
「いや、ダメだね。ちゃんと角膜の表面を治さないとまずい。緑内障の目薬は中断だね。治してから再開してさらに今の薬でだいじょうぶか?様子見ます。ジクアスを1日3回、朝、午後、夜点眼してください。」
「前の開業の眼科ではヒアルロン酸とか出すけど」
「あれ……20年前の薬でね。きかないから。それに安いだろ。あんま意味ないよ。」
「えー?ひどい。」
「しかも、きかないヒアルロン酸の目薬も眼科で処方すると100円ぐらいだけど、その辺の薬局やドラッグストアで市販品にすると1000円ぐらいになってるでしょ?」
「そうなんですよね。眼科で正規に処方すれば安いのに。」
「製薬会社がそうやって医療用の製剤を一般用に流して儲けてるんだよ。儲かるのは製薬会社。」
「ちなみに、ジクアスは薬局で一般人は手に入るのですか?」
「入らないよ。眼科じゃないと出せない。でも、いい薬なので今はその辺の眼科でも出せると思う。使うと目が疲れにくいという効果もあるようです。」
「ちなみに、目を洗うための目薬あるじゃないですか?あれだとダメですか?」
「ダメだね。涙にはムチンを修復するための栄養成分も入っているけど、ああいう目を洗うための目薬は入っていないので治らないよ。」

「そうか……。人体の目にとってベストの修復薬は自分の涙なんですね。」

■開業医と大学病院の緑内障専門医のレベルの違い
 読者にはこの私と大学病院の眼科医との会話で知っておいてほしいのだが、その辺の開業の眼科医と、【大学医学部の緑内障専門医】とではこのように「検査や精査」「治療方針」のレベルに「けっこう差が」ある。

開業の先生だと……このレベルの話にならない。ほとんどの町の眼科医は緑内障の専門でないし、専攻もしていない。知らないでやっている。

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なのでそういう医師の元で言われた通りに治療していたら……やばいことになる。だから、糖尿病になったり若かろうが中高年以上だろうが……緑内障を疑って検査して治療をするときは「まともな大学病院の眼科の緑内障専門医」を探して検査と検査データの管理を数十年の未来まで……受けることだね。
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同じ病院の測定データを継続的に何年もつけていないと緑内障の進行は「わからない」んだ。眼科をコロコロ変えちゃうと……ダメなんだ。これ大事なポイントなんで……注意してね。

じゃないと……変なことになる。それぐらい緑内障は難しい病気なんだ。軽くないよ。
特に目薬の副作用をモニターして常時コントロールしながら死ぬまで目薬をさしていかないといけない……

私は病院を出て、かかりつけの薬局に行った。
「ジクアスあります?」
薬剤師「ありますよ。」
「どういう薬ですか?」
薬剤師「強制的に涙腺を刺激して、涙を出させるという……感じの薬ですね。」
「1日3回と言われたけど、4回以上さしたらダメなの?」
薬剤師「実はですね。これ、けっこう強力に涙腺から出させるので、3回以上やると涙腺の涙が枯渇して空になるので……だからさせないんです。」
「うわっ。けっこう強い薬なんですね。」
薬剤師「そうです。」

ということで……ドライアイって「甘い病気」「軽い病気」だと思っていたのだけど、実はけっこう深刻な「外傷状態」だった。

全治1か月……とは。でも、大半の人は知らないだろうし、眼科すらいかないので「どんどん角膜を乾かせて損傷して」「細菌感染や目の痛み」を感じているのだけど……相変わらずまばたきもしないで、PCやスマホ、画面見続けたりして……悪化しているのだろうね。

病名のネーミング変えたほうがいいのかもしれない。ドライアイじゃなくて「重度角膜乾燥裂傷」とか……。

ということで、ジクアスまじめに点眼していたら痛みはなくなってきた。よかったけど長い道のりです。緑内障治療……。

みんなもドライアイだと感じたら……薬局の目薬で治ると勘違いしないで……ただちに眼科医に直行して目の損傷度の検査確認、適切な目薬を処方してもらってください。
(内海君:小市民)