内海新聞のブログ

1996年創刊の我が国最初の電子新聞

1885:hinotoriとダヴィンチどっちがいい?私は悩みます

 私が秋篠宮今治病院に「ロボット手術システム入れるべきというのに金がないというなら、クラウドファンディングしたらどうですか?」と提案したら、病院は私の意見を採用しクラウドファンディングでロボット手術システムの導入費用の寄付を募集しています。
★がん患者さまと医師の双方に寄り添う医療技術。手術支援ロボット導入へ
https://readyfor.jp/projects/imabari2023
意外にも……1カ月たらずで目標額をクリアしそうです。

今治市民の熱い思いで、町の中核病院を支える……「いいことだ」

こういうスタイルで全国の過疎や崩壊している地方の総合病院のパワーアップができればいいよね。いい流れになることを期待します。

前澤クンや井川意高さんも、こういう病院への寄付……して後世に名を遺したらどうですか?堀江もひろゆきも罪滅ぼしにやったら?

■お金出すべき人が……金出さないんだよ
 あんま言いたくないけど1000万ぐらいなら地元今治造船のオーナーの桧垣一族なら「瞬時に出せる」金額だし、今治市議は年収800万もらってるんだから、一人50万ぐらいだしたら「ただちに完了」すると思うんですけどね。

彼らは……「ケチ」「出さない」。そして、貧乏人たちに「出させる」……これが今治市の腐った実態。

なんちゃって獣医学部愛媛県今治市も90億円以上出しておいて、市民に一番必要な総合病院への投資は「しない」この……税金のアホづかいぶり。うんざりです。

ま、いいけど。今治の医療貧弱すぎるのでロボット外科手術を導入してレベル低い外科医でも、そこそこ精度がある手術できるようにしていくのは……すんごく大事。

医師不足なんで……

で、私としては、ぬか喜びというより「少し不安」があります。というのは私は済生会今治が「ダヴィンチ」でやるのかと思ったのですが、病院は国産のhinotoriを選んできたからです。
アメリカのダヴィンチがいいのか」「日本人として国産おしでhinotoriがいいのか?」

多分なんですけど、対岸の広島大医学部ではhinotori入れたんで「国産グループで行ける」「国産おしで行かないと!」と思ったようです。済生会が皇室なんで……ま、そうなるかな。自分も愛国心的には国産でがんばってほしいとは……思うんだけど。

でも、全体的なことを考えたら「ダヴィンチのほうがよかったかもなあ」と少し思っています。

ま、最悪、導入時点で不慣れでも広島大のhinotoriの外科医を連れてきてやれるからね。

さて、武田医学部で外科もやれと……まだ私に医学やらせるの?

とりあえず、今自分の頭の中の情報レベルでわかっているのは
1.アメリカのダヴィンチは世界中で独占的に広まり使われている。
2.国産のhinotoriは、日本の病院で徐々に導入されている。
3.ダヴィンチの価格は2~3億円。hinotoriはそれより安くしているらしい。
4.ダヴィンチは外科医がモニターブースに入りきりで手術室内を見渡せないが、hinotoriは画面を見ながら手術室の内部の状態も観ることができ、外科医として手術状態など視認して迅速な判断がしやすい。

こんなところか。で、どっちがいいか?今の段階でも「迷ってる」

この辺、どっちがトータル的にいいか?
いえる外科医の意見がほしいです。

■武田医師団との議論
 今、武田医師団と歯科の選定、歯科治療技術の話を連日しています。そのなかで歯をクリーニングする装置で「エアフロー」というのがあるんですが、このことで議論していたら日本の医療機器、ひいては日本の工業技術のことについて話したので、読者にも共有しておきます。

■エアフローとは
 読者にどういうことか?簡単に説明します。予防歯科で定期的に歯を掃除する、歯周病ケアをすることは「とても大事」です。

 その際、歯科では「歯のクリーニング」を歯科衛生士がしてくれますが、超音波の振動で歯石をとっています。それで歯のコーヒーや茶渋で染まった色も研磨して白く戻してくれる……こうした作業を「PMTC」というのですが、私が20年ぐらい前は当時最新鋭でスウェーデンのレモン風味の塩の粒をサンドブラストのように歯に吹き付けて汚れを落とすのが「よし」だったのですけど、実は……これ間違っていたということでした。
※PMTC:(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の略。訳すると「プロによる機械的な歯の掃除」

従来のPMTCだと吹き付ける粒子が粗いので結局削りすぎてしまい、そのあとコーヒー飲んだら逆に「染まりやすい」という欠点がありました。

今回歯科学やっていて、歯科の治療技術は「新しいネタ」が出ては「ダメだった」がけっこう多いです。

だから、やたら最新だからいい……は危ないのがよくわかりました。読者は聞いたことあると思うけど「3mix-MP法」とか「ドッグベストセメント」あたりも「?」になってるよ。
★ドックベストセメント 3mix でも治らない症例をMTAで治療し治す!

www.youtube.com

★ドックベストセメント失敗症例から学ぶ 歯の神経を残すポイント

www.youtube.com

それで、今度はスイスのEMS社が開発した「エアフロー」という装置でやるのがいいんじゃないのか?ということで、日本の先進的な歯科クリニックでは導入しているわけです。これは研磨粒子を小さくし、人体にも無害な成分で「優しく研磨」するようになりました。
https://todoroki-shika.com/subject/airflow
目的としては、歯の汚れもとれますが「バイオフィルム」という、虫歯・歯周病菌の「ネバネバしたコロニー」を粉砕して除去する……ことがメインです。

なお、エアフローはSDA(スイスデンタルアカデミー)でスイスで歯科衛生士らが使用方法を研修して認定受けるのがベストらしいです。
http://www.elva.co.jp/sda
普通の歯科でやっている「超音波」でももちろんきれいですが、ちょっと歯を削りすぎるリスクがあるそうなので、エアフローの「繊細に除去」できる機能は意味があるということです。

ということで、私と医師団は「エアフローの可否」を議論していました。

私:エアフローは自由診療にしていたりもともと高いものみたいですね。
★【虫歯予防 歯周病予防の決定版】エアフローはどの歯医者さんでも受けれるのか?歯のメンテナンスの最新知識です

youtu.be

★エアフローを使った歯周病にも効果的なクリーニング【自由が丘石崎歯科医院】

www.youtube.com

医師団:エアフローの動画も理解しやすい内容ですね。
SDAも築地で勉強会を主催されており私どもの衛生士も研修させました。
ただ正直そこまでのブランド?といった感じです。
東京では売りになるのでしょう。

エアフローを保険診療に取り入れるメリットは上質の医療が短時間で獲得できる点だと考えます。
ハンドスケーリングや超音波に比べ歯牙や歯周組織を傷つける恐れが少なくかかる時間も圧倒的に短縮できます。

ただ複雑な機械のせいか故障が多いのが難点です。
スイス製ですが国のイメージと異なり工作精度は劣るのでしょうか?
最近対抗商品を打ち出した国産(松風・ナカニシ)のがんばりに
期待しているところです。
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どうですか?私、連日歯科医らと「業界マニアック」なレベルまで話しています。一般の患者にはわからない歯科医の舞台裏も知るはめになりました。

私:ちなみに以前うけていたPMTCでのレモン味の塩?粉末は歯表面を削るリスクあったのでしょうか?

この動画で例の先生がエアフローのメリット力説でそれ言っていました。

【虫歯予防 歯周病予防の決定版】エアフローはどの歯医者さんでも受けれるのか?歯のメンテナンスの最新知識です
https://www.youtube.com/watch?v=9fnu4y-xsG4&t=222s
PMTCは重曹の粉ですか?

ちなみにアメリカはどういう装置でやるのが主流なんでしょう?

ここからは、工業技術の話なんですが
国で「考え方」違うんです。

やっぱ「壊れにくい」「ちゃんとしている」は日本製です。
アメリカ製は「壊れるのはしょうがない」「アフターフォローで解決する」かなあ。

今使っている、フリースタイルリブレも、アメリカ製センサー。モロ不良品ありますからね。
https://www.myfreestyle.jp/patient/
だけど、「あったら言ってね」「換えるから」がフツーですね。

EUなんですけど…ドイツがやっぱ工業製品一流ですけど、

それでも日本と考え方違いますね。

ベンツとかBMWなんか、工場は「それはそれは、日本の薄汚い工場と違って」「美術館ですか?みたいなきれいな空間」で
★高級メルセデスSクラスを生産する巨大工場見学 - 生産ライン

www.youtube.com

働く人ものんびり優雅に働いています。うらやましいですね。

トヨタの工場の「汚さ」の比じゃないので。
Toyota Motomachi Assembly Plant | 元町工場 組立生産ライン

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ただ、出来上がるものがいいかというと「やっぱ壊れるよね」ありまして。
「割り切り」で作ってます。

日本と違って「壊れるのは当然」なんです。
そして「高いお金かけて修理して当然」なんです。

日本のメーカーがすごいのは「出す時点で完全」を要求していることです。
ただ、あっちは「壊れるのは当然」がやっぱメインですね。

しかし、医療器具について、先般の「ダヴィンチ」も私、悩んでる面があって
あれ、アメリカで世界制覇してます。

今回、今治済生会で「日本製のhinotori」を国産としてあえて採用して入れたいと
ちょっと……「やめたほうがいいかも」と思います。

愛国者としてでなく「トータル面での考え方」でね。

日本の病院もダヴィンチの外科医が圧倒的に多いし、そのほうが「先生の移動」「遠隔治療」も便利に融通できるはずです。

たとえば泌尿器の手術での「ダヴィンチ」「hinotori」の外科医の一覧を見たら「圧倒的ダヴィンチ」に慣れた外科医が多いことがわかりますよね。hinotoriが使える人は少ないことになっちゃう。
★泌尿器ロボット支援手術プロクター認定制度【認定取得者名簿】
https://www.jsee.jp/proctor/
正直、2つのロボット使いこなすような「プロ」も将来出るんだろうけど……これ、戦闘機のパイロットと一緒の気がしてて

私が感じているのは「せっかく川崎重工ががんばって国産ロボット手術システム出したけど技術で勝ってもマーケットで負けんじゃないの?」……というイヤな予感。

なぜならアメリカ軍でも自衛隊でも「F15」ジェット戦闘機で訓練されたパイロットは、一生そこで終わり。次のF35戦闘機も対応……はあんましない。こういう機械って機種ごとで操作技術も違うので、パイロットはその機械専門になることが多い。

同じことがロボット手術システムでも起きそう。操作方法がダヴィンチもhinotoriもコンパチで「同じ外科医がマシン乗り換えて即座に同じように使える」なら……いいけど。

背後の機器のメンテナンス、部品、整備も……メーカー依存なので、複数他社あると病院側も管理・コストが大変だと思うんだよね。

そういう点では「JISや国際規格で」「操作や部品は共通化」してほしいよ。
しないか。

そこに「日本独自」でやっても「現場は混乱」するんじゃないの?って思います。

ただ、部品、サポートは国産だと近いのがいいですけどね。
そこのサポート力、アメリカに勝てるのか?

アメリカはなめられないよ。すごいんだ
 実は、先日フリースタイルリブレ、センサー不良品でカスタマーに相談したら「代替品送りますので」と電話切ったら、翌日午後、交換品「届いた」んです。

恐ろしすぎる。サポート拠点は千葉県にあるのに、電話の直後にもう発送かけて愛媛に翌日午後に届かせている。アマゾンか???

このスピード感が日本企業出せないんです。
というのは私、東芝メディカル(現キヤノンメディカル)でMRI研究開発の部隊にいましたので日本製医療機器が「勝てない」「現実」目の当たりにしています。

日本人として「純国産」でいきたい。
でも、医療機器ってやればやるほど「赤字」なんです。

東芝メディカルで一番のお荷物は「MRI」でした。

毎年赤字積み重ね。外面はかっこいいけど「いつMRI事業ターミネートするか」でした。

CTは売れたんですが、確かに技術だけなら日本はアメリカ・EUと同等以上あります。

つくれますけど、商売では負ける。
なので、そもそも、マイクロスコープだろうが、エアフローみたいなものも日本の医療機器メーカー、光学機器メーカーで「牛耳って」いいはずなんですがないですよね。

あと、アメリカのいいところは「プロフェッショナルを大資本で集約できる」パワーがあるところです。

リブレ使って便利なのは「簡単で高性能が便利に使える」システムが体系で組まれていることです。

今回、テルモがリブレの後追いで国産の測定システム出したのですが、値段は高いし使い勝手も悪いです。
★【薬剤師が解説】テルモの血糖値測定器の特徴は?おすすめ2選を紹介
https://www.kusurinomadoguchi.com/column/articles/terumo-glucose-meter/
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こんな感じで、日本勢、大事なポイントで負けるのが
「システムのデザイン、企画、ユーザー視点でのモノづくり」がまるでできないのです。

ちゃんとしたプロデューサーがいない。
だから「勘違い」「方向性ミスった」ものばかりできて
マーケットでアメリカに負ける。

このパターンばかりなんです。
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だからエアフローにしても、同じことが起きているかもしれませんね。

■医師団の回答
エアフローでなく通常のPMTC施術であればラバーカップで研磨剤を使用して
歯牙表面を滑沢に仕上げていきます。

研磨剤ですから歯表面を削るリスクはゼロではないのかも?
正直はっきりしません。

うちでは10年以上前からエアフローに変更していますので確か仕上げ研磨がイエロー(レモン味)だったようなおぼろげな記憶です。

エアフローのレモン味であったとすればこの池村和歌子先生が言われる通り重曹
歯牙表面を傷める可能性が大です。

着色は小気味よくとれますが表面が荒れるのでまたすぐに色素沈着を起こします。
グリシンもしくはエリスリトールが推奨されます。

>ちなみにアメリカはどういう装置でやるのが主流なんでしょう?
日本のPMTCはお手本がヨーロッパなので、ご質問自体がとても新鮮です。
まったく考えていませんでした。

ショートですがこんな動画を見つけました。

www.youtube.com

ロックフェラーセンターの口腔ケアは建物をはじめ検査などの演出は物々しいですが
超音波スケーラーにフロスと研磨と内容は正直普通ですね。

以前うちを訪れてくれたニュージャージーユダヤアメリカ人はお世辞もあったのでしょうが日本の歯科の方が丁寧で気持ちよかったと感想をくれました。

工業技術の話
現場を深くご存じな武田先生ならではの分析でとても興味深いです。

結局は思想と束ねる人物次第なのですね。
リブレの速攻対応も凄みを感じます。

>工場は「それはそれは、日本の薄汚い工場と違って」「美術館ですか?みたいなきれい
>な空間」で
歯科も全く同じです。
ドイツと同じ第二次大戦敗戦国なのに
日本の貧乏臭さは情けないです。
(内海君:小市民)