血管システムを中心に考えると、あらゆる病気の病理の説明がつきます。血管と血液の成分をメインに、人体の各病気を考える論考はあまりないです。各臓器の医学はその臓器だけの現象でやろうとするので。
なので、私が今から書く内容は、今のところの医学部の各専門の知識を「総合」して組み立てるものです。みなさんは私の頭脳の中の思考を一緒に旅します。小学生でもわかるように書くので、ご家族で読んで茶の間で「どうしてこの病気になるの?」「どうしたらならないで済むの?」って議論してみて下さい。
その気づきが日々の食生活や運動、生き方を正しい方向に導くでしょう。
それと日々、頭において覚えておいてほしいキーワードを【】で囲んでおくので覚えておいてください。そのキーワードが日々の思い付きや思考で大事なポイントになります。
■血管と臓器の関係は「道路と店や家」
いやあ、車で道路を走っていたら、たまたまひらめいたのです。
「血管と臓器の関係は、道路とこの町に並ぶ店や家みたいなものだ」
これ、すごくわかりやすい例えになるんですね。
つまり国道などの幹線道路は大動脈や基幹の太い血管。そこから枝分かれする毛細血管は……「県道・市道・私道」の細い道。
そして、トラックやワゴン車などの自動車は「コレステロールやビタミンなどの栄養素を荷台で運んで帰りはゴミも回収していく」
警察のパトカーは「白血球などの免疫細胞」、軍の特殊部隊は「がんを破壊するNKやNKT細胞」……こんな感じかな。
「街の工場」が臓器で、「家」が細胞です。
■血液の旅、開始
それじゃ血液の栄養の旅、スタートしましょう。あなたは栄養を各細胞に運ぶ「配送業者」です。
小腸で取り込まれたビタミンやアミノ酸などのラベルがついた栄養素の荷物群を自分の車に乗せて、大きな国道(動脈)に出ます。そして、細い路地(毛細血管)に入って「工場」「家」に荷物を届けます。
あなたから荷物を受け取った工場は梱包を開いて各材料で「新たな細胞」を作ります。
■解体作業
あなたは車で道路を走っている時「解体現場」に遭遇します。古い家や建物(細胞)をブルーシート囲って軍の特殊部隊が重機で破壊しています。
「あー、にーちゃん。これ持っていってくんない」
特殊部隊の人たちが山積みになった解体済みの細胞の破片を指さします。細胞はタンパク質でできているんですが、人体の細胞はこれを「アミノ酸」に分解して「別の細胞の材料など」に「リサイクル」しているのです。
世間の人は、体内の「老廃物」は「尿やウンチ」で出ている……と「錯覚」しています。実はそんなことしていないです。
人体では、がん細胞も、筋肉も、脂肪も「アミノ酸」「糖」に分解され「再利用」されているのです。
大腸のウンチで捨てられるのは「いらなくなった大腸の上皮細胞の破片」です。
あと、外に捨てるパターンとしては「皮膚」「粘膜のカス」ですね。垢とかフケとか、耳垢、鼻くそ……
そして、どうしてもいらない分は「尿素」に分解され「尿」として外に出ます。
だけど、それ以外は「アミノ酸」に戻され、リサイクルされています。
私は、アミノ酸のダンボール箱を空になった自分の荷台に積んで走り出しました。
■リサイクル工場「肝臓」到着
届ける荷物をおろして工場を出たら次の目的地は「肝臓工場」になります。ひたすら走ると肝臓に到着です。
ここで解体現場で出たいらない廃材のダンボール箱を降ろして渡します。ただ、受け取ってくれないものもあります。「尿素」です。
肝臓工場の入り口に看板が立ってます。
「お酒のアセトアルデヒドは劇薬なので、処理量に限りがあります。なるべく持ち込まないようにお願いします」
だけど、この人体の主は酒飲みなので、私の荷台には大量の「酒びん」が積んであります。
「たのみますよ。1本でお願いしますよ」
肝臓の係員が言ってきます。
「しょうがないじゃん、全部引き取ってよ。」
私は大量の酒びんを係員に押し付けました。係員は渋々酒びんを受け取りましたが、奥のラインでは「タンクからあふれたアセトアルデヒドがもれました」と警報が鳴っています。
そして、毒ガスマスクをつけた係員らが漏れ出たアセトアルデヒドを回収したりしていますが、間に合いません。周囲の工場区画が次々、毒ガスで破壊され汚染されだしました。
やがて特殊部隊が到着し、壊れて汚染された区画を封鎖、破壊・解体を始めました。
一度破壊された工場区画は「焼け野原」になります。病名は【肝硬変】です。
そして、廃墟になった工場区画の廃墟には【肝炎ウイルス】【細菌】などが「たむろ」して、暴れたり、花火を爆破させて風紀を乱しています。
驚いた工場の係員が「非常ボタン」を押しました。警報が鳴り響き「侵入者あり助けて」という札をぶら下げた「伝書鳩」が一斉に飛び立ちました。
危険を知らせる札をつけたハトが警察署につき、通報が届きます。この通報シグナルの札を【サイトカイン】といいます。
ウイルスや細菌などの集団はどんどん多くなりデモ隊になっていました。かけつけた警察(【白血球】)や、特殊部隊(【NK細胞】【NKT細胞】)と銃撃戦になりました。
この戦いは何年も続き、一進一退のなか、連中は徐々に勢力を拡大しました。
そして、連中の勢いは増すばかりで警官隊も特殊部隊も「矢が尽きて」「敗退」しました。そうしたら連中は廃墟を居住区として独立させたのです。勝手にフェンスで囲み立てこもりました。そして占領した地区にいた住人を「脅して」「だまして」使って強制労働させ、いつのまにか「巨大なドーム」を構築し周囲にどんどん増築を繰り返して広がりだしました。
これが【肝臓がん】です。
私はその光景を見ていて恐ろしくなって、肝臓から逃げ出しました。
■道が行けなくなっている
私は、肝臓工場から出て近くの道に出ました。ところが、目の前に柵が置かれ前に進めなくなっていました。前の車が止まって渋滞しています。
「どうしたの?」
「前に、バカが荷物落として中身が出て山になって道が埋まってるんだよ」
みたら【LDLコレステロール】と書かれたダンボール箱がたくさん転がって道をふさぎ、中のコレステロールがアメーバのように道路で固まって山みたいになって通せんぼしていました。
これを【プラーク】と言います。
そこを、トラックから降りた人たちが、荷台のダンボール箱を「バケツリレー」して細い道のすき間から先の家や工場に運ぼうとしていました。
「これじゃ、何日かかるかね?向こうの家とか工場、俺たちの資材が届かないと死んじまうんだよ。」
そうこういっているうちに、後ろから走ってきたトラックが分からず、通せんぼしていた人たちの所に突っ込みました。
「うわ、何やってんだ」
トラックは見事に追突事故を起こし、荷台の【LDLコレステロール】がまた流れて道路は完全に行けなくなりました。
栄養が届かなくなり、向こうの家や工場の電気が一斉に消えました。
「助けてくれー」
向こうから、住人たちの声が聞こえてきます。
「酸素が届かない」「息が苦しい」
その時「酸素ボンベ」を山積みにした酸素業者の【赤血球】トラックが集落に酸素ボンベを配りに通りました。でも、先に行けません。
家や工場の人たちはこの酸素がないと呼吸できないのです。
数時間後……多数の住民たちが「窒息死」しました。
「警察呼ばなきゃ」誰かが道路わきの非常ボタンを押しました。「SOS」の札をつけた伝書バトが一斉に飛んでいきました。
数時間後、警察と特殊部隊が到着して、死んだ住人たちの遺体をその場で解体して、運送屋のトラックの列がそれを回収していきました。
彼らは【アミノ酸】になって、再びリサイクルされます。人体の大地に戻るのです。
警察の事情聴取が始まりました。
「なんで、LDLコレステロールをこんなに積んでいたんだ」
「しかたないじゃないですか、この人体の主が脂肪や油ものが好きなんでどんどんLDLコレステロールが届くんですよ」
警察も人体の主には何も文句言えません。
■集落「目」の悲劇
私は小腸の配送センターに戻りました。またLDLコレステロールの箱が山積みされています。配達先は「目」と書いてあります。
■緑内障
私は、目の最初の入り口につきました「視神経ゲート」と書いてあります。荷物を渡そうとしたのですが、どの道も「足1つ分」の細さでしたが、コレステロールや酸欠がいたるところで起きて、歩ける道は数本しかありませんでした。
係員が言いました「お願いです。酸素をください。ビタミンもください。ないと、目のスクリーンにつながれている数十万本のファイバーの映像が途切れて、この人体の主は目が見えなくなってしまいます」
私は、懸命にビタミンの箱を渡しましたが係員は
「向こうに送れない。道がない」
絶望にくれていました。
酸素ボンベのトラックも行けずに立ち往生していました。
その間に、数十万本のファイバーのどこが「断線」したかわかるモニターがアラーム鳴らして真っ黒になりだしました。
「視神経のファイバーの崩壊が始まった」
これが【緑内障】です。
■白内障
私は、あわてて奥のレンズの部屋に向かいました。ドアを開けたら係員が言いました。
「なんで、こんなに遅かったのですか?見てください。透明な水晶体のレンズがどんどん酸欠と栄養不足で濁ってきています」
彼は、監視窓のアクリルガラスの向こうの「水槽」を指さしました。水槽は透明なゼリーになっており新鮮な【酸素】と【ビタミン】が豊富に供給され【コラーゲンのアミノ酸】を材料にして、この透明なゼリーが常時、新しく生まれ変わっています。
ところが、酸素やビタミン、コラーゲンがないので、たちまち水晶体のゼリーは濁りだしていました。放置したら、透明でなくなり外の映像は何も見えなくなります。
これを【白内障】と言います。血流不足、栄養不足が原因です。
■網膜剥離
私はレンズの部屋を出てふもとに戻りました。目の道路はすごく狭いんですよ。車1台通れるだけです。私は目の入り口の「網膜ゲート」まで着きました。
そこには平均台みたいな細さの「歩道」が無数に網のように張り巡らされていました。私は車からおりて荷物の箱を抱えて、歩いて向こう側にある「網膜家」に荷物の箱を届けに向かいました。
でも、一歩足を踏み入れたら「バラバラ」と道が壊れ落ちました。「ここ腐ってる」そう、LDLコレステロールがどの道でもヘドロのように山を作ってふさぎ、そこから道路自体が腐って死んでいるのです。
私は、生き残った道をそろりそろり歩いて、酸素ボンベや、ビタミンの箱を届けました。だけど、受け取る網膜家の住人は顔も暗く、やせて元気がありません。
「あー、ありがとな」「体調悪いんだ」
酸素ボンベとビタミンなどの栄養の箱をいっぱい受け取った住人は、突然よろけて倒れて死んでしまいました。
そして、私は地面が「ごわごわ」していることに気づきました。私は網膜の上に立っていました。だけど道路も地面も酸素と栄養が届かないので「死んで」しまい、腐っていたのです。
私がズルっとのけぞったら、地面も「ぐわ」っとはがれて浮き上がりました。
「わー」私はダッシュして車に戻りました。
網膜の地面は、たわんだあと「バキっ」と音がして割れ、当たりが真っ暗になりました。
「失明しちゃった」
この病気が「網膜剥離」。【糖尿病】で血管内のLDLコレステロールや【血糖値】が常時高い人がなる最悪の病気のひとつです。失明します。
私は目から逃げ出しました。
■歯
再度、小腸の配送センターに戻ると、次の荷物が置かれていました。行先は「歯」でした。歯はあごの骨にささって「神経」「毛細血管」でつながれています。なので、私は固い歯の中に行くことができます。
配達個所は上と、下の歯で20カ所以上あります。
さて【歯根膜】という入口に着いたのですが、大変なことが起きていました。
そこの毛細血管の道は、いたるところで、酸欠と栄養不足、プラークで「通行不能」になっていました。
そして、口の中の外部から無数の【虫歯菌】という【嫌気性の細菌】が入り込んで、警察や特殊部隊と戦争状態になっていました。
激しい銃撃戦。虫歯菌は「歯の食べかす」【プラーク】を「陣地」「土のう」にして警察や特殊部隊からの攻撃をかわし、どんどん勢力を増やして勝っていきます。
プラークは時間が経つとセメントみたいに固くなり、いっそう虫歯菌の「陣地」として貢献します。これを【歯石】といいます。
人体の主はジュースや缶コーヒー、スイーツ、お米や小麦粉が大好きでした。それらは砂糖なんですけど、糖の食べかすを食料にして虫歯菌たちは持久戦を楽に展開していました。
虫歯菌は歯のエナメル質の「よろいのボディ」を「乳酸」をかけて溶かしていました。やがて、エナメル質のボディが穴があき、中が丸見えになりました。虫歯菌は一斉になだれこんで、中の大事な神経細胞を食い尽くし、さらに下の根っこまで下りました。そこには毛細血管もあるし、【歯根膜】もあります。
そこでは警察と特殊部隊が「最後の防衛」で土嚢をつんで、機関銃やバズーカ砲をずらっと並べて待ち構えていました。
そこで、空いた穴からどんどん援軍で入ってくる口の中の細菌で虫歯菌の軍勢は膨れ上がり、双方の戦いは、しれつをきわめました。
いたるところで銃撃戦、大炎上、大爆発が起き、その光景は歯や歯肉の神経から脳に音や映像で伝わります「痛い」……歯痛はこうやって起きています。
むき出しになった神経に、水や糖が当たると「過剰反応」して「痛い」「しみる」という現象で脳に伝わります。
そして、警察や特殊部隊の「陣地」を乗り越えた虫歯菌軍らは置いてあった多数の「輸送トラック」を「奪って」「乗り込んで」「人体の道路」を走り回ります。そして、降りた先で「略奪」「破壊」を繰り広げます。
これが……【発がん】や、【動脈瘤】など、あらゆる病気になります。
歯で私が観た光景は……ひどいものでした。私は、歯の中や歯根で起きた多数の警官隊や特殊部隊の戦死した遺体が折り重なり転がる廃墟から逃げ出しました。
■皮膚
私は小腸の配送センターに戻ってきました。置いてある荷物の行く先は「皮膚」になっていました。
皮膚は4階建ての建物になっています。血液の道路につながっている部分で、私が運んできた【ビタミン】【コラーゲンのアミノ酸】を受け取って、クレープみたいな「皮膚」を作ります。
それを、屋根の裏から貼り付けて「押し上げる」のです。そうすると、上は外界で常に新しい皮膚ができては、重ねて外に出ていく……わけです。
荷物をおろして「これで全部です」と係員に言いました。
「あれ?【コラーゲン】足りないんだけど。」
「え?渡された分そのまま持ってきたんだけど。」
「少ないよ。これじゃ、皮膚作れないよ。」
「どれぐらいいるんですか?」
「今日の量だと、本当に必要な分の40%だよ」
「あと60%足りない?」
「なんとかしてくれない?あとさ、【ビタミンC】も足りないよ。」
「すみません」
「材料そろうまで、皮膚の製造は中止だ。」
……これが「老人は皮膚の再生が遅くなる」理由です。
私は、小腸の配送センターに戻って担当者に言いました。
「皮膚の工場から、コラーゲンのアミノ酸とビタミンC足りないと言われたんですが。」
「しかたないよ。この人体の主が老齢化でコラーゲンのアミノ酸供給力がもうないんだよ。それにビタミンCも食べてくれないから、少ないんだよ」
「そうですか。」
私は皮膚工場に戻って係員に伝えました。
「コラーゲンのアミノ酸、ビタミンC、上からももらえないそうです」
「そうか。これ見ろよ。」
係員は天井に広がる皮膚の「屋根」を見せました。
「アミノ酸足りないから、コラーゲンがつくれないんで、薄皮になっちまうんだ。天井の骨組みが丸見えだろ?材料不足で色も悪いしきめ細かさもない。」
私は天井を見上げました。確かに、骨組みがむき出しに近くて、皮膚は薄く、色つやも悪いです。
「サメ肌みたいですね。」
「あと、メラニンもつくれないので毛髪もまともに作れない。」
係員は、毛根と生える髪の毛を指さしました
「真っ白ですね」
「白髪になるのさ。ま、俺たちはいいけどさ、人体の主はショックだろうよ。」
私はせめてもの気持ちと思って持ってきた酸素ボンベを出しました。
「酸素ボンベどうぞ。」
「あ、これもまずいんだよね。栄養が不足しているのに酸素吹きかけると酸化してくすんだ皮膚になっちまうんだよ」
「酸素があればいいのではないのですね?」
「いるけどさ。酸素だけでも困るんだよ。だから、必要な所だけ酸素がほしいんだよ。そのために【抗酸化の食べ物】を、主さんが食べてくれないとバランスとれないんだよね。」
係員は言いました。
「皮膚をバカにしちゃいけないよ。お前さん、皮膚製造するために必要な材料は何よ?」
「えーと、コラーゲンのためのアミノ酸、ビタミンCです」
「でさ、目とか、血管とか、歯や歯根膜(しこんまく)、口や胃、腸の粘膜、ってなんていうよ」
「上皮細胞。コラーゲン由来」
「だから、目とか、血管とか、歯や歯根膜、口や胃、腸の粘膜は皮膚と根本は同じなんだよ。
コラーゲンとビタミンCが不足すると、目と血管と歯や歯根膜、口や胃、腸の粘膜がマトモにできなくなる。
そうしたらどうなるよ?」
「ちゃんと細胞ができないから、皮も薄くなって出血したり、がんになるかな?」
「おー、わかったかよ。」
「鼻も粘膜ですよね。」
「そうだ。同じだよ。」
「耳垢も皮膚ですよね。」
「そう。あと骨もだよ。」
「骨?あの固い骨がコラーゲン?」
「そうだ。軟骨がコラーゲンだろ。コラーゲンが老人になると、こうしてないわけだ。軟骨がすり減って戻らないから関節が激痛になるんだろ?」
「そうですね。でも骨って?カルシウムでしょ?牛乳飲めばカルシウム増えるのでは?」
「アホ。カルシウム飲んだら、カルシウムになるんじゃないよ。骨はアミノ酸からコラーゲンをつくってそこにカルシウムがくっついて骨として固くなるようにしているの。」
「コラーゲン不足したら、骨もできなくなるんですね。」
「だから、老人は骨が折れまくるんだろ?わかった?だから、とっととコラーゲンの原料のアミノ酸とビタミンC大量に持ってこい」
「はい」……こまったな。
■血管自体
私は、途方にくれて血管の道を歩いていました。そうすると壊れた血管の道を直している工事業者がいました。
「大変ですね」
「毎日壊れるし、材料が足りなくて直せないんだよ。」
「何がいるんですか?」
「コラーゲン。あとビタミンCがいる。」
「コラーゲンだけじゃダメですか?」
「ダメだよ。ビタミンCがないとコラーゲンがうまくできないんだ。」
「このままだとどうなります?」
「動脈も、毛細血管の道路も、歩くだけで穴は開くし、崩落して走れないよ。バカがLDLコレステロールまき散らして、通れなくしているから。先の集落は食料や水が届かなくて次々死んでいる。」
「この人体、ダメかも」
初めて……思いました。
■アルツハイマーや記憶障害
小腸の配送センターで次の指令が待っていました。「脳に届けてくれ」
私は脳に向かいました。【脳関門】というゲートが待っています。
「配送です。」
「何を持ってきてくれた?」
「酸素ボンベやビタミンなどですが。」
「酸素が足らないんだ。この先でまずい事が起きている。」
「どうしたのですか?」
「LDLコレステロールの箱が散乱して、中味が道路を埋めてしまい通れない。」
「困りましたね」
「さっき、通行止めの部分で道路が破綻して【脳梗塞】が起きた。幸い軽症でいったん終わった。」
「間一髪でしたね。」
「だが、酸素ボンベが脳細胞の家庭に届かなくて、いたるところで住人たちが酸欠で死んでいる。」
「コラーゲン持ってきたので、治せませんか?」
「無理だ。脳エリアの住民は酸欠や食料不足で一度死んだらそのままだ。ひたすら人口は減る。俺たちにもどうしようもない。」
「脳の人たちが死んだら……」
「この主は脳で思考も記憶もできなくなる。それに神経反応や行動もまともにできなくなる。」
「それって、人間じゃなくなりますね」
これが【アルツハイマー】や【記憶障害】です。
物資不足が……ここまでひどいことになるとは。
■腎臓にたどりついたが
私は尿素の箱を積んだまま、気を取り直して動脈道に乗りました。すると腎臓につきました。ここで猛毒の尿素を廃棄できます。
腎臓は人気があるので、大量の荷物が届き並行して処理されるため、ものすごい数の細い道が網の目のようにあります。でも、ここでも、人体の主が大好きな【脂肪】過【油】【LDLコレステロール】が道をふさぎ、腐っていました。
あと、腎臓工場では「人体で余分な水」を「劇薬の毒である尿素と一緒に」捨てる役割があります。
なので、常時工場には水道管がつながれており、センサーで人体全体の水の量が管理されています。量が多すぎたら尿素と混ぜて、外に排出します。これが【おしっこ】です。
あと、荷物の中には【糖】も箱で入っています。これも、家や工場で必要な材料なのですが、いらないと余るので通常は肝臓で受け取ってくれ一時保管しておいてくれます。
だけど、それでも多すぎる分は邪魔なので尿と一緒に捨ててくれます。だけど、目の前の細い道が壊れてなくなると、受け取って捨てられる量が減ってしまいます。
私は入口の係員に言いました。
「いらない尿素とか、糖捨てたいんですけど。」
「ごめん、捨てに行く通路の道が全部壊れてな。捨てられないし受け取れないんだ。」
「え?どうすれば。」
「悪いんだけど、持って帰ってくれない?」
私は、せっかく下ろそうとした、大量の尿素と、糖を再び荷台に乗せました。
「どこ捨てればいいんだよ?」
私は、途方にくれて「誰も観てないから、ここで捨てとこ」と、道路にまき散らして逃げました。不法投棄です。
道路は毒物の尿素、糖があふれ、それも側溝から流れていきました。
「一件落着」
では……ありませんでした。人体全体に捨てた尿素がいきわたり、余分な糖は行き場なく血液の中で濃くなって、血管を破壊し始めました。
これが【腎不全】ですね。腎臓透析になる最悪の状態です。
私は、自らの身体の産廃処理を放棄して、全体を破壊する「愚か」なことをしてしまいました。
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どうでしたか?面白かったかな。大事なキーワードいっぱい覚えてください。今後も役立つから。
今日はウイルス感染や免疫の部分は書けなかったけど、そっちも面白いから。また書きます。
(内海君:小市民)