内海新聞のブログ

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1866:歯を守るための大事なポイント

 とにかく自分は医者になりたくないし、医学もしたくないのだが結果としてやってる。あらゆる臓器、病気をやるはめになっている。

今回、歯科もやりだしたので、分かってる知見・認識を書いておきます。役立ててください。

■歯も臓器であり細胞
 つまるところ歯は「生きた細胞」この認識のスタートが大事かなと。骨みたいだし、皮膚みたいだし。多くの人は「歯はカルシウムの固い石みたいな固定物」と思っている。

でも、違うんだな。調べていくと。歯の構造を簡単に説明すると

第1層「外殻は硬いカルシウムとリン酸のボディのエナメル質」
第2層「その下は70%ハイドロキシアパタイトと18%のコラーゲンが成分の象牙質のやわらかいボディ」
第3層「象牙芽細胞、線維芽細胞(歯髄細胞)、象牙芽細胞や線維芽細胞へと分化する未分化間葉細胞(歯髄幹細胞)による歯髄」
第4層「セメント芽細胞」

歯の中には皮膚でもおなじみの「線維芽細胞」がちゃんとある。そしてコラーゲンもモロ関係している。

このエナメル質の鎧(よろい)をまとった「硬い皮膚」が「歯」なのだ。

それが、さらに「線維芽細胞」の皮膚のような粘膜組織である「歯根膜」の袋にはまって、その根っこは「神経細胞」によって「人体内部の毛細血管に接続」されて歯槽骨(はぐき)で固定され「人体と直結して」いる。

こうしてみると1本の歯は「1つの小さな臓器」だと考えてもいいぐらいの巧妙なシステムになっている。

■虫歯防御の第一原則
 このことから、歯を守る一番大事な防御線は「虫歯の浸食を第1層のエナメル質で食い止める」ことがわかる。

このエナメル質は常時、口内の酸で溶けたり、異物との摩耗ですり減る。でも、傷ついたエナメル質は再生している。

どうやって再生しているのかというと、無機質なカルシウムの塊に見える歯は、骨と同じく「骨代謝」で古い骨表面が新しい骨に生まれ変わっているのだ。
https://honeken.jp/knowledge/definition-of-osteoporosis/
え?骨や歯って固いのに「生きている生命体」なの。ただのセラミックではない。

次の最悪は「象牙質」の浸食。だが、可能なら象牙質の治療を終えたら「穴になったエナメル質ボディ」を「エナメル質再生法」で「完全に穴埋め・密閉」したいところだ。そんな技法……あるかな?

プラスチックや金属のかぶせ物、詰め物は「完全密封は不可能」だと思っておいてほしい。いずれ「破綻」する。そういう認識で治療を受けるしかないです。

■歯の神経を抜いたら歯が死んでもろくなる理由
 そして超最悪なのが、この「骨代謝」のサイクルを破壊してしまう「歯の神経を抜いてしまう」ことになるわけです。

神経を抜いた歯は「血が通わない」臓器・細胞になってしまう。

「死んだサンゴ」みたいだと思えばいい。もはや再生はなく経年劣化、「毎日かむ圧力の疲労」で「壊れていく」だけ。

人間が歯で噛む圧力は「200キログラム」だそうです。すさまじい圧力。
それに耐えて人生100年使える「生きたサンゴの歯」ってホントすごいんだ。
インプラントや入れ歯でも勝てないよ。

だから、歯科治療で第1層「エナメル質」、第2層「象牙質」を突破され、第3層「歯髄・神経」をダメにしてしまう「神経抜き取り」をした歯は「死んだ歯」「古いサンゴ」となって「天然インプラント」状態で残りの余生を過ごしている。

もはや神経によって接続されていた人体の免疫防御機構が守っていないので……外敵からの攻撃に「格段に弱い」わけだ。

そして、詰め物……どんなに周囲を薬剤や人工物(セラミックや金属)で埋めようが「ミクロン単位」の「すき間」は電子顕微鏡単位で歯科医もみてブロックできるわけがない。

当然、すき間はありウイルスや細菌は侵入していく。これが「詰めた歯」「ブリッジ」「インプラント」ですら「最終的には破綻」する理由である。

■歯肉炎はどうしておきるの?
 歯は歯根膜の「袋」の中にすぽっと入っている。この袋のふちのすき間から当然バイ菌やウイルスが入っていく。

 でも、人体システムはそんなにやわではない。実はこの部分に免疫細胞が「待ち構えており」「細菌やウイルスが侵入するのをブロック」しているんだ。

たいていの場合、細菌やウイルスはここで免疫細胞に駆逐され、歯肉の中に入ってこれない。

ところが、糖尿病や食生活・栄養が悪い人(ビタミン不足、糖質やLDLコレステロールが高い)は血液の成分が悪化するので、目と一緒で微細な毛細血管が集まる歯の中で「酸欠」「血管の死亡」が相次ぐ。すると、歯の内部、歯根膜、歯周囲の細胞、免疫細胞が「弱体化」してしまう。

これは糖質過多の食生活をする人も同じことになっている。

たいていの人は「甘いものが好き」「ジュースやコーラ」「白米」「菓子パン」「食パン」「チョコレートやケーキ、アイスクリーム」で口の中を満たしているわけでしょう?

世間の外食、お惣菜、レトルト食品にせよ「ご飯からおかず、つゆや、ソースまで」「砂糖が」「大量に入っており」そういうメニューを食べるだけで「甘くないようで」「かなりの糖質」を血液中に取り込んでいます。

このサイレントな「糖質過多」が、虫歯と歯の病気の原因です。

血液だけでなく、口内においても甘いご飯、お菓子、スイーツなどの糖分が口の中に充満して「歯カス」で歯や歯と歯肉の間に「歯垢」としてあるわけです。

当然、これらをエサにして育つ細菌が増殖し、

(1)エナメル質のボディ上では「虫歯菌が乳酸を出して歯のカルシウムボディを溶かす」そして虫歯となる。

(2)いっぽうで歯と歯肉の間(ポケット)部分では「歯肉の免疫細胞の防御線」の軍勢を上回って乱入して、歯根まで到達。そこで「大爆発の増殖」をします。そして人体も必死の抵抗をするので免疫細胞と細菌・ウイルスが死闘を繰り広げる。

これが「炎症」すなわち「歯肉炎」「歯茎の痛み、腫れ」「歯根膜炎」になるわけです。

ちなみに、エナメル質、象牙質を破壊できた虫歯菌たちは、神経細胞に到達しここでも炎症を繰り広げる。結果として「歯痛」「甘い物や水がしみる」が起きる。そしてその炎症の血液は神経から人体に戻って「全身で悪さ」をしだす。

なのでブラッシングでは「磨いたとき血が出てもかきだしましょう」とやるわけだが「膿と細菌がいっぱいの血をわざと外に出してしまい」「炎症を抑える」のが目的なわけ。

■根本の血液を正さないと、歯肉炎、口内炎、虫歯状態は改善しない
 だけど根本たる「血液の成分の悪化」「免疫の低下」が常態化している人(糖尿病や糖分の多い食生活、アルコールやタバコが好きな人)は「虫歯になりやすい」「治療した歯も失いやすい」「歯肉炎が起きやすい」「口内炎も起きやすい」「炎症が治りづらい」ことになる。歯周病も同じ。

■どういう対策がいいのか?
 なので、これまでの歯の構造やその細胞増殖のプロセスから導かれる虫歯や歯肉炎、歯周病などから歯を守る対策はこうなる。

1.歯のエナメル質に「何らかのコーティング」をする。でも完全ではない。

2.1日何度か殺菌剤を「歯と歯肉の間」などに塗布、浸透させ殺菌するか、口をゆすいで殺菌をする。

※歯科医で「二酸化塩素」で患者の口をゆすがせていると、以後の虫歯の再発が極度に減って効果があるという報告があった。

しかし、やるとわかるけど、イソジンで口を洗ってもその時点では菌はゼロ近くになるけど生き残ったり耐性をもつ菌は数日もしないで復活するので……いたちごっこになる。根本的改善にはならない。

2.でも、見えているエナメル質をコーティングしても「歯と歯肉」の「ポケット」部分の歯垢を「常時除去」していないで、歯垢を放置、歯石をつけたままだと「そこから菌やウイルスが」「歯と歯根膜の間に入り込んで」「歯肉炎」「歯槽膿漏」のような細菌感染炎症を繰り広げ、その炎症の血液が人体全体も回ることになり、各種臓器での病気のスイッチにすらなってしまう。(循環器病の原因に虫歯があることも判明している)

したがって、「歯と歯肉」の間の「ポケット」に「常時」「余計な食べかすや歯垢、歯石」が「ないように」「除去する」手立てが必要である。

3.歯磨きの仕方は十分検討されて、計画的に行わないといけない
 つまり「毎食後」の歯磨きのタイミングは必要だが

■歯の表面はゴシゴシ磨かない
「歯の表面を磨くのでなく」エナメル質が摩耗しないけど、表面の細菌が落ちる程度のソフトなブラッシングにとどめる。研磨剤での歯磨きはしないほうがいい。超音波ジェットウォッシャーの水で洗い落とす方が合理的かもしれない。

これは「車の洗車・コーティングと同じ論理」になる。高級車やボディ塗装を傷めないために「ブラシでゴシゴシ」「電動ブラシでやる」のでなく「水や洗剤でゴミを浮かせてソフトな毛足のブラシでやさしく洗い落とす」わけなのですが、歯のエナメル質のケアについてもこれと似たような話だと思います。

■大事なのは歯と歯肉の境目の清掃
「歯と歯肉の間のポケットに」「歯肉を傷つけないやわらかさ、細菌やウイルスに感染していない繊維ブラシ」あるいは「ジェットウォッシャーによる水」で「こそぎ落とす」「洗い流す」作業のほうがはるかに必要だということになる。

これは1日3度の歯磨き作業では大変な労力になると思います。というのは、
歯は20本。そのすき間は単純に22カ所。上下で44カ所の「すき間」がある。
さらに歯の表側、裏側で、洗浄ポイントが88カ所(お遍路さんか?)になるわけです。

この88カ所を精密に洗えていなければ……そこで細菌・ウイルスの侵入・増殖が起きます。

日々の生活で……それができるのでしょうか?

■歯磨き3点セットの有効性と「落とし穴」
 これに対して「歯間ブラシ」「デンタルフロス」「歯ブラシ」は各ポイントの形状において有効ではあるが、「毎日使って、殺菌消毒していない歯間ブラシ、歯ブラシ」で「惰性的に」「乱暴にゴシゴシ」「歯磨き」をしたら「かえって雑菌を歯と歯肉の奥に押し込んだり」「不用意に歯肉細胞を傷つけて(ミクロン単位で)感染しやすくしたり」することになる。

※細菌・ウイルスは目に見えないので、歯ブラシを水で洗ってきれいにしたつもりでも歯ブラシ繊維のミクロン単位のすき間、穴に細菌が付着していることは十分あります。

ほとんどの人は、毎回の歯磨きの歯ブラシ(電動も)は「水で洗って洗浄・乾燥」程度であり、これが無菌かというとかなり怪しい。感染防御対策上はまるでダメだと思う。

■日々の歯磨き用品の「殺菌」が必要だと思う
 私で考えられる対策としては
(A)「使用後の歯ブラシ、歯間ブラシの80度のお湯で10分間煮沸」(耐久性に難がありそう)
(B)「イソジンあるいはエンカベンゼルコニウム(2つともうがい薬)や、次亜塩素酸ナトリウム溶液(塩素系ハイター漂白剤など)、紫外線ライト、オゾンなどでの殺菌」が必要じゃないかと思う。

本来なら使い捨てな歯ブラシ、歯間ブラシで毎回やるべきだが「コスト面」で多大な制約を受けるだろう。

日々の歯磨き用品の「使用ごとの殺菌作業」どれだけの人がしているのだろうか?

■磨いているだけでは「ダメ」
4.歯は「生きた細胞」「臓器」なので、そこに流入・循環する「血液の成分」を「正す」ことがとても大事だとわかります。

(1)血中の糖濃度が高くなる食品、食事を日ごろからしない。

(2)血液中の栄養バランスを最適化し、歯肉組織および歯組織の修復・再生、骨代謝が正常に行われるようにしないといけない。(ビタミンA、Cなどの日ごろからの十分な補充)

これができないと、虫歯の防御ができないし、破損したエナメル質や象牙質、歯根膜などの健全な再生ができず歯がボロボロになり、歯肉炎、歯髄炎なども治らない。

5.歯組織の再生にはコラーゲンが密接に関わっているので、血液中におけるコラーゲン生成成分(必須アミノ酸、ビタミンA、C)などが充分に食事で補充されていないといけない。

6.唾液成分がエナメル質の再生を促しており、逆にいうと「唾液成分が悪い」とまずいことがわかる。口内の糖質が多ければ「唾液成分が悪く」なる。もちろん唾液には白米の糖質を分解する酵素などあるんだけど、それを上回る甘さを食べていたら……処理できない。

だから、甘いものを常時、飲んだり、食べたりする食生活は最悪だということです。

間食が多いこともダメにします。だから「規則正しく、1日3回の食事。間食はしない。飲むものは非糖質」に自分の生活リズムを落とし込めることは……とても大事なのです。

7.歯も含めて、歯根膜や、象牙質などのコラーゲン生成の歯の組織の細胞修復活動は「寝ている間」に進むはずです。つまり「充分な睡眠」「質の高い睡眠」をすることがどうしても必要です。

寝不足は「虫歯」「歯肉炎」「歯周病」の悪化、促進をする。

……どうでしたか?あなたの歯医者さんは私の意見にどういう評価・感想を言うでしょうか?知りたいです。

素人の患者の私の論理的、科学的、医学的思考での話でしたが、自分的には「ほぼ正しいだろう」と思っています。

「武田式虫歯歯周病ブロック法」と名づけましょうか……。

(内海君:小市民)