内海新聞のブログ

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1977:あなたもなる「歯髄炎」の恐怖

 いやあ、やられました。歯髄炎でもう5日間苦しんでいます。ぶっ倒れて寝込んでいます。入院したいぐらいです。発熱で寝込んで……歯科治療……毎度思うんですがどう考えても「外科手術」だよな。麻酔もするし、術後の感染症管理も必要だし……

でも、自分の場合「まるで思い当たらないかぶせ物の歯」が「歯髄炎」になってしまいました。

そもそも、これまでの医師らでも「ここが歯髄炎になる」とは誰も予測できませんでした。だからびっくりした。いきなり想定外……。

■歯髄炎って何よ
 歯髄炎(しずいえん)は、虫歯でやられた歯の構造(エナメル質→象牙質)のさらに下の「歯の根っこ」の部分。ここはミクロン単位で「神経」「毛細血管」が歯に接続され歯茎の土台に面している所です。

歯は「歯肉のふとん」の中に「沈んでいる」ようなものです。その歯をくるんで支えているのが「歯根膜」。そこでウイルスや細菌感染が起きて「炎症」を起こす。これが歯根膜炎、歯髄炎。神経があるので当然「歯痛」「激痛」が走る。

で、人間の身体は「医療が無くても自分で自己治癒」は一応するので、こうした炎症も死にそうなつらさでも寝ていたら……いずれ治る「かも」しれませんが、そんなに甘くない。確かに炎症のメカニズムを知っていたら「数日かけて、細菌感染部分にサイトカインが出て全身の血液から白血球などの免疫細胞が集まって」「細菌やウイルス感染部分」を「破壊」「アミノ酸に分解して細菌と汚染された細胞を撤去」「再度荒れ地に新たに細胞を作り直す」……こうやって「治癒」するのですが。

ただ、歯の中って「常時唾液」などで濡れていますし、外部からの細菌感染も常時続くので……「なかなか治らない」「治っても再発する」わけです。

こうして「歯肉の外」でなく「歯の下の根っこ」で「炎症」が起き出すと「じくじくなかなか治らない」状態が続くし、そこで繁殖した細菌らは「血液にのって全身をめぐる」という……ロクでもない状態に陥ります。実際、虫歯や歯周病の感染炎症の細菌が循環器の心疾患、脳梗塞などの原因になっているぐらいです。

そして、これまで連載読んでくれた方は分かったと思いますが「血液成分の悪化」「糖化」「高血糖」「AGEs」「酸化ストレス」……がこの歯根にも同じように「悪さ」をするわけで……虫歯や歯周病の悪化も「ブーメラン的に促進」するというわけです。「体内」と「対外」両方からダメージくらうのね。

血液成分の悪化は免疫力も低下させるので。

ということで、私の場合8年前に「永久にもつ頑丈なジルコニアセラミック」で保険の銀歯を外して左上の奥歯をかぶせました。自費で5万円ぐらいしましたよ(今はもっと高くて12万円とか)金属アレルギーがあるようでしたので。セラミックに変えたら体調も楽になった(それまではだるかった)

「もう、これで安心」と思ったものです。たしかに世間のYouTube歯科動画でも「セラミックはいい」って「あおってる」でしょ?

でも……あれ「大ウソ」なんです。何が?

それは「確かにセラミックのかぶせ物はそれ自体は強いけど」「かぶせた中の歯や土台はどのみち虫歯になったり歯髄炎で腐る」という……「結末」が待っているからです。

その「時限爆弾のリミット」が「8年ぐらい」なんだそうです。えー?そんなこと……目の前のあなたの歯医者さん「説明」してくれましたか?しないよ。

この「乾いた真実」「不都合な真実」をあえて説明せず「かぶせるならセラミック」っていうわけですよ。

いやあ、今回自分で「モロわかった」結論から言うと
「かぶせものは保険のダメ扱いの金属でいいんだよ」「それが壊れるより」「中の歯が先に腐るから」

わーはっはっはっ。脱力越して……笑いしか出ないよ。

ですので、無理して高いお金払ってセラミックとか……しなくていいです。銀歯にしておきな。

そのかわり……一番大事なのは「毎日の歯磨きをパーフェクトにやれているか」なんだよ。……これができていなければ、インプラントを入れても「歯髄炎になる」のです。

インプラントも「持たない」
 それで、世間はすっかりインプラントが多いわけですよね。まともでちゃんとした歯科医でやるなら1本70万円ぐらいかかる。これより安い場合は「安かろう悪かろう」な実態がある。

じいちゃん、ばあちゃんで「18本入れた」とか……卒倒しそうなこと言っている人もいるね。いくらですか?70万円×18本=1260万円。口の中にベンツ2台入れたわけ?

まあ、いいけど。

でも、インプラントも「ちゃんと以後の歯磨きがパーフェクトにできなければ」「すきまから細菌やウイルスが入って」「歯髄炎を起こして」「抜き取り」という……最悪のケースになる。実際起きている。

★中居伸行先生 インプラント周囲炎についてのミニ講義!

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■じゃあどうやって防衛するの?
 はい。私が「まともな歯科医、歯科衛生士」の「レクチャー」受けた手順・内容を教えます。あなたはこのプロセスのどこまで完了できていますか?毎日ですよ。

1.間食しない。ちゃんと3食食べて4時間以上あける。その間にお菓子やあめ、ガム、甘い飲み物を飲んだら「おじゃん」。たちまち虫歯が始まる。

2.1回の食事はダラダラ長時間食べず20分ぐらいで済ませる。そのあと、軽く水で口を洗う(かなりの甘味料や酸性成分を流せるため)……口の中の唾液を増やすのもありです。口の中につば出せ……きたないけど。

3.歯磨き自体は、1日で1回寝る前でもいい。

4.歯磨きのプロセス
(0)歯磨き粉は実はいらない(使ってもごく少量)
(1)コンパクトなヘッド(私は子供用のブラシを逆に使っています)で、上下左右の一番奥の歯の「裏側」を「ブラシを真横にもって」「裏側を念入りにブラッシングする」※この部分がみがけないで虫歯になって最大臼歯を失う人が圧倒的に多い。

(2)次に、上と、下の歯の「外側の歯肉と歯の境界部分」を「1つの歯で10回往復」する感覚で「力を入れず」「軽く鉛筆をもつ」程度の圧力で「前後に動かして」「歯垢が泡だって浮き出る」ようになでるようにこする。(ゴシゴシは痛めるだけで害で意味なし)

(3)外側をやったら「ベロにあたる」「内側の歯肉と歯の境界部分」も同じように一通りやる。

(4)デンタルフロスで「奥歯から、前歯まで」「全部の歯と歯の間」「歯肉と歯の境界」まで糸を通して「歯垢をかきだす」(一番大事なプロセス)

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(5)歯科医が使う「染色液」で「磨き残し」を探索し、磨けていないところがあれば再度掃除する。(その辺のドラッグストアでは売ってない)染まったところは虫歯になる部分……ゾッとすると思う。

……どうですか?やれてます?特にデンタルフロスを1本ずつきちんとやる人……あんまりいないと思います。

たぶん、私があげたこのプロセス、ポイントでパーフェクトに毎日磨けている人は……ほとんどいない。

デンタルフロスのほうがブラシより大事
だって、ドラッグストアなど見ても「フロスがバカ売れ」していることは……まずない。

ほとんどの人は「歯磨き粉べったりつけて」「歯ブラシだけで」「ごしごし」で……「やったつもり」で終わっている。

■なぜ、私は虫歯が多くなってしまったのか?
 これ、実験の失敗を認めないといけません。ドルツでずっと「ジェットウォッシャーだけの水流」で「洗って済ませていた」からです。

確かにドルツは歯と歯の間につまった食べかすは「恐ろしいほどきれいに」出してくれます。でも、「歯肉と歯」「歯と歯の間」をやるには「精密に水を当て続ける」「長時間の努力」が必要なのです。
それは……しなかった。

「あー、口の中さわやかになった」……これで終わっていた。

虫歯が一番できるのは「表面」でなく「歯と歯がせりあうすき間」からで、この部分から虫歯菌が「歯を横から穴をあけ」「中で広がる」のが圧倒的に多いのです。

この理屈は「詰め物」「かぶせ物」「インプラント」の歯にも同じで、「歯と歯の間を」「デンタルフロス」で「意図的に」「毎度歯垢をかきだす」作業をしないでいたらたちまち虫歯菌が繁殖して奥歯を破壊していく。

そして、歯髄、歯根膜まで細菌感染が進んで今回の私のぶざまな「歯髄炎ぶったおれ」状態になるわけです。

笑ってくださってけっこう。たぶん、ほとんどの読者もなると思うんで……「自分は歯磨きちゃんとしている」が「できていなかった」と知ってほしいのです。

なので防衛のタスクとして
1.3カ月に1回は意図的に自分から歯科医で歯の検査を受ける。清掃もしてもらう。
2.その際に「ちゃんとした歯磨き」を歯科衛生士から教えてもらう。自分のやり方が正しいか……確認してもらう(鏡や染色液でできぐあい見せてくれるので)
3.家では食事の内容(だらだら食い、間食、飲み物をちびちび飲んで仕事や勉強する)はしない。一番虫歯になる生活スタイルなので。
4.毎日の歯磨きをしっかり念入りにしてから寝る(これが一番難しいだろう)

■歯髄炎は抗生物質バファリンも「まるで通じない」
 今回、歯科医が抗生物質やる気なかった理由が……わかりました。私が求めたので出してくれたけど「ほとんど効かない」。

さらに発熱してくるし、バファリンを1日2回飲み続けましたが「あんまきかない」

生き地獄ですよ。とにかく歯髄炎を発症したら「一刻も早く歯科医に駆け込んで」「該当の歯の炎症部分を撤去」する治療を受けることです。

なめちゃいけない。これ完全に「敗血症」と同じぐらい……やばい全身感染を起こしています。

というのは、私も土日で歯科が休みなのでなんとか抗生剤とバファリン飲みまくって寝てしのいで歯科に駆け込んで「歯髄を抜いて」もらったのですが……

麻酔が切れたとたん「痛みが再来」。発熱も始まり……寝込んでしまいました。
医師団の見解だと「治療で歯髄の神経や毛細血管を抜いた作業で、たまっていた炎症の菌が体内に拡散したりして発熱や二次感染で苦しむことは【フツーに】ある。がまんして寝ててください」

「まじかよ……」「なにそれ……」「軽く言うね」
さらに、夜ご飯食べて家人と話していたら突然、左の鼻から「大量の薄黄色の鼻水が」「サーっと」「滝のように流れ出してきた」じゃないですか!

「なにこれ……」

「上の奥歯の真上が」「左の鼻腔」なのですよ。つまり感染と炎症が鼻のほうにも連鎖している……。

こんどはそちらで「薄黄色の鼻水」が「大量に水のように」「流れ落ちてくる」という……ホラー映画のような状態に陥りました。

医師団の見立てで
「歯の中の炎症が、歯髄、歯根膜から裏側の鼻腔の粘膜に到達して、穴が開いている可能性もある」
「至急、耳鼻咽頭科でCT撮ってもらい精査してそちらでも処置すべき」とのことでした。「最悪、大学病院の口腔外科に転送だよ」

■歯髄炎は耳鼻咽喉科でも並行して処置が必要な場合
 それで今度は総合病院の耳鼻咽喉科ダッシュ。幸い、優秀な大学病院の「指導医」が担当しており私の状況をみて即座に鼻腔のCT撮ってくれました。総合病院だと……こういうとき街の耳鼻科クリニックよりはるかに強力です。

結果として「歯髄からの炎症の貫通はなさそう」「歯髄の炎症で刺激されて」「鼻腔でも急性の蓄膿症が発生したようだ」「抗生物質ペニシリン処方で様子見る」となりました。

なかなか……ひどい。また1週間、抗生剤漬けですよ。まあ、武田式で「免疫力」「細胞再生促進」はしているので、抗生物質で常在菌殺しまくられますけど……そこそこしのげてきた私ですらこれですから。

それぐらいひどかったのね。「たかが虫歯」じゃないですよ。これは立派な「外科手術や合併症」の話です。モロ全身管理が必要な感染症(敗血症)が起きるんで。

ほんと歯科もいい加減「医学部の歯科」で「総合病院でも普通に歯科」やってほしいです。医療保険も「抜歯や虫歯治療は日帰り手術扱い」「手術給付金出せよ」って……思います。

■あなたが歯髄炎になる日
 もし、あなたが口の中虫歯ゼロで治療もしたことがないなら、この話は「他人事」です。

だけど「詰め物」「かぶせ物」「インプラント」した人は……そうですね。入れてから5年ぐらいは無事過ごせてもそのあと「崩壊」が始まる。

その「未来」をなぜか歯科医は治療した時点では「将来こうなるかもしれないから」「ちゃんと検診、チェック、歯磨き徹底していきましょう」とは……言わない。

多くの人は「もう丈夫なセラミック入れたから安心」と……思う。

いや、そのセラミック……もつの8年なんだよぉ。そのあと持っても「運がよかった」だけ。中が腐ってるから……。

不都合な真実の構図
 こういうふうに歯科医が「儲かるように誘導ビジネス」してしまうのは「根底の歯科診療報酬が安すぎる」「やる気なくす」「経営難になる」から「お金に困って」「セラミックやインプラントを推進してとる」という……構図があるからです。

医学や医療の話でなく「政治・経済」の話なんですねぇ。

なんで、あなたが国会議員に「歯科診療報酬を2倍以上にしてやれよ」「歯学部は医学部にして」「1回で長時間のじっくりした治療ができるようにして」「歯科治療は外科手術と同じクリーンルームや滅菌・殺菌、入院もできる体制組めよ」……ってすべきなのです。

じゃないと……この問題は「直らない」
(内海君:小市民)