内海新聞のブログ

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ウーブンシティはうまくいかない

トヨタが、章男が……何かんちがいしたのか「ウーブンシティ」という「実験都市」をやりたがっている。

 

あのニュースの第一報を聞いたとき「あー、トヨタも経営間違ったな」とピピっと思ったよ。「たぶん、うまくいかないよ」と直感した。

 

章男ちゃんは「勘違い」してるよ。経営の基本セオリーなんて、そんなに変わらないよ。「餅は餅屋」「多角化経営は失敗の元」

トヨタは自動車メーカーだ。それが本業と違う「都市開発」をするのは、ヤバい。

たぶん、他の自動車メーカーより圧倒的に金があるから「道楽」でそうなったんだろうな。

都市開発なんて、東急不動産や電鉄会社や森ビルやら鹿島がやってれば……という話で。トヨタの本業は「自動車」なんで。

 

その本業の自動車が「ダメ」になってる現実を……直さないと。

たとえば毎年のように当たり前にいっぱいしている「リコール」とか。

で、トヨタがこれまで持ってきたのは「営業が強かった」これにつきる。

 

自分は新車でヴィッツ買って、はじめてトヨタディーラーとつきあうようになった。それまでは三菱だった。三菱はノホホンとして、あんまり商売ガリガリしないけど、技術的にはそこそこちゃんと対応してくれていた。

 

けれど、トヨタの営業は「なんでも巻き取る」んだよ。すごいわ。今、うちは三菱の自動車とスバルの自動車、全部正規ディーラーからトヨタに変えたよ。なぜなら、トヨタの整備技術は他社でも飲み込んでやってしまうし、値段が安いんだよ。オートバックスだと安かろう悪かろうだけど、トヨタの場合はきちんとしちゃうんだ。で、安い。

オートバックスの1000円増し程度。トヨタが標準で使うエンジンオイルだってハイエンドと変わらない程度に普通にクオリティ高いし。

トヨタの車はボンネットあけて、エンジンルームを見ると「整備しやすい」んだよ。日産もホンダも「これ誰がやるんだよ?」ぐらい「複雑怪奇」な配線・配管にされてる。でも、トヨタの車は自分でもメンテナンスできるぐらい「わかりやすい」「きちんと」「劣化も読んだ合理的な設計」がいたるところにされている。さすがの技術力だ。

カイゼン大好きだからなあ。

 

以後、車検も整備も修理も他社分全部トヨタでやってもらってる。嫌な顔ひとつせず、営業は「顧客が痛いところの値段設定」で対応してくれる。

なので、うちでは、次はトヨタで買おうと決めている。それぐらいの顧客への満足度を出せる営業が、スバルだろうが、三菱だろうが、日産だろうが、ホンダやマツダやスズキでやれているのかな?ということ。

スバルなんて営業最悪だから。正規ディーラーで定価で買って、怒りが出るような「商品知識のなさ」「対応できなさ」がトヨタの比ではない。

 

先日、三菱の車のゆがみを板金頼もうと三菱ディーラーに行ったら「10万円」で「しなくていいところまで、ぼったくり見積もり」「これでしかできない」と言われた。しかたないのでトヨタに行ったら「3万円でやれます」と回答してきた。そして「ちょっとだけ上がったけど使えるようにしました」と4万円で済んだ。この差は何?

 

つまり、トヨタの営業は、章男が道楽都市伝説でなくて、都市計画で遊んでいる間「必死に顧客をつなぎとめ」ているのだ。

なのに、章男は、なぜ営業が困っている「電気自動車トヨタないよ?」という顧客のリクエストにこたえられない現場を知っているのだろうか?

「なんで、ハイエースのハイブリッドやEV出さないんだよ?」

「なんでEV軽ワゴン出さないんだよ」

「水素やるなら、水素ステーション全国さっさと作れよ」

……自動車メーカーとしてやるべきことがあるのに、そっちのけ。本業を忘れている。

本業をないがしろにして、多角化や他業種にうつつを抜かして失敗して沈没した企業はいとまがない。それこそビジネスの法則にできる。

 

だいたい、ウーブンシティの場所は古富士山の真横であり、これから富士山大噴火で消滅する可能性がある静岡県だよ。

 

もともとウーブンシティの前の工場って、センチュリーつくっている部隊。全部地震で危ない宮城にぶっとばした。泣く泣くやめて静岡に残った従業員も多いそうだ。そこまでして、すべきことか?ウーブンシティ。

 

だいたい、首都圏・太平洋ベルト地帯から逃げろといってるのに、世界の頭脳を300人集める?殺す気かな……。それだけ頭がいい人は、これから富士山噴火して、大地震が襲う地区にわざわざ来ないと思うけど。あーあ、章男ちゃん。

 

トヨタの営業クルーは泣いているよ。「早くEV全車種出せ」って。「とっとと、水素ステーションディーラーに全部つけろ」って。