内海新聞のブログ

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1916:自分が女で乳がんならどうするか

 乳がんネタやって、けっこう詳しくなったのでもし自分が乳がんにならない、なったらどうするか?シミュレーションしてみます。女性にはすごく役立つ内容になるでしょう。以下はフィクションなので実際の数字は各保険会社に問い合わせください。

■がんになるのに10年~15年かかる
 乳がん、好発年齢43歳。一般的にがん細胞が発現して直径1㎝でMRIやCTなどで「がん」と確認されるまでの大きさになるのに10~15年かかります。

なので、最長の15年前で逆算すると
43歳-15年=28歳
28歳から「将来のがんに備える」というのがいいわけですね。

ただ、私の読者の女性には「29歳ですでに子宮頸がんくらった」という人がいましたので……そうなると乳がんじゃない、婦人科系のがんはもはや
29歳ー15年=14歳
から……準備しておく必要があります。

なので、私はお父さんに「14歳になったので、医療保険がん保険入れてください」とお願いします。未成年なんで。

■クラスで身長が後ろから高いと乳がんになりやすい
 あと、NEJMで「中学時代クラスで後ろから1~2番のような背の高い女子は、将来乳がんになる率が有意に高い」という疫学調査があります。

私、背高いんですよねぇ。将来危ないですね。保険はいっとこ。

■まずセコムがん保険
 一番先に入った方がいいのはセコムのがん保険だって。90日過ぎないと保険が効かないって。
 中学2年の自分は今のところ病気もないし、すぐ入れました。
月1510円。
安いんだね。「若くから入ると保険って安いんだよ」
って言われました。

これさえ入っておけば、ほとんどのがんの治療費全部出るし高額な自由診療の費用も出るよ。でも、定期保険なんで90歳でうちどめで5年ごとに保険料上がっていくけど……若くから始めたらその分の安いらしいから……とにかく入っておくのがいいね。

それに保険金請求するとき「診断書」のお金、普通1万円とか自腹になるんだけどセコムはそれ負担してくれるので余計な支出ないから「純粋に保険金だけもらえる」んだよ。お金に困っている患者にはありがたいよね。

セコム並みに出してくれる保険会社ないらしいんで……今はここがベスト。

安心!

■次に医療保険
 ベースになる生命保険の医療保険に入ります。
オリックスのキュア。ちなみに女性用にパワーアップしてある「キュア・レディ・ネクスト」ってあるんだけど、14歳じゃ入れなかったよ。

しかたないけど普通のキュアに入ろう。

・三大疾病無制限型(1回の入院60日まで)
 糖尿病、循環器、肝硬変、慢性腎臓病なら120日まで
 がん(悪性新生物・上皮内新生物)、心臓病、脳梗塞とか【日数無制限】
「上皮内新生物」でも出るんだね。将来大腸がんになっても助かる。

入院給付金日額【1万円】マックスにしといた。

先進医療給付金・一時金(最高2000万円まで)【あり】
もし、その時の先端医療試したいとき助かるよね。

がん一時金【100万円】
初めてがんと診断確定されたときに、2回目以降はがんの治療を目的として入院を開始したときに、「がん一時金」をお支払いします(1年に1回を限度)。

……もし乳がんになっても100万円ずどんってお金出るんだ。仕事休んだり、やめたり……お給料でなくても、家賃やカードの支払いも途切れず安心だね。

保険料払込期間【60歳払済】
これ、65歳と終身払といって「死ぬまで払う」スタイルあるけど、私は60歳で払い終わってあとは「死ぬまで保険金がおりる」ようにしておく。

入院一時金【10万円】最高にしといた。
とにかくなんかで病院入院したら10万円もらえるのはいいよね。

保険料の払込免除(特定3疾病)【あり】
もし、三疾病(がん、心疾患、脳血管疾患)になったら以後の保険料払わないで保険金は「死ぬまでもらえる」ようになるんだよ。

役に立ちそうだね……つけとこ。

それで、保険料は14歳の私で
6829円……たかいなあ。でも、自分の一生の投資。
バイト代で払おう。

……と思ったら、パパが「年間で払った方が安いなら払ってあげるよ」って
いくらかな。
6829円×12カ月=81,948円
年間だと80,394円。
差が1554円。少しだね。だったら月払い、カードにしたらポイントたまるだろうからそっちでいいよ。

保険会社の人が最後に言った。
「若い時にこうして入っておくといいんですよ」
「なぜですか?」
「保険って一度でも病気とか診断されたら、もうどこも入れなくなってしまうの。だから精神病とか糖尿病とか……なったらもう入れませんよ。ずっと」
「そうなんですか。」
「だから、健康で若いあなたはこうして告知でひっかかることもなく、すんなり入れるけど、それは今だけなのです。」

そうなんだ……でも友達のB子とか、ぜんぜん入ってないよ……そしてあそんでる。
「B子は、保険とか入らないの?」
「いらないよぉ。知らないの?健康保険って高額医療費制度があって、自分で払う分どのみち少なくなるから。保険料払って掛け捨てだし捨てるだけで無駄じゃん。そのお金で飲み食いしたほうがいいよ。」
「そうなのかな。生命保険っていらないのかな?」
でも……私は入っておいた。

■さあ、あそぶぞ
 14歳になって彼氏もできてパパには内緒だけどエッチもしちゃった。14歳って性欲すごいんだよね。とにかくエッチしたくて。そのあと、彼氏何人変わったかなあ。両手じゃすまないよ。
 友達はパパ活してお小遣いもらってる人もいるし……。

高校も卒業して大学行って20歳過ぎたし、お酒も飲むようになっちゃった。
ワイン、缶チューハイ大好き。ビール飲むよ。
週末は新幹線で1泊2日で友達とお弁当にビール……最高
夜はコンビニでチューハイ買ってホテルで飲んでおしゃべり。楽しかった。

大学のコンパや、イベントでも結構飲むし、
スイーツにはまって、ケーキ、クレープ、ソフトクリーム、甘味には目がないよ。

家帰ったらポテチ食べながら映画鑑賞。

エッチとお酒とスイーツの毎日。

夜も渋谷で彼氏や友達とカラオケでワイワイ。

楽しまなくっちゃー。

大学も出て一流企業で総合職!パパも喜んでる。

■ある日
 あー、飲みすぎた。最近ねてないよ。

29歳……最近、生理がおかしいんだよね
出血多いし、来る日もずれるし、おりものがなんか出るし。
お腹もいたい。

彼氏に「病院いったほうがいいよ」……って言われて
レディースクリニック行ったら
「子宮頸がんみたいです」
って言われちゃった。
「彼氏さんからHPVウイルスもらっちゃったんですね」
ショック!どうしよう!

大学病院で手術することになったよ。
先生が
医師「ごく初期なんで、子宮頸部円錐除去術です。」
私「何日入院するんですか?」
医師「3泊4日です。」
私「費用はいくらぐらいですか?」
医師「20万円ぐらい。高額医療費も出るから費用的にもそんなに心配しなくてもいいでしょう。」

セコムに相談しないと
「その大学病院で手術、保険金出ますよ。」

私は大学病院で子宮頸がんの手術を受けた。無事成功し4日で退院できた。
会社には有給使って休んだので、クビにもならなかった。

でも、もう子供が産めないかもしれない。
だけど、彼氏はそんな私と結婚してくれた。

■保険金1回目
 病院の請求書、手術込みで20万円だった。

そうだ、健康保険の「高額医療費制度」で戻るんだよね。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3030/r150/
私の場合月収あるので80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
80,100円+(200,000円の10割換算で666,000円-267,000円)×1%=84,090円?

負担額はほとんどない……じゃなくて8万4000円は払うわけか。
それでも……トータルよりは「安いでしょ」というレベルなんだ。
世間……8万円でも痛い人もいるしな。

なので、後日20万円ー84,090円=115,910円戻った。
健康保険だけの世界で得することは……ないよね。

さて、私は、セコムとオリックスに保険金を請求した。
セコムの場合、病院の診断書の料金1万円だったけど……出してくれる。

さっきの高額医療費制度と「関係なく」保険金はもらえる

そうしたらセコムがん保険から以下の金額が振り込まれていた。

がん一時金、100万円。
がん入院保険金、21万円。
計121万円。

後日オリックスからは以下の金額が振り込まれていた。
手術給付金、日額1万円×20倍=20万円
入院給付金、日額1万円×4日=4万円
がん一時金、100万円。
入院一時金、10万円
診断書費用、1万円(最大1万円出すそうです)
計135万円

セコムとオリックスで256万円もらえた。すごい!

しかも「がんでしたので、払込免除(特定3疾病)になるので今後の保険料はいりませんよ。でも再度一定の条件になったら保険金はもらえます」と言われた。

■でも、子供産んで保険金でた
 子宮頸がんはごく初期だったので子宮は残せた。その後私は無事妊娠して子供を産んだ。帝王切開だった。6日の入院だった。

帝王切開だと病気扱いの手術となりオリックス医療保険がおりた。
手術給付金、日額1万円×20倍=20万円
入院給付金、日額1万円×6日=6万円
入院一時金、10万円
診断書費用、1万円(最大1万円出すそうです)
計37万円

人気のあるマタニティクリニックだったので50万円ぐらいしたんだけど
出産一時金で42万円出るので
実質8万円負担。

保険のほうが多くもらえちゃうので29万円現金残った。

2年後、2人目も帝王切開になった。
再び37万円もらえた。
※1度帝王切開で産むと、原則2人目以降も帝王切開になる。

結局、2人の出産で58万円もらえた。お金がかかる時に助かった。

■そして14年がさらに過ぎた
 そのあと、私は夫と子供2人で平和な日々を送っていた。B子もあのあと子宮頸がんになったそうだが、あたしの話を聞いてセコムのがん保険医療保険……入ろうとしたけど「断られて」しまったそうだ。病気の人でも入れる「引き受け緩和型」の保険も「数年間、病気がないこと」が理由で、入れても保障内容は私の半分以下……保険料も2倍で、私のような収入もないんで断念したそうだ。一生……健康保険・自腹でやっていくしかない。

子宮頸がんの治療が終わってから、私は、生活スタイルを変えなかった。相変わらずケーキもスイーツも食べていたし、ポテトチップスも大好き。お酒も手放せなかった。

夫も飲むので、家でふたりで晩酌するのが楽しみだった。

そんなある日リビングで寝転んで映画見ていたら、乳房が焼ける感じがした。「なんか痛いかな」
「たまたまかな」と思ったけど、夫に言ったら
「それ、みてもらったほういいよ。」
「そうかな?」
「友達にがんクリニックの医者やってるのがいるから聞いてみる。」
「ありがと。」
彼は友人の医師と電話で話していた。
「43歳だと万が一もあるので、乳がん検査受けたほうがいいって。」
「マンモ?やだー。痛いし。」
「いや、MRIのほうが痛くないしマンモより性能いいらしいよ。MRIのクリニック行こう。」
私はMRIで最初からみてくれるクリニックを受診した。自費で2万円ぐらいした。
MRIの検査は楽だった。うつぶせに寝て20分ぐらいで終わってしまった。

後日、検査結果を聞きに行くと医師は私のMRI画像を見せながら説明を始めた。

「ごく初期の、乳がんらしきものがあります。これです。右胸の上側、乳管の部分が炎症を起こしています。他にもありそうです。今なら乳房を残せる可能性も高いです。すぐ手術したほうがいいでしょう。」

乳がん!」私はまたショックに襲われた。
「それって、バストなくなっちゃうよ。」
夫は
「だいじょうぶ。友達の話だと、同時再建手術でわからないようにできるらしいから。」

私は紹介された公立病院に行った。
「ごく初期の乳管がんです。ただ複数あります。内視鏡の手術でやれるだけやりますが、状況によっては乳房を片方切除する。あと……」

「先生なんですか?」
「実は遺伝子検査で、あなたの場合、もう片方もいずれ乳がんになる可能性がある。その場合、今回右だけやっても、いずれ左も出る可能性があります。なので、我々としては右の切除だけでなく、予防的に左も取った方がいいと思います。」

「そんな、そんな、全部ですか?胸がなくなっちゃう」
「あー、今は再建もできますから。後日、形成外科でやれますから。健康保険でできますよ。」
医師は再建手術した患者の写真を見せた。
「え?これで再建なんですか?」
そこには、いびつ、形も不揃いな「縫っただけ」の状態でいちおう乳首だけ描かれたような写真ばかりだった。

「保険だと通常の形成しかできないので、うちも公立病院なんで色とか、形とかは完全に前のようには……できないんです。もし、やりたければ美容外科とか自由診療ならあると思いますが。」

「いくらぐらいですか?」
「そうですね。50万~90万はいきますね。高額医療費で負担減る部分もあるけど、きれいに仕上げたかったら自費になりますね。」

「少し考えさせてください。他の病院でも聞いてみたいので。」
「いいですよ。このままだとステージが進んで転移が始まるので、急いでくださいね。」

私は診察室から出たとたん夫にもたれかかって、ワンワン泣いた。
乳がんだって。両方とったほうがいいって。もう、私じゃなくなっちゃうの。生きていたくない。」
「だいじょうぶ。友達が言うには、乳がんの切除と一緒に同時再建手術をしたらいいそうだ。」
「え?どういうこと?今の先生、一回、乳がんを治療して、後日再建手術すればいい……って。」

「セコムに相談したんだけど、乳がんの場合、その手術を別途やると保険金うまく出ないんだ。【乳がんの切除と一緒に同時再建手術をすると自由診療での費用まで出る】そうなんだ。」

私は、乳がんの同時再建ができるクリニックを受診した。
「うちでは、このような乳がんを切除して同時にきれいに再建してきました。あなたの場合も前と限りなくわからないレベルまでやれると思います。」

「よかった。いくらぐらいかかるのですか?」
「うちは、自由診療なんですよ。保険でやれる部分もあるけど両胸で130万円ぐらい。10日ぐらいの入院が必要です。あと、術後痛むので特殊な麻酔があるんですがそれを使うとプラス13万円。トータル150万円ぐらいかな。」
「え?そんなにかかるのですか?」
「残念ながら、保険診療でできるレベルは前の病院で見てこられたレベルでしかできないです。うちは最新の美容外科の技術も使うのでどうしても自費の自由診療になるのです。」

私はセコムに聞いてみた。
乳がんの切除と同時に再建手術するのであれば、自由診療分も出ますよ。」
「あと、前回の子宮頸がんの手術から特に問題なく3年以上たってますので、がん診断金も再度出ますね。」

私は、この時ほど……セコムと医療保険に入っていたことに感謝せずにはいられなかった。

私は、最高水準の自由診療の乳腺外科クリニックで、乳がんの切除と同時再建手術を受けた。

■保険金
 通常の乳がん切除手術だと50万円。高額医療費でまず逃れられる負担は
80,100円+(500,000円の10割換算で1,650,000円-267,000円)×1%=93,930円?

でも、自分の持ち出し9万円より多く、また保険金がでた。

セコムがん保険
がん一時金、100万円。
がん入院保険金、151万円
計251万円。

後日オリックスからは以下の金額が振り込まれていた。
手術給付金、日額1万円×20倍=20万円
入院給付金、日額1万円×10日=10万円
がん一時金、100万円。
入院一時金、10万円
診断書費用、1万円(最大1万円出すそうです)
計141万円

トータル392万円
自費診療だった乳腺外科での費用を差し引いても
240万円は手元に残った。

■保険に入らなかったB子との再会
 手術から目覚めて胸の包帯を外された日を覚えている。
「あれ、私手術したのかな?」
わからないぐらいの出来だった。

そのあとB子と再開した。彼女は子宮頸がんのあと、私と同じく乳がんにもなっていた。
「いいわね、それ、ほんとに乳がん手術したの?」
「そうよ。水着も着れるし、B子は?」
B子は顔を曇らせた。
「わたし、再建はあきらめたのよ。だって病院で出された写真みてとても受け入れられないできだったし、後日、病院まわったけど美容整形の自費になると言われて、150万、200万円って言われて……お金もないし無理だった。だからあきらめた。」

乳がんで両胸切除はつらかったけど、それでも高度な美容外科の手術で人前でも恥ずかしくないバストにできた。

あれから、私は武田式がん免疫栄養食事療法をやるようになった。お酒も一切飲まなくなった。ポテチも今では買わない。ケーキもクレープもスイーツも食べない。外食はせず、魚や野菜と全粒穀物で三食食べている。でもたまには高級フレンチを夫と楽しんでいる。
野菜代浮かせるため、ベランダで野菜育てている。

あの時もらった保険金は貯金して金の延べ棒買っておいた。そうしたら14年で3倍になっていた。750万円。

それに今回250万円もらえたので1000万円になってしまった。

3年過ぎたら、またセコムのがん一時金はリセットされてもらえるようになる。90歳でセコムは終わるがあと47年ある。

次に私を襲うがんは、どんながんなのだろう……

でも今度は来ない気がする。武田式をやってから美肌になり血液検査の値もよくなった。定期検査でも異常はみられない。

そして、ごく初期で発見するため、私は定期的に全身をMRIで毎年スキャンして備えている。

もしがんがまた来ても、セコムが守ってくれるし、オリックスの保険は死ぬまで私を守ってくれる。

そして「生命保険、がん保険なんていらないですよ」と言っていた評論家やユーチューバーは、がんで死んでしまった。

本当に困ったとき自分を助けてくれたのは彼らがバカにしていた生命保険・がん保険だった。
それと夫が探してきた「情報」だった。

ありがとう。
(内海君:小市民)