内海新聞のブログ

1996年創刊の我が国最初の電子新聞

2104:人に教えていて痛感していること

 これまで、さまざまな人生相談、学校をやってきて人に指導していて痛感しているポイントを書いておきます。

■上達しない人の共通点
どんなジャンルでも同じだと思いますが「人に物事教えて」「できないな。こいつ」「だめじゃん」ってなる人のパターンを書いておきます。

1.先生が指導したこと、示したことを素直にやらない人
2.指導したことを聞いていない。理解もしていないのに自分で勝手にやれると思い込んで自己流でやりだす人
3.自分で考えないで「すぐなんでも聞こうとする」人
4.先生(私に対する)言葉遣いが悪い人
5.「報告・相談・連絡」を自発的にしてこない人
6.四卒とか高学歴の人

私自身は幼少期から「水泳」「剣道」「カブスカウト」「ピアノ」「ブラスバンド」「英語」「サッカー」「書道」「茶道」など習い事けっこうしていたので(学校より習い事で学んだ方が多かったかな)

そのあと、自分で人にもプログラミングを教えたりしていたので……だいたいわかるんですね。

こういうポイントって、会社生活とか他でも共通すると思うけどね。

それで「6」のポイントなんか意外だと思うでしょ?「高学歴だから」「大学出ているんだから」「上達早いのでは?」うーん。予想と反してダメなんだな。

特に「院卒」とか「私大・国公立の四卒」のほうが「パフォーマンスが悪い」ことが多いです。

こういう人たちに共通しているのは「俺は大学出ている」「俺のほうが勉強できるんだ」って「思い込み」がゆえ
「先生の方がだめなんだ」
「自分でできるよ。これぐらい」って
「なめた思考」「考え方」になりやすいからです。

それゆえ、会社の人事でも実は「院卒とか、四卒は頭はいいけど、給料バッカ高くなるだけで使いづらい」って内心思っています。

実際、私も大企業で新卒・四卒の人と仕事したけど「動き悪いし」「言い訳ばかりいうし」「理屈で頭でっかち」な人がホント多かったです。

仕事って「どぶ板」「汚れ仕事」ばかりなんで……。あなたが学校でやっていたような「理屈」ではないのです。その入り口からして……認識、間違ってるんだよね。

■上達する人の共通点
1.「自分はバカです。すみません。お願いします」と最初から謙遜(けんそん)して自己紹介して、こちらに礼儀を尽くす人。
2.私が言ったこと、書いたことを「はい」ってそのまままねて忠実にやっていく人。やみくもにひねくれた質問したり疑問とか言ってこない人。
3.肌で体感して自分でキャッチアップしてどんどん自分で考えて改良して進んでいく人
4.常に「武田先生」と言って、私を尊敬しあがめる人
5.自分から「事後報告」「結果のレポート」「近況報告」をしてくる人
6.中卒とか高卒、元ヤンキーみたいな人。

えー?って思うでしょ。そうなんだよね。世間の評価とかと真逆の人のほうが伸びる。

私の場合、かなり高度で難しいことを「単純化して」「ドバカでもわかるように落とし込んで」「教えてやって」「そいつが、大卒以上、修士ぐらいのレベルに」「なりあがって成功するのが」「面白くて……」

これこそが教育の醍醐味ですよね。「バカを東大卒以上、悪くても同じレベルまで引き上げる」

しかも若い人のほうが「高速に伸びる」ので面白いです。

■先生は厳しいほうがいいか?優しいほうがいいか?
 私の場合、習い事をする場合は「厳しい先生」を選びます。口だけ甘い、優しいことを言って生徒受けするような先生は逆に選ばない。

やっぱ、厳しい先生、怒る先生というのは「とっつきにくい」「むかつく」けど「正しい」ことが多いんです。

だけど、生徒に甘い先生、怒らないからいいという「生徒に迎合した」先生の授業とか習っても「ダメ」「レベル低いだけ」になることがほとんどですね。

だからといって旧大日本帝国軍人みたいに「とにかく、並んで、鉄拳ぶんなぐり」がいいか?というと、それもダメですけどね。

なぐるんなら、理由がないと……あ、それ今やったら「パワハラ教師」で終わりですね。

でも、アカの他人の子供に「真剣に怒るリスク」を犯してでも「ちゃんと教えたい」というのが本来の先生なんです。

そうでしょ?自分のこどもなら怒ったところで家庭の問題だけど、アカの他人をしかるというのは「とても大変なこと」なんですよ。でも、それをやる信念と勇気があるから厳しいのです。

武道なんかも「言葉遣い」から厳しいですからね。今の時代って「先生に敬語」とか使わないのですか?

私、小学生の時、剣道していて、けいこ終わって、母親が迎えに来たので、母に「はい防具」
ってポーンと投げて渡したら、先生がみてて
「おい、宙大。なんだそれ」
って怒鳴って、先生は私にラリアートくらわせて、私はその場でぶっ飛ばされまして「えーん」って泣いてしまいました。
先生は
「お母さんに、そういう言葉遣いや態度だめだろ。なんで防具をそうやってるんだ?お前、今何をした?防具をお母さんに投げて渡すなんておかしいだろ?なんて言うんだ?」
「お母さん、ごめんなさい」
……でも、今はこういう教育しちゃいけないんですよね?

親も文科省も「精神おかしい」と思いますね。だから、先生も生徒も変なのしか増産されない。

やっぱ、親に対しても言葉遣いとか、今はいい加減というか「フランク」で当たり前、その親自体が「なまくらな育ち方」しているので……もう日本も終わったなと思いますけど。

先生への礼儀、親への礼儀……誰も教えなくなったので……「勘違い」「増長した」「アホ子供」がすごく増えましたね。

なので、私も、あんま学校とかしたくないんです(大笑い)気分悪いもん。

■一流の教育は「厳しい」
 かつて、世界で初の宇宙飛行士となった、ソ連(現ロシア)のガガーリンですが、彼の伝記を読んでいたら興味深いエピソードがありました。

彼は空軍で宇宙飛行士になるために、毎日ジェット機に乗って指導教官と操縦訓練をしていました。

だけど、教官は1日たりともガガーリンを「ほめなかった」そうです。ひたすら「まだダメだ」「これじゃダメだ」って厳しくしていた。

ガガーリンは「なんで、こんな目にあうんだろう」とむかつきながらも、必死に教官の指導をこなし、耐えていたそうです。

だけど、最後の日にいつもの鬼教官が「おめでとう」と言ったそうです。
その時、彼は「なんでこんなに無慈悲な毎日だったか?先生ありがとう」と教官の気持ちがわかったそうです。

そしてガガーリンソ連の頂点に立つ宇宙飛行士としてデビューしたそうです。

教官はガガーリンのため「あえて鬼」でいたのです。

「なるほど」「深いよな」って思いました。

アメリ海兵隊の教育で興味深いポイント
 で、世界最強の軍隊といえば「米海兵隊」です。アメリカの五軍(空軍、海軍、陸軍、海兵隊、宇宙軍)のなかで「最も厳しい教育」「訓練」をすることで有名です。

「発狂してしまうぐらい」「ハード」「脱落者続出」の訓練をしています。それゆえ、海兵隊出身の軍人は「強い」

どんな局面でも乗り越える「強靭な精神力」「体力」を身に着けます。

その海兵隊の訓練と、同じくハードで有名な陸軍グリーンベレーの特殊部隊の訓練を動画で見ていて「アメリカ人はどういう鍛え方をしているのだろう?」と思いました。

うん。アメリカの場合は「自発的モチベーション」を「高める」ことに主眼がおかれていました。

グリーンベレーにしても、まず各州軍などで「選抜」されたその地区ではレベルの高い兵士が志願制で参加許可を与えられます。だけど、ほとんどが「脱落」する。

想像を絶するハードで精神的に限界を試す訓練が毎日続きます。長時間の行軍、冷たい海にシャツとズボンだけで長時間居続ける……腕立て何百回……

そこで教官は「どうだ、いいんだぞ、やめたければ、今すぐ言え」と腕立てをしている人に言い続けます。でも、兵士は「ノー」って言い続けます。

なるほど……自分の意志を強くさせるんですね。プライドによって……これはうまい。

こうすれば……旧帝国軍みたいに「いわれもしない、ぶん殴り」をしなくても本来の目的に向けて鍛えていくことができますね。

さすが……アメリカ。

「厳しさ」は教育のための立派な演技なのです。

■上流階級の人の「厳しい教育のしかた」
 それで、上流階級の人ね。その辺の成り上がりの商売人のオッちゃんの家と違って「家柄」「学歴」ちゃんとした人たちの家庭での「教え方」を教えます。

たとえば、原口一博が好きな「DS(でぃーえす)」のロックフェラー家の場合、息子が日本に留学した時のことを彼の伝記で知りましたが

「世界的にまったくお金に不自由しない、超財閥の息子」なのに「日本で留学生活する生活費用は驚くほど少なかった」そうです。

「この額でやりくりしろ」だけで、親から突っ放されたそうです。

つまり、大富豪で、将来の財閥を担う息子に必要なのは「貧しいことを知ること」「親からの支援に甘えるのでなく自分で生きるように」ということです。

セルフコントロールしてそれができないような人間に、将来の財閥を任せられない……なるほど。帝王教育としてマトモです。

たいていの場合は「金持ちのバカ息子」なんで、安倍晋三も若い時はアメリカに「親の後光で」「遊んで留学」して「仕送りで苦労せず」何もしていない……だけの生活ですけど。

ロックフェラーはその気になれば、一流ホテルに毎日暮らさせ、執事が送り迎えしてもいいぐらいの待遇にしてやれたのに……あえてしない。

■富士先生の教え方
 前回、書いたけど、私が小中学校で習っていた英語の富士先生もそうでした。息子さんが宮内庁昭和天皇の宮務官。そのあとは浩宮秋篠宮の面倒見て、最終的には秋篠宮付き……の母親ですけど。

明治生まれであの当時、女性で津田英語塾の創始者の津田梅子の一番弟子になった方です。立派な邸宅に住まれていて(ソフトバンク楽天の彼らと違って、品がいい家ですけどね)。

そこに私は通っていました。で、私が中学の時「中間テスト」で英語を受けると「テスト結果、見せてください」
と先生はおっしゃって。私が
「80点とれました」
と答案を渡して言うと、先生は私のテスト用紙を眺め答案を読んでから、ほめるどころか黙っていらしました。

「内海さん、これじゃダメです」

「80点でダメなのですか?」

先生は私の目を見て話されました。
「あなたは、私に月謝を払ってこうして学校と別に英語を習っているのです。それならば、中学のクラスメートの方よりできていないといけないです。」

私は「80点もとったのだから、いいじゃないか?」と思っていたのに、先生は「それじゃダメ」と「さらに上」を「むちをうつ」のです。

「じゃあ、一体、何点取ったら?いいですか?」
先生は
「修ちゃん(先生の孫)は、90点以上とりますよ。」
「わかりました」
それで、私は一層勉強して、その次のテストで「90点以上」とりました。
そうしたら先生は
「そう、これでいいです」

パワハラも何もないんですけど「しつけ」は厳しい。
黙って厳しい。

当時、クラスメートは「和英辞典」を買って授業中使っていました。
日本語から英語ひけるから便利ですよね。

なので、私もクラスメートがうらやましくて
「先生、和英辞典を買っていいですか?」
と聞きました。でも、先生は
「和英辞典ではなく、英英辞典を買いなさい。」
とあっさりでした。
「きついなあ」
と私は、紀伊国屋書店に行って「英英辞典」を買っていつも読むことにしました。

でも、先生の指示は正しくて、英語を上達するために一番いいのは「英英辞典を読む」ことなのです。

アメリカ人、イギリス人の教養ある人がダイレクトに書いた辞書を原文で読んだほうが「彼らのマインド、思考、文章表現」を学べるからです。

■相馬雪香先生の教え方
「憲政の神様」で歴史的に有名な政治家、尾崎行雄の娘さんの相馬雪香さんは……まあ、おうち的には一流なんですけど。もちろん、相馬さんは英語ペラペラです。

嫁いだ家は男爵家でご主人は福島の「相馬野馬追」の当主です。その娘さんが原不二子さんといって、上智大学出て昭和天皇の通訳をずっとされていました。

その原さんが話されていたのですが
「自分に娘ができて、仕事もあるし保育園に預けたいと、母に言ったら」

母(相馬雪香)は、

「いいですけど。もし、子供が死んだら文句は一切言ってはダメですよ。」
とだけ答えたそうです。

原さんは「はっと」自分の考えの「間違い」に気づいて悟り、
子供を保育園に預けず自分で育てたそうです。

そうなんですよ。「怒鳴ったり」「説教」しないけど
「ズドン」って「魂や心に刺さる一言」を的確に言う。
そして結果的に本人が「気づいて」自分で間違った方針を変えてしまう。

これが「一流」「上流階級」の「レベルの高い人たちの」「教育」だということです。

世間のお母さん方、子供を保育園にばかり預けたがるけど……正しいのでしょうか?
(内海君:小市民)