内海新聞のブログ

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2054:スタチン狂詩曲と不思議な改善

 スタチンはLDLコレステロールを劇的に下げる特効薬です。医療現場の多くで使われています。だけど副作用も強烈です。健康診断などでLDLが140以内が正常値で、これを逸脱していく人は「スタチン飲みましょう」となります。あなたはどうですか?

■スタチンのメリット
 飲めばLDLコレステロール値が劇的に下がる。自分の場合は160程度が50台になる。(3分の1に落ちた)

■スタチンの副作用
(1)「筋肉が溶ける」(2)「逆に糖尿病を起こす」(3)「冠動脈などの血管が石灰化する」

スタチンはランクがいくつかあり、私が飲んでいるのは「最強」といわれる「ロスバスタチン」です。

調剤薬局で薬剤師からは
「副作用で筋肉が溶ける場合があるので」「その場合は目安として尿が赤っぽくなるんで」「そうしたら飲むのをやめてください」
と言われました。副作用出るとしたら飲んで10日以内とか初期に多いそうです。

幸い……私は出ませんでした。

そして、すでに糖尿病ですので(2)はどうでもいいかな……と。

私にとっての問題は(3)の「冠動脈などの血管が石灰化する」でした。

■スタチンを飲むと血管が石灰化するの?
 この問題はすでに10年以上前「医学界で提起」され「けっこうマトモ系の医者同士で」「そうだ」「そうじゃない」で激論が続いて「何が本当に正しいか、いまだにわからない」のだそうです。

みなさんに明快にわかりやすい医師が作った動画があります
★スタチン機序、コレステロールの役割2

www.youtube.com

で、読者の薬剤師にスタチンの問題を聞いたら以下の「学術論文」を教えてくれました。

スタチン(コレステロール低下薬)は、動脈硬化心不全を促進する:薬理学
的メカニズム
Okuyama H, Langsjoen PH, Hamazaki T, Ogushi Y, Hama R, Kobayashi T, Uchino H. 
Statins stimulate atherosclerosis and heart failure: pharmacological mechanisms.
Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99 の抜粋.

http://jsln.umin.jp/pdf/guideline/comment20150427.pdf

奥山治美、 名古屋市立大学名誉教授、<okuyamah@kinjo-u.ac.jp>
浜崎智仁 富山大学名誉教授、<hamazaki@inm.u-toyama.ac.jp>
大櫛陽一 東海大学名誉教授、<oogushi.youichi@gmail.com>
浜 六郎 NPO 医薬ビジランスセンター(薬のチェック)代表 <gec00724@nifty.com>

浜六郎先生は、読者からの代金のみで薬と治療関係の雑誌 薬のチェックを発行されています。
(製薬会社の広告は一切載っていないので、製薬会社の忖度のない雑誌です)
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動画の松本医師の「スタチンの代謝と副作用の起きるメカニズム」の部分はおそらく、この奥山先生らの内容を使っているのではないかと思います。栄養信長氏もこのネタで動画つくっているようだ。

■何が激論になっているのか?
 それは、この奥山先生らの医学者が「日本脂質栄養学会」という学会をやっておられ……これは、これで「マトモな団体」です。
http://jsln.umin.jp/
みたら主に「EPAなどの健康にいい脂(油)の医学研究」をしているところです。

もちろん、日本の順当な医学部・医者の人たちで構成されている立派な医学学会です。
そこで「コレステロールは200とか高くても、むしろ長生きする」
「しかも、スタチンでLDL下げるのは意味ない。むしろ心筋梗塞などの循環器疾患の重大な副作用を起こすから飲ませるのやめんかい」

と理論・主張をぶちあげたのです。

これに驚いたのは「既存の循環器内科とか糖尿病内科」などのほうで

「おいおい、高コレステロールは循環器疾患の原因そのものだぞ」
「間違ってる」
で大バトルになったようです。

というのは、奥山先生らの主張は「けっこう理路整然」「ちゃんと医学的メカニズム」でついているようなので……正直「何が正しいのか?」「いまだにわからない」わけです。

正直「患者不在ですよね」という「医学者同士のバトル」なんですが……結果は「なんかうやむや」になっているようです。

つまり「どっちも正しいけど、悪い」みたいになっていて

え?「どっちなんだよ?」
って患者としては「困惑」です。

ちなみに、動画で人気がある「栄養信長」の、あの人はこの脂質栄養学会にも会員になって、彼らの主張を自分の動画でも取り上げています。
コレステロールの栄養学。コレステロールは悪ではない!むしろ摂取が増えるほど健康的!?コレステロール値が高いほど死亡率低い!?【栄養チャンネル信長】

www.youtube.com

■で本当のところは?
 それでこの「スタチンを飲み続けると冠動脈が石灰化するか?」の命題なのですが、実は現場の循環器内科医らの間では「石灰化する」という認識になっているようです。

以下の、循環器内科医(世間で有名どころの一流病院の医師ら)の勉強会の中でも「スタチン飲み続けたら冠動脈が石灰化する」という認識です。
★【スタチン】いい石灰化がおこる?

www.youtube.com

ただ、この医師らの間では「確かに石灰化する」「だけど逆に血管が動脈硬化にはなるのだが、心疾患の危険なイベントは逆に起きづらくなる」

「不安定プラークのほうが発作や心筋梗塞脳梗塞の原因で危険だが、それが逆に起きづらくなる」

「たしかに、血管が石灰化で固くなることはヤバいのだが、トレードオフでいいことなのかもしれない?」

という「なかなか、判断に苦しむ状態」になっているようです。

いやあ、患者のみなさん、あなた?どう思いますか?

■主治医に相談してみた
 1月の「余命宣告」からすでに1カ月経過。「いつ発作で死んでもおかしくないです」と言われて「絶望100%」で家族と病院から帰って

「ま、できるだけの努力はしよう」
「我々にできるのは、武田式食事療法と運動だな」
と……日々、武田式の対循環疾患オプションを開発して投入、運動も死なないレベルで取り組んでいます。

あとは、全国の内海新聞・武田学校の読者の「祈り」だけです。

現代医学のしかも「マトモな内科」の治療は……すべて投入済みです。

手はうちました。

それから、1カ月の間に「変化」が起きました。

まず、糖尿病主治医がみかねて投じた「強力なスタチン」は3週間ほどで「劇的なLDLの低下」の効果を出しました。

それと同時に「糖尿病症状の明らかな改善」も起きました。
プラス「武田式の対循環器疾患オプション」も「見てわかるレベルの成果」を出してきました。

■対循環式疾患オプション
 私は、武田式対循環器疾患オプションを開発するにあたり、正当な循環器内科のトピック、論文などを読みあさりました。

さらに「血管内皮のプラーク生成」「消失」までの「緻密なメカニズム」まで、マスターしました。もちろん、医学部の医師らが勉強する内容でです。

かなり「複雑」ですけど……なんとか……頭にいれました。

そのうえで「われわれ一般人ができる努力」として「何を食べたらいいか?」考え抜きました。

これについては、私は公開したいと思います。役に立つと思う。ぜひ、循環器疾患で死にそうになっている人、苦しんでいる人……活用ください。

■武田式対循環器疾患オプション(これを毎日一定量食べる)
1.イワシの水煮(EPADHA製剤より効率的)
2.こんにゃく(海藻・食物繊維による胆汁からのLDL排出促進と腸内細菌の育成)
3.小豆、小豆の煮汁(サポニンダイレクト注入)
4.海藻(わかめでも昆布でも海藻ならいい)
5.シイタケ
6.きなこ、納豆(イソフラボンによるエストロゲンホルモン支援)
7.砂糖は一切料理に使わない
8.調理の油はオリーブオイル1日8gまで(1回2g程度)。あとはイワシの水煮などの「食材に含まれる油脂」で補う程度で十分
9.白米は食べない(オートミールもち麦、スパゲッティ、ラーメンの麺に全部する)

この内容……外食では実現不能だと思います。家で自炊するしかない。

もともと対がん制圧のために開発された武田式食事法は「抗酸化」「高ビタミン」「抗ウイルス」「免疫賦活(ふかつ)」「細胞再生」「コラーゲン補充」を狙ったプログラムで組まれています。

なので、血管を「やわらかく」「元の柔軟性ある状態」に戻す目標とさほど変わらないのです。

■がん・内臓・筋肉・骨・軟骨・血管劣化の原因は「エストロゲンホルモンの加齢による減退が原因」

それで「がん」「内臓疾患」「血管障害」の原因なのですが「食事」「運動」要素の欠如だけでなく「加齢によるホルモンの減退」があります。

これ大事なポイントなのですが……見落とされています。

つまり単に「食事だけしても」「運動しても」「根っこのホルモンがちゃんと出ていないと」「細胞の再生や復元はできない」のです。

ところがこのホルモン、とくに女性ホルモンの「エストロゲン」は「閉経」「30代後半から」「どんどん減衰」します。

男性の場合は、エストロゲンホルモンはなく「テストロゲン」といいます。男性もテストロゲンホルモンはどんどん減衰し……それが「各種病気」を生み出しています。

目安として50代の私の時点で「50%の消失」が起きています。
これが……あらゆる「がん」「循環器疾患」の「元凶」になっているのです。

じゃあ「加齢だからしかたないのか?」「老化には逆らえないのか?」

うん。確かにそうなんだ。「時間の矢は一方向」の宇宙物理学の法則通りで、我々の体の「劣化」も「プログラムされている」

だけど、人間には「知恵」がある。
それは「失われたホルモンを」「補充する手段」があるということです。そうやって「老化進行を遅くする」「ある程度押し戻す」ことはできるのです。

私が武田式で取り組んでいるのは「老化をある程度押し戻す」というポイントです。けっこうやれます。面白いです。

エストロゲンを補充できるのは「大豆製品に含まれるイソフラボン」をとることです。

ですので私は「効率よく、庶民が安く手に入れられる食材」として「きなこ」「納豆」「豆腐」「豆乳」を選定しました。

なかでも「きなこ」は「めちゃ安い」のに「イソフラボン含有量が最高に高い」食品です。豆腐より「飲みやすい」「量が少なくていい」

これを1日「40グラム以上」飲むことにしました。

■なぜ?きなこがいいの?
 いやあ、これ……意外なことで「判明」したのです。

実は以前紹介した「子宮筋腫の女性Aさん」に
「武田式子宮筋腫オプション」を開発したのです。

そこで子宮筋腫の病理を勉強しそのメカニズムも頭に描いたわけです。

エストロゲンが閉経に伴う減退で失われることで」「正常な子宮筋繊維細胞の成長がおかしくなり」

エストロゲンは血液中に常時ある「筋肉」「骨」「臓器細胞」「血管内皮細胞」を「再生」「新生」するための指令を行う大事なホルモンです。ないと……正常な細胞修復や生成ができなくなる。

そのため「肉腫として肥大化する」「さらに筋肉繊維が整列して、きれいな成長をさせるためにはコラーゲンが重要なのだが」「加齢や食生活が悪いのでコラーゲンが不足」ということで「正常な筋繊維細胞ができない」のが「子宮筋腫」の病理だと私は定義しました。通常の武田式にプラスして
(1)イソフラボンを食べる
(2)コラーゲンをとる
この2点をアドバイスしました。

彼女は私のアドバイスを「まじめに」「ストイック」にやったそうです。1カ月したら「武田さん、髪がきれいになっています」「肌もです」って感想来ました。

しかも「閉経前まで、腰痛とかひどかったんですが」「すっと消えました」「なんともなくいられます」と。

「よかったね」と思っていたのですが、彼女は栄養不足でBMIも少なかったのですがそちらも徐々に改善が進みました。でも2カ月ぐらいでこれだけ成果出たのはすごい。

そうしたら彼女の食事改善前と変化が起きた最近の顔の写真をみていて「気づいた」のです。

「あれ?あごの下のしわがないよね」「首の年輪みたいな半月も消えている」「皮だけでなく脂肪層も正常に是正されて」「スリムだけど」「健康的な肉づきでしわが消えている」

「なぜだろう?何か変わったことしたのですか?」
私は彼女にきいたのです。
「いやあ、毎日きなこ、武田さんのいう3倍以上飲んでます。」
「は?量多いじゃないか?」
「いやあ、イソフラボン多ければ多いほどいいと思って。飲めますよ。ドロドロですがお湯で割って。」

むむむ……「きなこ量が増えたことで」「成果が加速された可能性がある」

ただ、当の私はきなこは重要視していませんでした。糖尿病での「食前20分前に10gのきなこを飲むことで」「血糖値スパイクを有意に下げる」成果だけで考えていましたので。

食事療法の場合「量」がすごく大事で……「少ないとまるでダメ」「ある程度は量がいる」んです。

たいていの人は「少し」しか「食べていない」「たまに」なので「効果ない」と思っちゃうんですね。

薬と違って……食品だと「けっこう量がいる」んです。

たとえば、武田式では「毎日きのこ100グラム」食べています。一人でです。

それってスーパーのきのこ(しめじやマイタケ、シイタケ)「1パック」を1人で毎日食べるのです。

だけど、それぐらい食べていかないと……「ダメ」なんですね。
もちろん、1度に食べるのはむずかしいので「3食に分割」とかにしますけど。

店のきのこの「つけあわせ」「数本」じゃ……話にならない。

■つまりエストロゲンの補充ができれば血管の硬化や劣化は治る可能性がある
 これ……大事な「実験の逸脱から生まれた」「重要な発見」だと思いました。

よく科学の実験って「当初の意図と違った」「間違った手順や結果」で「失敗の結果」が「逆に新発見のもと」って……あるので。

つまり「きなこ大量飲み」が……「おもわぬ成果を出した」ようです。

「皮膚細胞が正常にできると」「連動して内臓や筋肉、骨、血管内皮なども同様にきれいに正常化していける」という法則が私にはあるので。

「見えないけど、血管も治っていく可能性が高い」
と私は思ったのです。

■主治医の思わぬ話
 さて、私はスタチンを処方した主治医に「嫌われるかな」って思いつつ「心配なポイント」を聞きました。

「先生、スタチンなのですが確かにききます。おかげで、糖尿病の神経障害などの症状が明らかになくなるし体も楽です。だけど、いっぽうで副作用で狭心症や冠動脈の石灰化を起こすと聞きました。脂質栄養学会の奥山先生らの論文で循環器の学会とバトルが続いているようですが、どうなんでしょうか?」

医師「こういう話なのですが循環器の先生と、糖尿病の先生、他科の先生……それぞれが【これが正しい】【あれは間違っている】ということ多いんです。なので、武田さんが【この医師の主張は正しい】と【思うなら】【その先生を信じていくしかないんです】」

「は?」「科学でしょ?医学だって。そんな、どの先生の主張が正しいか……患者が自分で信じて選ぶんじゃ……宗教を信じるのと変わらないじゃないですか?」

医師は苦笑して言いました。
「残念だけど、そういうものなんです。」

「え?医学の学会のガイドラインがあるでしょう?」

医師「もちろん、ガイドラインはありますよ。だけど、絶対はない。」

「絶対がないのに……患者はその先生の指示、処方を信じていくしかないのですか?」
「そういうことです。」

「先生、奥山先生の論文ありますけど読まれますか?」
「いいです。読みません。そういう先生方の主張をどれがいい?ってやっても意味ないんで。」

あっけらかんに言われました。

「そうしたら、私はどういう治療戦略をとればいいのですか?

この通り、スタチンを飲めば確かにLDLは下げられる。

だけど、飲み続けたら最後は冠動脈が石灰化して心筋梗塞で死ぬ。

どっちもどっちじゃないですか?

今回の循環器の担当医はまだ私の動脈は石灰化していない。脂で済んでいる。その状態を改善するのと逆になる。」

医師は言いました。
「私がスタチンを処方したのは、まず、脂でできた不安定プラークが死亡につながる重大な症状を起こしやすいので、それを食い止めるためにはスタチンが有効なんです。スタチンによってLDLを落とせば脂肪の付着と肥大化をさせなくできる。

だけど、もし、循環器の先生がスタチンによる石灰化が未来の問題になるというのであれば、スタチンを止めたほうがいいという判断になるでしょう。その際は言ってもらえれば処方を止めますので。

そもそもスタチンも、死亡率が上がるという見解もあることはあるので……。」

私は医師の話を聞いて「ぞっと」した。

「え?自分の治療方針を自分で決めないといけないのか?」

「ただ……医師に任せていたら……だめだってこと?」
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「自分で病理を学んで治療戦略を考えて、治療法をみつけて、医師に相談・助言を受けて最後は自分でどうするか決めろ」
「医師は本質的にはその手伝いしかできない」
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……そういうこと?

「どの医師を選んで、信じて、ついていくか……」
それが「患者に与えられた義務」なのだと。

えー。これじゃガイドライン……なんなの?
世間の怪しい医師の変チョコ治療も……「あり」になっちゃうよ。
だいじょうぶなのかな?

だけど、私の主治医は「正当な大学病院の医学部の優秀な指導医」なんだけどな。
論文で賞もとってるし。

その彼がそう言ってるので……ウソはあんまないと思うよ。

だいたい、この話をするにあたって私は医師に「何いってんですか?スタチン絶対ですよ」「メトホルミンもカナグルも一生抜けませんよ」と怒られると思っていた。

だめもとで言ったんだよな。

■予想外の投薬停止
でも、実は今回スタチンのせいかわからないのだが「メトホルミン」「カナグル」の投与も「停止」になった。

なぜかというと……この2つの薬を止めても「私の血糖値スパイクが悪くないレベル」に落ち着いていたからである。リブレのデータで明快に証明された。

本来なら薬飲まないと「血糖値スパイク爆あげー」のはずが「起きない」

「あれ?飲まないといけない薬がなくてもだいじょうぶなの?」

変な?うーん、ある面「いい話」になっている。だって「一生飲むはずの薬」「飲まなくてもいいかもね」って主治医に言われているからだ。

医師「とりあえず、今飲んでいる薬とめて、次の血液検査で考えましょうか?」

私は「きょとん」として診察室を後にした。

そして、今日もイワシの水煮を食べている(笑)
動物に学んだ方がいいね。
アシカもアザラシもイルカもシャチもイワシ大好きだからね。

こういうフレーズ思いついたわ。
「1日1缶のイワシの水煮は万病を遠ざける」

私がイワシを食べるのは正しかった。この話を読んでごらん。
EPADHAと糖尿病との関係は如何に? (2)
http://jsln.umin.jp/committee/omega49.html
(内海君:小市民)