内海新聞のブログ

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2063:スタチンと小林製薬紅麹の闇

 小林製薬の紅麹ショック……死者が4名も出て大パニックです。しかも小林製薬はこの製品「自分のとこより他社への原料メーカー」として機能していたようで……トヨタのリコールみたいに「共有部品が一度ポカすると、全部に波及する」被害となっています。

おりしも、この事件が明るみになる前に社員たちには「特別ボーナス」出して「儲かった」ってやっていたわけで「大どんでん」「会社ごとタイタニック沈没」という局面に陥りました。しかも、今日あたり「株主総会」やっていたんでしょ?

波乱です。

で、小林製薬は「隠しようがないポカ」となり「都合が悪い被害者状況も公開」「供給企業へは損害補償」を言ってなんとか火消しに入りたいけど……まだまだ大噴火しそうです。

そして、炎上がおさまっても……「経営陣総辞任」「下手すると会社ごと別メーカーに吸収合併」の末路が見えそうです。

かつて薬害エイズでポカした「ミドリ十字」が「吉富製薬」に吸い取られてさらに三菱ファーマに吸い取られて「消滅」した……あの繰り返しになるのかな。

■スタチンの生みの親は紅麹菌
 それで紅麹の毒性などを調べていた時「ロバスタチン」という成分が出てきて「あれ?これって私が飲んでいたスタチンの強力なバージョンの名前そのものだ」
そうなんです。実はスタチンって薬は「紅麹」から生まれたんです。

なので「親子」みたいなものです。スタチンがLDLコレステロールを下げる効果を紅麹ももっているわけ。

なので、薬にしないで「健康食品」という「裏ルート」で小林製薬やらDHCやらやっていたわけですね。

しかもこのスタチン、実は日本人の研究者が開発した。

東京農工大学の遠藤章教授の「国家的功績」だったのね。
★2021-10-01 遠藤章特別栄誉教授「世界最初の本格的抗コレステロール薬 スタチン(1)」(東京農工大学
https://www.tuat.ac.jp/research/tanbou/20211001_01.html
その成分は「モナコリンK」と名付けられた。そしてそれに似せた化学合成でスタチン製剤が作られて世界中で「LDLコレステロールを劇的に下げるベストセラー薬」として売られているわけです。

■ということは……
 でも、このスタチン。なんでLDLコレステロールを下げられるか?「薬理効果のプロセス」知っていますか?

一般人知らないよね。以前紹介したアメリカ在住の松本明子医師の動画に「わかりやすく」「スタチンが肝臓で何をするか?」「副作用がどう起きてくるか?」解説されています。
★スタチン機序、コレステロールの役割2

www.youtube.com

超簡単に言おうか?
悪玉のLDLコレステロールが血液中で濃度高いと「血管プラークの目詰まり」「動脈硬化」「狭心症の原因の血管狭窄」を起こす。

なので循環器内科としては「なんとかしてLDL濃度を下げたい」

そのLDLコレステロールだけど、どこで製造されているの?
「脂っこい食べ物」……うん。これも原因だね。

だけど、最大の製造場所は「肝臓」で作られているんだよ。

なんで?それは、LDLコレステロールが「細胞や筋肉など人体のあらゆる組織の再生や製造に必要」だから。

ところが「糖尿病とか、免疫が弱ったり、血管が劣化して悪くなっている人」にとっては「現場で細胞直せないのに」「材料のLDLコレステロールばかりあっても」「使えず腐る」わけ。

ましてや、口から食べ物で「LDLコレステロールが増える食品」「ポテチや飽和脂肪酸(牛や豚の肉と脂)」とか食べていたら……「ダメ押しで増えすぎる」わけだね。

そして「腐る」という言い方は正確には「酸化して劣化するわけ」

これって「賞味期限が切れた油や食品」「酸化して食えなくなる」……あれと同じ。車のエンジンオイルも長期間変えずにいたら「ギトギト」「ベタベタ」になるでしょ?あれも酸化したわけ。

なんで「ゴミ」なんだけど、この酸化したLDLを血液中の免疫細胞「マクロファージ」が「食べて消滅させよう」とするんだが「酸化していると消化できず」「たまって膨れ上がる」……これが「血管プラーク」なんだな。

逆にここが面白くて「酸化していないLDL」はマクロファージは「食べずによける」のだ。そしてその正常なLDLは細胞や筋肉、皮膚をつくった機能を果たしたあと「HDLコレステロール」によって「ゴミ回収」で正常ルートで戻る。

なので「酸化しないLDLなら」「血管はつまらない」わけよ。

ということで「血液中からLDLの完全消滅ができない以上は」「最初から出荷するLDLの数を思い切り減らしていたほうがいいだろ」という「治療戦略」が循環器内科医らの考えね。

それをやれるのが「スタチン」であり、成分のモナコリンKすなわち「紅麹」なのだ。

ところが、このスタチンはどうやってLDLコレステロールを「出さないようにするか」なんだけど、肝臓でのHMG-CoAという酵素を「出せないように」することで「LDLコレステロールの製造を妨害」するわけです。

こうすれば、血液中にLDLコレステロールが「出ていかなくなる」

さて一件落着……か?じゃないんだな。

こういうのって「物事一面だけしか見ない」「頭の悪い人の思考パターン」なんだ。

私なんか「複雑なITシステム」「工場や制御システム」考えるほうだったから……「悪いけど、大学の工学部でやっているレベルの単純な勉強だけでは」「現場の問題は解決できない」

原発とか、宇宙ステーションだろうが……とにかく「一つの要素を片づけても」「解決策は出てこない」のね。

人体がまさにそうなんで……人間のシステムは「原発や宇宙ステーションの複雑さを超えてるよ」

すごく……複雑で「ピタゴラスイッチが多重にからみあっている」レベル。

だから「ある要素だけやっても」「別で問題が起きる」んだな。

ということで医学者や製薬メーカーの連中が「単純に肝臓のHMG-CoA酵素を阻害すればいい」という発想が「間違い」だったのね。

実は、それやると「最初は勢いよくLDLコレステロールの製造ができないで済んでいる」のだけど、人体はそれを逆に「異常」とみなすようになる。

どういうこと?
「あれ?血液中のLDLコレステロール濃度が低いじゃないか?これは異常だ。おい、増産せい」
となるのよ。

せっかくの製薬会社の「意図」が「人体の」「自立機能」によって「再度妨害」される。

ということでスタチンで「ムリして」「LDLコレステロールの製造をブロックし続けると」「肝臓の別の機能によって」「またLDLコレステロールが増産される」すなわち「スタチンが効かなくなってくる」わけなのです。

しかもスタチンが「妨害」する「LDLコレステロール」は、実は筋肉や皮膚のような人体組織だけでなく「ホルモン」自体の原料なのです。

ということは「体に必要なホルモンの製造が阻害され」「ホルモン不足による別の病気」を「誘発」する。

■ホルモンはいじりづらい
 このホルモンを「いじる」というのは「大変危険な」作業で、今も発がんとか、がん治療でも「ホルモン製剤」とか使ってコントロールしようとするのだけど「けっこう失敗する」のね。

で「発がん促進」とか起きてしまう。恐ろしいので、医師らも「ホルモン剤での治療は」「あんましたくない」のね。

それでも、前立腺がんとか、乳がんとかホルモン剤での治療……してるよね。

とにかく「ホルモン」「免疫細胞」は「人間がいじると」「暴走」「意図しない破壊行為」を起こすんだ。

そのホルモンをスタチンは「いじっちゃう」わけ。やばいやばい。

■スタチン飲み続けると血管が石灰化してしまうわけ
 以前書いたけど「スタチンを何年、10年とか飲み続けていたら」「心疾患は止められるけど」「逆に動脈が硬く石灰化してそっちで問題を起こす」という「副作用」も受け入れないといけなかった。

これ?どうして起きるの?

それはスタチンによって「血管を柔らかくするための再生を促す」「エストロゲンホルモン」なども「作れない」ので「血管細胞がターンオーバーできなくなって」「硬いゴム」に化石化しちゃうんだよ。

これも、これで循環器内科的に「最悪」なパターン。「硬くなった動脈がパキーンて割れて」「大出血」……「大動脈解離」とか起こす。

さらに「エストロゲンホルモンの枯渇で血管内皮のターンオーバーができなくなる」わけなので「古い血管のまま」「生まれ変われず」「酸化して炎症」を起こす。そしてこれまた「炎症による血種」が生成され、これがある日はがれて動脈から心臓に詰まれば「心筋梗塞」、脳に行って詰まると「脳梗塞」という最悪の病態を引き起こすわけ。

なので、循環器外科・内科医、脳神経外科・内科医らからすると「血管硬くなるのは」「やめてくれー」なんだな。

それをスタチン何年も飲み続けていたら「いずれしてしまう」

■そもそも「効く」「薬理効果」出る時点で健康食品じゃないのでは?
 それにしても「だまされている」アホが多すぎだよね。そもそも「健康食品」「サプリ」で「効果」出たら……それ自体が「薬」扱いでアウト。

つまり「健康食品」「サプリ」は「薬みたいに効かないから」「認められている」のよ。

この「前提」を理解していない人……完全にCMとかでだまされてるよね。

歯磨き粉だってそうでしょ?あれで「虫歯菌完全殺菌」できちゃったら「薬だろ」「医師の処方いる」わけで。

「効かないから売るのが許されている」のよ。

だから、自分は「ドラッグストアの薬とか」「健康食品」「サプリ」「つかえねー」って最初から思ってるもん。

本当に薬理効果が出て使える薬、たとえば「ステロイド」なんか皮膚科で出す「ベリーストロング」の「超効くやつ」は通常の薬局ではまるで売ってないし、売れないよ。それ以外は「効かない」「歯が立たない」から。買っても使えないって。
ステロイド軟膏の強さランキングは?最も強いステロイドや選び方を解説
https://okusurinavi.shop/column/steroid3.php

■安易に紅麹サプリに頼った人たちは「自業自得」
だからね、今回、アホがさ「医学もわからない」「病理もわからない」レベルで「検診でLDL高いといわれた」「LDL下げたいので、食事や運動はしないで楽して」「紅麹サプリ飲んで逃げよう」という……「安易な発想」でこれ飲み続けていたら「最後は動脈石灰化」を起こす可能性も「ある」わけよ。

「自分の食生活が怠惰で」「デブった人が」「糖尿病薬を買って飲んで」「楽して痩せよう」……大バカ者って……こと。

糖尿病薬なんて「一刻も早く」「やめて逃げたい」薬だよ。腎臓がぶっこわれるから。というか「薬自体」「腎臓か肝臓を必ず壊していく」ものなんで。

こんなの薬剤師自体が私に「薬はリスクでしょせん毒ですから」っていうもん。
「病気を治すために」「毒をもって毒を制する」だけなんだ。

その辺のリスク……誰も言わないよね。薬学部や農学部やら医学部の教授らも……だめじゃん。多分知らないんだよ。彼らも……ださー。

そういうことは……小林製薬「医学実験」したのかな?してないよ。

だって、そんな長期間の観察実験したら「商売にならない」からね。

もともと「厚労省の薬の厳しい検査体制から逃げたくて」「健康食品にしてごまかして逃げてきた」わけなんで。

しかも「機能性表示食品」って「メーカー自主規制」なだけなので……厚労省も中をきちんと吟味しないし……何層にもわたる動物実験臨床試験の「問題ないと認められるまでのデータ」での検討もしないよね。

「やりました」で通しちゃう……レベルだろ??

こんなふざけた制度で「薬ではないけど」「限りなく薬」みたいな「健康食品」認めた厚労省もアウトだね。

商売のために、多くの国民を犠牲にした。実際に信じた国民死んじゃったしね。薬害エイズと同じレベルの「大ポカ」だよ。

それに「腎臓透析した」人は「かなり腎臓細胞壊された」可能性高くて……腎臓細胞って一度壊れたら「再生しない」んで。

その人たち「一生腎臓弱って」生きるわけよ。

たかが、数千円のサプリ買って「一生腎臓をダメにした」……アホみたいなことになった。

■循環器内科医が語る「スタチン動脈硬化副作用を逃げる方法」
 それで、たまたま循環器内科医の大御所と話したときに、この話題になった。そこで彼は面白いことを言っていた。

医師「実は、スタチンは確かに肝臓のHMG-CoA酵素を阻害するんで、コエンザイムQ10を出せなくしてしまう弊害があるので、血管が硬くなるリスクがあります。対策として実はコエンザイムQ10を一緒に投与して補充していれば副作用を出さないで済むんだよな。」

私「え?そうなんですか?だったらコエンザイムQ10処方すればいいじゃないですか?」

医師「それが、厚労省がやらないんだよ」

私「じゃあ、現場の循環器内科や糖尿病内科の医師らもスタチンばんばん飲ませているだけで、いずれ血管硬くして破綻するだけじゃないですか?」

医師「あれ、DHCとかがサプリで出してるんだよね。とにかく日本の医療は【予防】に力をいれず【発病と重症化】して初めて保険診療が機能するようになっているんで、現場の医師もしょうがなく従うしかないんだよね。」

私「じゃあ、自分で自費でコエンザイムQ10買って飲めばいいのですか?」

医師「ま、そうだな。他にもEPA製剤も同じことになっていて。」

私「あ、イワシのエキスですよね。あれ保険でみんなに飲ませたら血管プラーク減って動脈硬化狭心症患者を減らせるじゃないですか?」

医師「あれも、出して実際飲ませたら効果はすごいんだけど、全員飲ませたら供給が破綻するんで、わざと【重症の患者】しか飲めないようにしちゃったんだ。費用だって1か月1万円ぐらいだけどね。」

私「そんなことして、みんな重症化するまで放置するわけですか?」

岸田さん、EPA製剤……軽症の患者でもLDL悪い人には即、健康保険で飲めるように解除してください。

同様に「フリースタイルリブレ」も糖尿病が重症の人しか健康保険で装着できないけどこれも「誰でも」「健康保険で安く」装着できるようにしてください。

リブレをつけたら「かなりの血糖値スパイク異常者」を「治せる」ようになるので。糖尿病や心血管患者を初期で治療していける。

みんなそれすら「阻害」されて……「冠動脈つまるまで」「わからない」で暮らしているわけです。

そしてある日「ぶっ倒れて」「みんな泣き叫んで」「カテーテル」「緊急バイパス手術」されるのが……いいんですか??

岸田さん……お願いだから……こういう医療の「ゆがみ」正してください。

そうしないと、小林製薬のポカで死んだ人たちがうかばれないです。

■健康食品やサプリはやるな
なので、読者には何度もいうけど
「健康食品やサプリはやるな」
「ちゃんと日々の食事で栄養補給や治療努力すべき」
です。
(内海君:小市民)