内海新聞のブログ

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2306:脳神経外科医チームからの大事な情報「くも膜下出血やカテーテル治療で知っておくべきこと」

 国立大学医学部の精鋭、脳神経外科チームのレクチャー内容です。今日は皆さんがいずれすることになる「脳梗塞脳出血でのカテーテル治療」がどういうことをしているか?教えます。

国立大学医学部脳神経学教室の教授陣が総出で3時間かけてレクチャーしてくれました。貴重な内容です。

カテーテル検査、PCIとカテーテルを使った治療は循環器では当たり前ですが、いやいや……脳神経外科カテーテル治療もハイレベルで「どぎも抜かれました」

心臓と脳は「死に直結」の臓器なんで……そこを受け持つ循環器、脳神経……やっぱ医学部でもレベル高い人たちがやっています。

そして、日本のレベルは「世界でトップクラスで高い」ものであり、それを「健康保険の激安」「生活保護」でも受けられるということを知っておくことです。

アメリカだと……恐ろしい値段なので……。日本国民に生まれてよかったと思います。

■一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)
これ、起こしたら「脳神経外科の暗黒の扉」が開いたと思ってよい。

 たまにとか、偶発的に起こるのだが、これが「脳卒中の前触れ」とみなされ手術に向かうことになる。家族はよく読んでおいてほしい。
★一過性脳虚血発作(TIA)について(東京逓信病院
https://www.hospital.japanpost.jp/tokyo/shinryo/nouge/tia.html

ラクナ梗塞はMRIでは見えない
 前回の脳梗塞の分類である「ラクナ梗塞=毛細血管の詰り」の場合は、MRIで撮っても解像度的に見えない。

そして、細すぎるのでカテーテル治療はできない。

■頭蓋内脳血管狭窄(ずがいないのうけっかんきょうさく)
 脳の血管も心臓の狭心症と同じく「プラーク」「動脈硬化」などで「細く」なる。そうすると血流がなくなり「酸欠で」「脳細胞が死ぬ」わけで、これを治すためにカテーテル治療する。

★頭蓋内脳血管狭窄に対する血管拡張術(聖マリアンナ医科大学脳血管内治療科)
https://www.toyoko-stroke.com/treatment/intracranial.html

■世間でおなじみの「頸動脈エコー」の話
 世間の動画とかで「頸動脈エコーとりましょう」って循環器クリニックの医師が言ったり、週刊誌であおるようになったのだけど、ここだけ超音波やMRIしたからといって「脳梗塞」「心筋梗塞」が止められるわけではないので……安心してはダメ。

とくに頸動脈エコーで「プラークがないですよ」と言われても「そこにはなかっただけ」「全身のほかにはある可能性が大」なので。

■本当は全身MRIしたほうがいい
本当は……全身MRIでスキャンしたほうが(DWISB)のほうがいいのだが……え?

マジで2万円ぐらい出せる人は……特に静岡県民は国立病院で「激安」でこの全身MRI受けられるので……とっとこハム太郎で「毎年かけるといい」

MRIは毎年かけても放射線被ばくしない。PET-CT毎年かけるやつは「高い値段出して被曝しまくって未来の発がんするだけでアホ」なんで。

富裕層やセレブ向けクリニック……毎回、ホームページ見ていて「なんだよ、医学知識がない金持ちを見事にだまくらかして金とってるな」って思う。

悪いけど……ちゃんとした公立病院のフツーの検査で、健康保険で……たいていの病気はきちんと見つけられる。

だから医学知識がある、ないで、人生、運命、お金の面……大きな差がある。

ちなみに、私のコンサルティングを受けている人、武田料理学校の生徒さん……は私が面倒見ているので「いい病院」「いい医者」をみつけて無事、病気を回避、最適な治療方針を見つけて防御している。

なので武田料理学校を高い、安いとかいうレベルの人は……頭悪いね。
頭いい人は「素直に、武田様」ってきて、とっとと世間と違うベストを得ている。

さてMRIは「肺」はうまく映らないので、肺がんチェックは別途「胸部CT」がいるけどな。

それでも、たいていの病気はこの全身MRIで見つけられる。脳と全身やってくれる。きわめて有能なのに……国は普及させないでいる。精度の悪いレントゲンで「安かろう悪かろう」で検診もいまだにやっている。
★全身がんMRI検診・頭部MRI検診のご案内(国立天竜病院)
https://tenryu.hosp.go.jp/outpatient/examination01.html
25000円……やすっ。
私も交通費さえかからなければ、ここに毎年通いたいぐらいだ。静岡の旅行ついででもいいけどな。そういうのもありかも……。
頭も入れるとプラス15000円だけど。それでも……安い。

ちなみに、今治でも「放射線第一病院」で全身DWISBやってるけど
https://www.juntenkai.jp/checkup/option
55000円だよ。でも……静岡までの旅費考えると安いのかなあ……
※この病院だと頭部はさらに16000円プラスになるかも……トータル71000円。

松山だと「松山まどんな病院(旧NTT病院)」でやっている。
https://matsuyama-madonna.com/kensakoumoku.html
全身で50000円、頭が20000円だからトータル7万円。

松山の方が1000円安い(泣)
こうして公立病院じゃないから高いわけ。国立天竜病院……「神」だわ。

え?四国の人間でこれぐらい出しても惜しくない人は毎年やるといいと思うよ。
頭部と全身、女性なら乳がんも「数十分間、寝ているだけで終わり」なんで。

ホント楽なのに……メリットは多大。いい検査だ。

■頸動脈のつまり(プラーク)はすごいね
 実際に、会場で「頸動脈のプラークの除去手術」の動画見せてくれた。

きもい。うーん、たとえると「牛肉の白脂身と赤身をナイフではがす」感じ。

頸動脈は直径が5~9ミリあるんで、手術でそこを「切り開く」すると「白い脂のプラーク」がホント……「びっしり詰まっている」それを「こそいではぎとる」と「ズル」って「脂肪のミミズ」みたいなプラークが「ごそっととれる」

こんなのが……首の動脈に詰まっていたのか……これ、あなたが長年食べてきた「唐揚げの油」「フライの油」「天ぷらの油」「ハンバーガー」「ポテチ」「霜降り和牛の肉」の結果。

で、他の血管でも同じことが起きているわけだけどね。

すげーな。

プラークこそぐと流れて別で詰まるのでは?
 そう。なので外科医らは「詰まる先のところに」「フィルター」をカテーテルでつっこんでから「はがしにかかる」

プラークは硬いより、柔らかい方が困る
 それでプラークは「固いカルシウム化=サンゴ化」したプラークより、まだ脂べとべとの「やわらかいプラーク」のほうが問題なのだと。

■どういう問題が起きるの?
 頸動脈瘤(けいどうみゃくりゅう)という状態を治すわけだが、「瘤(りゅう)」って何?

これは、血管が「へたって」「皮が薄くなって」「血圧にたえられなくなり」「ビローンと伸びて」「袋になってしまった」状態なのね。

そこに血がたまる。だけど、風船みたいに「膨らみだす」……ということは、ハムでもわかるだろ?

ハムさん「風船はいずれパーンと破裂します。」

「そうだな。破裂したらどうなる?」

「血管が動脈なんで、血が勢いよく噴き出して……」

「それが、脳内で起きたらどうなるよ?」

「脳は狭い頭蓋骨の容器にギリギリのスペースで入っているので、大量の血が出たら、パンパンになって……」

「頭蓋骨の中が血でいっぱいになったらどうなるよ?」

「強烈な頭痛で死にます。」

そうだ。だから出血する前に「袋をなんとかしないといけない」

ハムさん「どうやってなんとかするんですか?」

そこが、医学部エリートの脳神経外科医らの「超テク」なんだな。

■恐ろしい精密作業をする
まず、こういう動脈瘤自体は「1センチ以内」とかの小さい袋なんだが。

とりあえず、カテーテルを血管に入れて、循環器でもやる「金属メッシュのステント」を袋の部分で広げる。

次に、網目からカテーテルの細い針金(プラチナ製)を袋の中に「スチールウールのたわし」みたいに幾重にも「綿のように詰め込んでいく」

これらの作業は「ミリ単位」の精度になるので、医師らは「外視鏡」「4K画像の拡大スクリーン」でモニターを見ながら行う。

血だまりの袋の中を、髪の毛より細いプラチナの針金で埋め尽くすと、血液は袋には流れにくくなり、血だまりは「血栓」となって……

「先生、血栓はいけないのでは?血栓はケガした時の血のかさぶたと同じですよね?脳の中でどうなるの?」

「いい質問だ。ハム君。実は血栓というのは血液によって【分解】されて、脳の場合は脳髄液と一緒に人体のほうに回収されて消えるんだよ」

「先生、血栓って……分解されてクリアできるんですね?」

「そうなんだよ。だから、脳神経外科の場合は【血栓できたほうがいい】という話になる。」

「循環器の場合は、血栓心筋梗塞の原因だから困るのに、脳神経の場合は逆に必要なんですね。おもしろい。」

そう、人体の中で起こることは「全部悪くなく」「いい役目」「悪い役目」が両方でバランスとってるわけ。

■でも袋のコイルはそのままだいじょうぶなの?
 実は、最初に「金属メッシュ」のステントを入れているのは「意味」がある。

「先生、もし、ステントを入れないで、コイルだけを袋に詰め込んだらダメなんですか?」

「いい質問だね。それだと「つめたコイルが」「袋の穴」から「はみ出してくる」んだよ。

「先生、つまり、つめた袋のコイルが血管内に脱落しないように、金属メッシュのステントをトンネルの壁代わりに詰めて防御するわけですね。」

「君も進化したハムになったね。そのとおり。」

「ものすごいミリ単位の精密作業を脳神経外科ではするんですね。」

「そうだよ。頭の中はミリの袋でも……生命を奪う脅威になるのだ。」

■柔らかいプラークはなぜダメなの?
「先生、柔らかいプラークの脂肪は何がダメなんですか?」

「こうやって、ステントを入れたときにステントってメッシュの網だろ?その網目から柔らかいプラークが【はみ出る】んだよ。」

「わかります。ネットの袋にグリスを入れて握ったら、ジュワって脂がでてきますね。」

「そういうことだ。でも、これは危険なことになる。」

くも膜下出血はどういうこと?
「先生、中高年の主婦にも多い、くも膜下出血はどういうことですか?」

「こういう脳の血管に動脈瘤の袋ができているんだ。血管というのは筋肉でコラーゲンのゴムチューブなのだが、加齢でコラーゲンが失われるよね。」

「先生、だれもが36歳から老化が始まってコラーゲンはどんどん減ります。40代後半では半分以上失われているそうです。」

「そう、コラーゲンってお肌とか美容の話だけだと思っているだろ?とんでもない。全身のあらゆる骨、筋肉、皮膚、臓器……コラーゲンがいるんだよ。」

「先生、がんは、たいていの臓器や器官の上皮細胞で起きますね?上皮もコラーゲンですよね?」

「おー、ハムのくせに高度なことを知っているね。そのとおり。血管も筋肉であり、内皮があって皮膚なんだよ。そこがコラーゲンないわけだから……」

「先生、コラーゲンが老化で失われると自動的に血管も弱くなる」

「おー、そのとおりだ。ハム君えらいね。頭良くなったね。その辺の人間のアホに教えてあげるといいぞ。」

「先生、コラーゲンもない弱い血管は皮が薄くなるから、そこに、アホは塩分とりすぎだから血圧が高いので、ものすごい水圧で血管の皮膚が伸び切って袋……瘤(りゅう)ができるのですね。」

「すばらしい。そういうことだよ。だから血圧は下げないとダメなの。そして、弱った血管の皮膚を改善しないといけない。」

「血管の内皮を傷つけないことですね。傷つけると、LDLコレステロールが修復しようとして詰まって、それが酸化すると炎症を起こして、プラーク血栓がひどくなる。」

「おー、君は医学部に入れるぞ。実験動物じゃなくて教授になれるかもしれない。」

「ということは、先生、プラークや炎症のもとになるのは、砂糖の糖質だし、高血糖がいけない。脂や油が多い、揚げ物やフライ、天ぷらとか、ポテチとか食べたらアウトなんですね。」

「わかった?そういうことだよ。それ……その辺の知能が低い人間たちに教えてやれよ。」

「先生、こわいですぅ。どこも外食できないよ。」

「ペットフードは、塩分、脂あんまないからいいんじゃないの?」

「いえ、最近は人間みたいに成分悪いかも……」

「やっぱ、ハムさんも自炊の時代だね。」

「野山の木の実や野草がいいですぅ」

「それで、女性の場合はさらにダメ押しで閉経によってエストロゲンホルモンがなくなるんだよ。」

エストロゲンホルモンは大事ですか?」

「超大事。だってエストロゲンホルモンは、筋肉や皮膚、臓器の修復を指示するホルモンなんで。」

「先生、閉経する40代後半の女性はエストロゲンホルモンが出なくなるから、血管が急速に弱ってきてしまう。だから動脈瘤が頭に起きて、くも膜下出血起こしやすいわけですね?」

「おー、ハム君、そこまで読めるようになったかね?そのとおり。優秀だ。うちの医局に入れてあげよう。」

くも膜下出血はどういう症状ですか?」

「突然の頭痛、バットで頭殴られたような感じだね。」

「救急車ですね。」

「で、治療なんだがクリッピングといって、血管と破裂した動脈瘤の袋を針金で縛って止血するね。」

「出血した血は、自然に体内に脳髄液と一緒にもどって引いていくんですね。」

「そういうこと。だけど、もしここで血液がサラサラの薬を飲んでいる人だと……」

「血が凝固しないから、血栓ができないのでいいのでは?」

「あさいな。出血自体が止まらないだろ?医学の場合はひとつの部分だけで考えてはいけないよ。全体を見渡して考えないといけないのだ。」

「先生、ハムさん、まだまだ医学生にはなれません。」

「ま、それも思考の訓練だな。期待してるぞ。」

■フローダイバーターステント
「それで、最新の技術だが、金属ステントは粗い目なんだがこれをわざと細かくしたメッシュにしたものを、動脈瘤の袋の穴になっている部分に置く技法がある。」

「細かいメッシュだといいのですか?」

「何が起きるか?袋の中の血も、ステントの中を通る血液もメッシュを異物とみなして固まりだす。」

「先生、それ、血栓じゃないですか?」

「そうだ。わざわざ血栓化してもらう。でも、血栓ができると血管は生きているから血管内皮の修復作業を始め、自動的にステントを内皮で覆って隠そうとする。」

「人間の体って、異物を排除するために、自分たちの細胞で取り囲んで覆ってしまう。ホメオスタシスの最たる現象ですね。」

「そう、その機能を逆に使うわけ。こうすることによって金属ステントの表面が皮膚になってくれて安定する。これをフローダイバーターステントという。ただ、破裂した動脈瘤では使えない。破裂する前に有効だ。」

「先生、破裂した場合は?」

「WEB(ウェブ)」という技法がある。
★Woven EndoBridgeデバイス(WEB)(福岡脳神経外科病院)
https://www.fukuokanh.jp/treatment/vessel/web/
「ネットのWEBですか?」
「同じ読みだな。」

「みかんとか入れてあるネットみたいですね?あれで丸いボールつくったりして遊んでいたなあ。」

「そうだな。このリンゴみたいなネットを袋に入れて血液が流れ込まないようにしてしまう。」

「さっきのコイルにプラスはみ出ないようにステント入れた場合は、血液がサラサラになる薬を一生飲まないといけないのが、これだと必要なくなるんですね?」

「そう、だから患者にとって負担が減るし……一生薬、一つでも減らしたいよね?」

「先生、薬毎日、一生飲み続けるの……いやですぅ」

「こうやって、脳神経外科ではハイレベルの技術を開発して投入していっている。」

■ステントで済ませられるの?
「先生、カテーテルで全部いけるんですか?」

「いや、状態によるね。ステントが使えない場合は開頭手術になる。あと、こうした最新技術が常にいいわけではないんだよ。大事なのは、患者の状態に適切な技法を用いることだね。それがジャッジできる医師が本当に優秀なんだよ。なんでも最新を使えばいいわけではない。医師として大事なポイントだから心得ておいてくれ。」

「はいー。ハムさん、医師ではないですけど覚えておきます。というか、脳神経外科の手術とかしないように、最初から食生活と運動、禁煙、禁酒……したほうが絶対いいですぅ。血管が袋にならないようにコラーゲンと運動……がんばりますぅ」

「わかった?それが答えさ」
(内海君:小市民)