内海新聞のブログ

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1938:あなたの腎臓が壊れるメカニズム

「肝腎要(かんじんかなめ)」という言葉があるけど、中国の医学でも肝臓と腎臓は生命維持にとても大事な臓器だということでこういう言葉が生まれたわけです。

ところが、みなさんも含めて肝臓や腎臓ってあんまり意識していないと思います。どっちかというと心臓や胃腸の方ばかりに目が行ってます。

私も腎臓って言われても「腎臓の人工透析」「腎移植」「尿を出すところ」「SARSエボラウイルスが感染するミドリザルの腎臓ベロ細胞」あと「腎臓がん」があるか?……なんかそれぐらいしかキーワードが思いつかない。

あとは「水分補給が大事なので、水をたくさん飲みなさい」……そういう人も……多そうですよね。答え言っておくと……それ「間違い」なんで。
え?そうなの?はい。

糖尿病になって「最後は人工透析になるよ、気を付けて」と言われて、初めて……腎臓の重さが感じられたけど、それでも「何をしているのか?」「何がそんなにヤバいのか?」わからないんですよね。

■とにかく腎臓の人工透析になるな!絶対ヤバい意味
 私がこの記事を書きたかったのは「腎臓がいかに大事か」「絶対死守してほしい」という願いがあるからです。

冷めた話をします。日本で年間、腎臓をダメにして人工透析になる人は1万6000人ぐらいいるそうです。その半分が糖尿病の人です。だから糖尿病になると8000人ぐらいは透析行きに毎年なる。

つくづく「無知な人の砂糖・糖質スパイク漬け食生活の末路が人工透析……」が見えているわけです。

こうして糖尿病でなくても腎臓ぶっ壊れて……透析になる人も8000人いるわけです。
そして、人工透析は「週に3回、施設に通って」「5時間寝たまま」で透析を一生受けていないと死んでしまう……災害時病院動かなかったら……その人……死ぬ。

でも、病院関係者と話した時
私「年間1万6000人、透析患者が増えるなら日本の透析の病床パンクするのでは?」
病院「いや、それが同じだけ死んじゃうんで……プラマイゼロで済んでるんで。」

……いくら透析でがんばっても……もたないで死んでしまう。
最悪。

ということで、腎臓がどれだけ大事か?みなさんも医学的なメカニズムを知るといいのですが、実は……この腎臓って医学部の各臓器の担当の中で一番難しい内容らしいんです。

そのため医学部で腎臓を専攻する学生は「医学部でも一番頭がいい人」がやるそうなんです。なので「腎臓の専門医の先生は勉強ができる人が多いですよ」らしい。

……それぐらい、難しい部分らしい。

私の場合、ITエンジニアとしてコンピューターシステムの設計、プログラミング、アルゴリズムなどをバリバリやるので、論理的なフローやモデルを構築するのは大好きです。なのでSARSの事件を調べるとき「分子生物学」「免疫学」を医学部のテキスト読んで勉強したらめちゃ面白くて……え?あれが?面白い?

そうなんですよ。DNAの構造とか、アミノ酸(アミノブロック)がどうワードになっていてプログラム構造になっているか?コンピューターの言語プログラミングと構造が似ているんですよ。

いや、人体のほうが「多元、多重」に「立体的にプログラミングされている」……電子の2次元のコンピューターよりはるかに高度でち密で洗練されている……と思いましたけどね。

だけど、一般人が「免疫学」なんかやろうものなら「頭がちんぷんかんぷん」「わけがわからなくなって」「脳死」すると思います。それぐらい複雑ですけど。

それで腎臓のシステムについても一番初歩的な看護師育成用の解剖生理学の動画見たけど……「やっぱり、いうだけあるわ。複雑だわ」ということで。

一応、腎臓の解剖図の見やすいきれいなのあるけど……

腎臓の構造と機能|捨てる(2) | 看護roo![カンゴルー]

かなり難解になるので……みなさんの利害関係にあう部分で眠らないようにポイントを絞って話そうと思います。そのほうがいいと思う。

じゃあ、いくよ。

■腎臓の機能とは??
 超簡単に言っておくと「血液をろ過している」「人体でいらなくなった汚染物質を尿にして外に出す」部分です。アクアリウムで言うと「水槽の水のフィルター」ですね。ただ、あれはグラスウールみたいな繊維でこしてそのままだけど、腎臓の場合は「汚染物質を尿(アンモニア)に分離して外に出してくれる」高性能で便利なフィルターです。

その「ろ過」はどうやっているかというと「糸球体(しきゅうたい)」という細胞でやっている。糸球体には毛細血管が無数に接続され「血液が動脈側から出てきて」「ここでろ過して」「再度毛細血管の静脈から心臓に戻っていく」
ということです。

■ということは
 それで、これまでの私の一連の記事を読んできた読者なら「ピピっ」って理解したのではないですか?

そう「ここでも、血糖やLDLコレステロールが悪さするんじゃないか?」「AGEs関係しているのでは?」

はい。その通りです。血糖が高い、血糖スパイクが長年続いて、さらにAGEsによって「血管が壊れたら」……どうなるでしょうか?

腎臓の糸球体に接続されている膨大な毛細血管が死んで機能不全を起こしたら……そう「糸球体」が「動かなくなる」……すなわち「腎臓のろ過ができなくなる」……ということです。

それを「腎不全」といいます。あとそういう毛細血管がコレステロールやらAGEsで「炎症」起こしたら「腎炎」になります。

■一度壊れた腎臓は元に戻らない
 緑内障の視神経と一緒で腎臓のこのフィルター部分は毛細血管の破綻で壊れると「元には戻らない」……すなわちその糸球体は「壊れたまま」になります。ろ過できないので「汚染物質」も垂れ流しになります。

ということは、残ったフィルター群で相変わらず血液をろ過しないといけないです。当然そちらも負荷が増えて……劣化する。

■負のスパイラルで腎臓自体が壊れる
 でも、「血液成分の悪さ」をあなたが正さない限り「負荷能力が下がった腎臓」に前と変わらない血液を流し続けていたら……どうなりますか?

「糸球体の処理能力はパンクし」「またその糸球体も壊れていく」「どんどん腎臓の血液浄化能力が下がり」「血液には毒素が残って循環する」「壊れた糸球体は血液の成分を尿にもダダもれで垂れ流すように」なる。

ということですね。それって……最悪ですね。「血尿」

■腎臓がこして捨てたいものは?
 それで、腎臓がろ過して捨てたい有害物質は何か?それは「血糖」と「アミノ酸」なんです。え?アミノ酸って……人体の細胞にとても大事な、コラーゲンの材料……大量にとらないと……って言っていたじゃん?

そうなのですけど、前も書いたと思うけど「アミノ酸は貯金できない」「流れ落ちる」ものだと。

血液の中のアミノ酸で「余剰」「使わないモノ」は……この糸球体で選別されて尿として捨てるようになっているのです。

グルコース(血糖)、アミノ酸電解質(塩分などイオン)を捨てているんです。

つまり「血糖」も捨ててるんですよ。いらない分は……

それで「糖尿」が出るわけです。ただ、そこにはアミノ酸もゴミとして出ているわけです。

ただ、アミノ酸は直接捨ててなくて「窒素」に分解して……あ、眠るなよ?
窒素は「尿素」→「アンモニア」に最終的になります。それが「あの臭いおしっこ」です。ピータン臭だな(笑)

通常の尿ってウンチと違って実は「細菌感染もウイルスもなく、清浄な水と窒素」だけなんです。おしっこで外に出ると自然界の菌(空気中・地面などにいる)が生物分解して「アンモニア」なって「臭くなる」

ちなみにおしっこ出した時点で「におう」場合は……腎臓から膀胱(ぼうこう)、尿管などの経路に「ばい菌感染」があるから……そこで分解が起きたりして腐敗して「におう」わけ。なので、におう人は「感染症とか」あるかも。お近くの泌尿器科とっとこハム太郎で行ってくれ(笑)

さて、糸球体が壊れて機能不全になると窒素に分解できず「そのままアミノ酸が出てくる」ことになるね。

アミノ酸は「タンパク質」ですよね?
だから「たんぱく尿」が出る。そういうこと。

なので尿からタンパク質が検出されたら……腎臓の機能不全「腎不全」であり、その量が多ければ多いほど……腎臓のろ過能力が機能していない……すなわち「もうあなたの腎臓は使えない」「死なないために人工ろ過システムで血液をろ過しましょう」……すなわち「人工透析」になるわけです。

■ということは筋トレ兄さんの「肉やプロテイン大量摂取」はどうなるの?
 世間の筋トレ兄さん、アスリートの人は「計量栄養医学」はまるでやってないです。「大量のアミノ酸をとにかくとればいい」「肉と大豆プロテイン大量にとればいい」……そういう発想ですよね。

だけど「自分たちの筋肉が1回で製造されるために必要なアミノ酸量」を分子量まで細かく計算して、見合った量を肉やサプリなどで取っている人を私見たことないです。
彼らの動画を見てもそうだよね?

いますか?そういう頭のいい人?

単純に「アミノサプリプロテインがぶ飲み」「肉などバリバリ食べる」だけの人がほとんどです。あとは筋トレすればいい……

それでなんとかなってる……筋肉ついた……で喜んでいる。「アホ」ですね。

何が自分の体内で起きているか?イメージできていない。ましてや肝臓や腎臓がどれぐらいの負荷やダメージを受けるか……想像もできない。

人体が1日で筋肉を生成できる量は決まっているし、限界がある。そのキャパを超えて「過剰な材料やエネルギーを送り込んでも」「使い残した分はゴミで捨てないといけない」……結果として腎臓のフィルター機能が酷使されて……壊れてしまう。

ここから導かれるのは
「食事のタンパク質、糖質の摂取量は、少なすぎてもダメなんだけど、多すぎても今度は腎臓を壊すのでダメ」だということなのです。

なので、腎臓を酷使して壊れちゃった人は「タンパク質制限食」をするはめになります。これこそ、最悪の道です。アミノ酸の栄養をとりたくても満足にとれなくなるからね。

糖尿病は「砂糖・糖質」のコントロールが治療のメインだけど、腎臓病は「タンパク質」のコントロールがさらにダブルで追加される……ことになるわけです。

■どうすればいいの?
 まあ、理屈がわかってくると対策は見えてきます。
1.糸球体を破壊しないように、とにかく毛細血管を守る。血液成分の血糖を適正にする。
 毛細血管がやわらかく弾力性もある正常な状態にできれば……コラーゲンが充分補充できて血管のターンオーバーがうまくいっていれば……腎臓のフィルター機能は壊れないわけです。

2.人体の利用で必要量を上回るような過剰な「タンパク質食」をしない。
 食事を「3回に分割」は「ちょこちょこアミノ酸を血液に取り込む」ほうが「一度に大量のアミノ酸を血液に流し込んで余らせるより……」「腎臓にやさしい」ということです。
 ここでも「1日1食、2食」が愚かだということが……わかります。

そして、
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タンパク質メイン、タンパク質に頼る食事メニューは「危険」なんです。
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ね?人体のシステムって「どこかを強調してやったからよくなる」は……ないです。
「全体のバランスを考えて」「必要なもの、量を適切に補充、投入」しないと「かえってバランスを崩してダメになる」んです。

■タンパク質多く、糖質制限、糖質ゼロ……ダイエットや食事法が間違いの意味
 逆に「糖質はとにかく減らそう」だけに目が行きすぎた「糖質制限ダイエット」や、いっそのこと糖質ゼロがいいんだ……という「ド勘違い」の「糖質ゼロダイエット」が完璧まずいことも分かってくると思います。

「肉をいっぱい食べればいいんだ」「大豆たんぱく質を大量に食べればいいんだ」「糖質はなくていい」……はい。死にますよ。

何度も言ってきたけど「糖質は血液中のアミノ酸を筋肉や皮膚に製造するためのアミノブロック組み立て工場の機械の燃料」なので「糖が逆になかったり足りないと正常な細胞が作れない」わけです。あと、ビタミンもいるよ。

アミノブロックばかりあっても燃料やビタミン不足で細胞が作れないということは……血液中を漂うアミノブロックは「余剰」となって……「賞味時間過ぎたので捨てます」ということで腎臓の仕事が増えるだけです。

腎臓の浄化工場が酷使され……劣化するだけです。

■水を大量に飲め……は間違い
「成人で1日2リットルは水がいる」「とにかく水は大量に飲みなさい」「飲めば飲むほど尿で毒物を排出してデトックス」……1日2リットルはともかく、他は全部間違いです。

え?そんな?

腎臓の大事な機能にろ過と「全身の水分調節」があります。その水分って「血液」のことです。

■血圧は腎臓がつくっている
 腎臓にはセンサーがあって「体内の血液量」が「汗とかで水分が蒸発」で減ると「血液量を増やそう」と「出入りの量」をバルブで調整します。

これが「血圧が上がる」という意味です。
え?血圧って……心臓が作るんじゃないの?違うんです。腎臓なんです。

心臓は「ポンプではあるけど」「心臓の上から流し込んでくる血液の量と水圧」をコントロールしているのは腎臓なんです。血圧を決めているのは腎臓なの。

そして、腎臓のフィルター機能で「外部に出す」汚染物質の量は「天井」があるということで、血液中の汚染物質の量が少なくなったら「血液中に増えた水は」「尿にして出して総量を調整」するだけです。

ということは、やみくもにアホみたいに「水を大量に飲む」ことは「腎臓の酷使」でしかないわけです。

いっぽうで糖尿病の人が「頻尿」になるのは、血糖を腎臓が外に追い出して糖濃度を下げたいので脳に「水を入れてくれ」と頼んで、脳が「水を飲みたい」=のどが渇くというアクションになり、糖尿として外に出すという……人体の自己調節機能が適切に働いた結果だということです。だから糖尿病の人は「のどが乾きやすい」という症状になる。なのでその際は「また甘い飲み物飲まないで」「水だけ」飲んだ方が……いいよね。
※ただ、低血糖で頭がもうろうとしだしたら仕方なく「砂糖水」飲む必要があるけど。

なので、必要ない血液量のために血圧も上がるし、下げようとして腎臓がまた動くので……酷使が繰り返されて……こっちでも劣化が起きる。

バルブを必要もないのに「チャカチャカ動かし続けたら」「バルブも壊れるわな」……そういうことです。

なので、水の摂取は「1日の必要程度」「ちょこちょこ少しずつ」「補充」で充分……あー、自動車のバッテリー液の考え方と……同じだよ。

でも、無知な人は「大量の水分補給が必要」って「今の自分の体内の不足分以上」に「水を注ぎこんで」いるわけです。

もちろん、腎臓はがんばって「おしっこ」ということで「頻尿」になるわね。飲めば出すからね……それ……でも、いいことじゃないんだよ。

酷使しているから。

これで世間の「水を大量に飲め」が「インチキもはなはだしい」「いい加減な医療知識」だということが、論理的にわかりましたよね?

「水は必要な分だけ、少しずつ足して補充」していれば十分です。

医師の中では「水飲まないで1日過ごしてもだいじょうぶですよ」という人がいるのは……結果として正しいんだよね。汗すごかったら飲む必要あるけど。そうでもないなら、水を大量に飲む必要はないです。

むしろ知るべきは「1日自分の身体から何リットル、尿以外で水が出ていって失われているか」「いくら補充していればいいの?」ぐらいです。

AIに聞いてみようか?
■52歳男性、身長165㎝体重60キロで1日で外部に出ていく水の量は何リットルか?
AI:1日に必要な水の摂取量は個人の活動レベルや気温、湿度などに影響されますが、一般的なガイドラインでは約2リットル(2000ミリリットル)から2.5リットル(2500ミリリットル)が推奨されています。ただし、これは一般的な目安であり、個々の健康状態や環境に応じて調整する必要があります。

年齢や性別、身長、体重などは摂取量に影響する要素ではありますが、主な要因は活動レベルや気象条件などです。たとえば、暑い日や運動を多くする日は、水分摂取量を増やす必要があります。

……ということで、せいぜいトータル2リットルを何度かに分けて飲んでいればいいわけです。200mlのコップで10回。料理とかにも水分が多い。ご飯も白米150グラムで水は150グラムぐらい吸い取って膨らんでいるので1日3回ご飯食べたら水分は450mlは食事でも食べている。

残り1550mlだとしてコップで8杯。それを1日で水として飲めばいいぐらいです。コーヒーやお茶で3杯飲んだとして、残り水でとるのはコップ5杯ぐらい……

3食ご飯とかちゃんと食べるなら「500mlのペットボトル3本の水」を1日で飲めばいい……ぐらいです。

それより少ないと腎臓は体内の組織から水分を抜き取り血液量を増やします。なので水が減る分体重も減る。

変なダイエットすると一時的に体重がすごく減って喜ぶけど……それは単純に体内の細胞の水分を血液に戻して腎臓が血液量を維持したから……なんだよ。

無知だね。何もやせていない。
(内海君:小市民)