内海新聞のブログ

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2271:AIの成長が早すぎる

 数年前IBMがシナプスとワトソンのAIを発表してビジネスに使いだしたときに、スパコンを作っているメーカーエンジニアと「評価」しました。

その際私が下した判断は
「あ、俺の仕事は終わったなあ。ITエンジニアもいらなくなるなあ」
ということでした。

IBMのシナプスは私たちが使っているスマホやPCのプロセッサーと違う設計とテクノロジーで動作し、低電力で、人間の脳細胞のような働きをして多数のセルによって複雑な情報を認識、演算、検索できるようです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/SyNAPSE
おもに画像認識や音声認識などの「人間の五感にあたる情報処理」を肩代わり……いや超える存在に見えました。

そしてIBMが以前から開発していたAIのワトソン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%88%E3%82%BD%E3%83%B3_(%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF)
こちらは2016年の時点で医療面での医師に代わって患者の診断ができるレベルまで成長していました。

そしてChatGPTが出た。2022年ね。さっそく私も使っていますが、最初のころは「いい加減だなあ」「知ったかじゃん」と思う場面が何度もありました。

だけど、AIとコンピューターシステムが人間を超えて強いのは「24時間365日働けます」ということと「世界中の膨大なインターネットの情報を情報源にできる」ことでした。

今2025年ですよね。GPT出てから3年たった。昨年ごろから「イラスト」「写真」が生成できるようになったり、私が実験していると「詩」「ポエム」みたいなもの「文学作品」自体もあっという間に書いてきます。音楽もできるようです。

AIが描いてくれたハムスター帝国の軍事パレードのイラスト

ということは、当初AIやコンピューターは「人間より高速に計算とか記憶はできるけど」「肝心の人間的な思考や考え、感情表現は無理じゃないの?」「それゆえ人間のアーティスト、専門家の存在は相変わらず必要だと思う」というのが「大方の知識層、科学者たちの考え」でした。

なので、AIが奪うのは「ブルーカラー」であり「知的エリートのホワイトカラー」の仕事は「やはり人間が必要だから残る」と思われていたのです。

ところがですね……AI……その人類の「のぞみ」を断つレベルまで進化しちゃったようなんですよ。

■AIはなんでも知っているけど、なんでも指示もできる
1.「デザイン」ができる
 私は災害機動司令車ミーブ号のDIYを毎日考えて実験、失敗を繰り返しています。

 でも、AIが使えるようになったので「私の思考の一部」「アイデアの具現化」を頼むようになりました。

でも「無理だろうな」と思うことが最近「できますよ」ってやってくれるのです。

たとえば、車内の「インテリアデザイン」も、私苦手ですので、AIに「できるわけないだろ」と「こういう風なインテリアでミーブの内装をしたい」「材料はこれで」といったら

「こんなのどうですか?」と「イラスト」まで出して見せてくれるのです。

AIが提案してきた車のインテリアデザインのイラスト

しかも……「けっこういけてるじゃん」というレベルで出してくる。

2.なんと電気回路の設計までできる可能性
 で、実験でオークションで手に入れた「旧式のCD付き三菱のカーオーディオ」をミーブのバッテリーで動かそうと思いました。

わかってるのはカーオーディオは車の12V鉛バッテリーの電源で動くことです。

でも、持っている中古のカーオーディオはすでに何十年も前のもので、マニュアルもないし、ケーブルとコネクターだけついた状態です。

私は機種名を入れてAIに
「三菱のカーオーディオCD-H77をDC12V電源で動かしたいがどう接続すればいいか」って聞いてみました。

するとAIはたちどころに以下を回答しました。

★AIの回答:
三菱のカーオーディオ「CD-H77」をDC12V電源で動かす場合、正しく配線しないと起動しません。以下に一般的な接続方法を説明します(※実際の配線色はモデルにより異なる場合があるので、可能であればサービスマニュアルや配線図をご確認ください)。

■ 必要なもの:
・安定したDC12V電源(5A以上推奨)
・カーオーディオ用ハーネス or 配線直結用コネクタ
・スピーカー(動作確認用)
・電源スイッチ(ACC信号代替として)

■ 基本的な配線(CD-H77の例):
・機能    配線色(一般的)    接続先
・常時電源(BATT)    黄色    DC12V(+)
・ACC電源    赤    DC12V(+)
・アース(GND)    黒    DC12V(?、GND)
・スピーカー(FL+, FL-, FR+, FR-, RL+, RL-, RR+, RR-)    白、灰、緑、紫など    各スピーカー
・イルミ電源(ILLUMI)    橙    無接続でもOK(点灯用)
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え?マニュアルも知っているのか?それとも一般的なカーオーディオ取付マニュアルやノウハウを多数学習したからここまで言ってくるのか?

手元のコネクタと確認するとちゃんとあります。

「こわー」「なんでも知ってるのか?」
さらにAIは「どうやってつなげば動くか?」まで指導してくれます。

■ 接続方法のポイント:
黄色(常時電源)と赤(ACC電源)両方にDC12Vを接続
黄色:内部メモリ保持(時計や設定の保存)
赤:電源スイッチ。ここに電圧が入らないとユニットは起動しません。
黒線(GND)をDC12Vのマイナス側に確実に接続
スピーカーを接続しないとエラーになる機種もあるので注意
電源を安定させるため、ACアダプタ使用時は容量5A以上が望ましい

■ 起動確認:
黄色・赤 → DC12V+
黒 → DC12V?
この状態で、電源ボタンまたはソースボタンを押して起動するはずです。

■ オプション(イルミ線やアンテナ線):
イルミネーション線(橙):メーターやヘッドライト連動用。使わないなら無接続でOK。

電動アンテナ制御線(青/白など):使わないなら無接続。

もしわからない配線があれば、写真を送ってもらえれば色分けから判断できます。また、DCアダプタの容量や仕様も合わせて教えていただければ、安全な電源環境を案内できますよ。
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え?「写真を送ってもらえれば色分けから判断できます」
どういうこと?

そんな?画像認識で自分の写した写真のコネクタの部分から「判別」して「指示」できるというのか?

それって人間がやること、人間同士でないとできなかったことじゃないのか?

私は半信半疑に、コネクタのケーブルが何本どう出ているか?見えるケーブルのラベルも写るように写真をとってAIに送りました。

AIは私の写真を解析して回答してきたのです。

★AIの回答:
写真ありがとうございます!しっかり見えています。
この三菱のカーオーディオ「CD-H77」の背面配線を見る限り、すでに各配線がギボシ端子で処理されていて、使いやすくなっていますね。

以下に、写真の配線色から主要な電源配線を特定し、DC12V電源にどう接続すればよいかまとめました。

・ DC12V電源接続(起動に必要な最小限)
機能    配線色(写真より)    接続先
・常時電源(BATT)    黄    DC12V +
・ACC電源    赤    DC12V +
・アース(GND)    黒    DC12V -
(1)赤と黄の両方に12V+を供給し、黒をマイナスに繋げば本体は起動します。
(スイッチを間に入れると便利。ACCのオンオフ代わりになります)

(2)補足:その他の線の可能性(写真から推定)
線色    推定機能    接続するかどうか
・青(REM)    電動アンテナ or リモート出力    接続しなくてOK
・白/灰/緑/紫系    スピーカー用(±ペア)    スピーカーへ(必要に応じて)
・橙?    ILLUMI(イルミ電源)    接続しなくてOK
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「現場の回路の写真を見て」「何がどうなっているか」「どうすべきか?」わかるのか?

すごすぎ!

え?これならド素人や小中学生でも作業できてしまう。

実際、こういう情報って……メーカーに問い合わせたり、カーオーディオを取り付け作業するレベルの人に聞かないとわかるわけないものです。

そんなことまで……AIから「さらり」と無料で知ることができてしまう。

なるほど、ChatGPTをつくったとき、イーロン=マスクらは「2001年宇宙の旅のHAL」みたいな「問えば何でも頼りになる情報や計算をしてくれる」AIを目指していたが……その通りになってきている。

これがあれば、遠く離れた火星にいても、恒星間インターネット技術が確立できる日がくれば地球や他の惑星にあるサーバーと交信していつでも高度なAIの力を借りてミッション遂行ができる……そこまでテクノロジーが進歩したのだと。

■ということは……
 もうわかったと思いますけど、現場でシステムや回路の写真をとってAIに送るだけで「何をどうしたらいい?」「どこが故障しているかのチェック方法」まで……2025年の時点で……AIは人類に指導できるレベルに成長してしまったのです。

実は私の専門の「プログラミング」もとっくにできるようになっています。
「こういう結果を出すプログラムを書いてくれ」
というだけで……あっというまに出してくる。エクセルのマクロだろうが、C++のコードだろうが……。

おかげでこちらも「いい学習材料」にしています。

自分は、10歳でPCを触れプログラミングを始めて高専入った16歳のころは、クラスでプログラミングが苦手な教授の代わりにクラスメートのプログラミングの指導をして、しまいにはクラスメートがみんな私のところまで頼って頼み込んで彼らの宿題まで自分が代わりにつくってやって、最後の2日で私は自分のたまった課題を全部書いて出して「A=優秀」の成績もらうぐらいプログラミングは強かった。

人の書いた「へたくそ」なプログラムを「洗練された芸術的なコード表現」にすることも得意だった。

遅いプログラムを「高速にする」こともできる。

それでメーカーに行ったら、インド人のプログラマーの書いたVC++のコードの「ミス」「間違い」を読んで指摘する管理をしていたほどです。

その自分からしても……「AI、使えるじゃん」ってレベルになっているのね。

しかも、たちどころに書いてくるからね。人間勝てないよ。

そのうち、プログラマーもAIにやらせて終わるんじゃないかな。

オーダーだけすれば、なんか動いているものができてきてしまう可能性……あるな。

これ、AIが料理人とか講師とかなんでもできる可能性があるよね。

大学教授も院生も「いらない」じゃないの?

こわいなあ。

誰か試しに、自分の会社のプラントの設計図AIに飲ませて「問題点の指摘」とか「メンテナンスの方法」とか「改良の方法」とか聞いてみたら?

え?そのノウハウ……まるごととられちゃうけどな。

原発の安全管理……使えるだろうし

自動車のエンジンルームや可動部分の写真送ったら「どこが悪いですよ」とか「ここ観たらいいんじゃないですか?」とか言ってきそうだな。

だったら、JRもJALも先日落ちたドクターヘリの管理とかにも使えちゃうかもね。

というか、霞が関財務省の官僚の頭脳で「経済計画」しなくても「AIで全部高度な経済政策と市場のモニタリングと対策」できちゃうんじゃないの?

ますます……人間いらないよなあ。

それが、実感された出来事でした。
(内海君:小市民)