内海新聞のブログ

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天野二三男がやめられない産廃不法投棄のうますぎる実態

2021年7月3日に熱海伊豆山で発生した土石流。130軒の家を破壊し、22名が死んだ。

その原因は、天野二三男が平成18年ごろから続けていた「山間地の谷の上流に産廃を埋め立てて」「沢をつぶした」ことにあった。

世間、静岡県熱海市も「盛土」と言いたがるが、それは「産廃の山の上に化粧でかぶせた程度」であり、実態は「産廃の山」である。

マスコミもいい加減「盛土」と言わないでほしい。これは法律の網をかいくぐってやっている「完全犯罪」なのである。

 

■天野のやり方

●実は、熱海なんか興味もなかった理由

さて、この事件を追って、私もすっかり「天野の思考」がわかるようになった。

正直、静岡県熱海市は興味なかったんだ。「まったり、ボケー」。神奈川や愛知に比べて、裕福ではあるけどピンとこない。洗練もされてない。それが静岡。

熱海は温泉別荘地……というけど、売りの温泉も実はたいしたことない。

俺、温泉ホテルのコンサルタントしていたし、知人に温泉のコンサルタントもいた。

雑談していたとき「熱海の温泉どうですか?」と言ったら、温泉コンサルタントは「熱海や湯河原なんてダメですよ」と言った。

「何がダメなんですか?」

「塩水でしょ?あれ?」

「確かに塩化ナトリウム単純温泉……」塩水だな。

「栃木や東北やらみたいに鉱物満載の成分でもないし、要は、海水が熱いだけなんですよ」

「そうか、そういわれると、ただの塩水温水風呂ですね」

「なんで、温泉的には評価ないんです」

なのに、あれを北海道や東北、九州の温泉みたいによさげに勘違いしている人は「バカ」ですね。

と、大笑いしていたのである。

 

■天野のやり方

それで、天野の土地の買い方には「ポイント」があった。

1.「山間地の谷の沢の上流部分から広がった土地」を買う

これだね。やつは、人里離れた谷を買いたがる。理由としては「使いようがない土地が多いので安い」のと「人が監視に来ないの奥地なのでこっそり産廃を埋めに行ける」

なぜ「山間地の谷の沢の上流部分」なのか?

それは、国交省の河川法のしばりから逃れるためである。実は河川というのはこういう区分で行政が管理している。

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今回の熱海土石流の原因の川、逢初川は2級河川。県の管理である。

静岡県庁の担当に聞いたら「2級河川の川原とかに何か建築するのは一般人ではほぼ不可能です」とのこと。だから、産廃土砂を置くなんてことすらできない。

なのに、天野はやっていた。

それは「逢初川の起点」がどこにあるか?で決まる。

逢初川は、県の土木事務所では国土地理院の地図にあるように「下側の砂防堰堤の上50m程度の所」と設定されている。それは土石流崩壊個所よりけっこう下なのだ。

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県が認めている逢初川の源流部分(砂防ダム上50m)

でも、明らかに天野が埋めて崩壊させた場所には、われわれが確認しただけでも5本ぐらいの沢があるのだ。水もけっこう流れている。

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逢初川周辺の沢。けっこうある。紫色が土石流現場

それは逢初川に流れ込んでつながっているのだから「逢初川」ではないか?

でも、県が起点をそこにしており、そこからが県の川なのだ。

すると、その上の川はどういう川なの「普通河川」となる。

そして、普通河川の場合は「所有した人が何やっても問題ない」という恐ろしいことになっている。だから、埋めようが汚そうが知ったこっちゃない。

なので、天野はその点を知って、普通河川にしかみなされない「谷の川の上流」を買うわけだ。

でも、沢は下の大きな川につながっている。沢や水源地を産廃で埋めて汚したら……川にも泥水、汚染水が流れ込む。たまったものではない。

  

2.道路を作れば勝ち

それで、天野格言というのがあるようだが「道路を先につくれ」という。

実に的確。こいつ、まっとうな方面で仕事したらよかったのにな。暴力団の手先になんかならなければな。

トラックやダンプを入れられる幅の道路を確保する。これで、産廃が24時間自由に運び込める。

 

3.まずは木を伐採

土地と道路を確保したら、斜面の木を伐採する。伊豆半島の植生は「広葉樹」が中心だ。これはブナ林みたいな、日本古来の自然生態系の大事な要素で、広葉樹林は日照の調整と、動物や他の植物の豊かな生態系を生み出す。

でも、ブナは木材には使えない。だから、高度成長の1960年代以降、ブナ林より木材に使えるスギ林にしようと、切られまくった。無理やり杉林にしてきた。

結果として杉林は土砂崩れやスギ花粉症の原因になった。ブナ林などの広葉樹は無駄ではなかった。山の表土を守り、豊かな動植物の生活の場所となって、自然のサイクル、きれいな湧き水の沢を生み出す大事な存在だった。それを、人間たちは「カネのため」に殺してきた。

書いていて涙が出てきた。俺はおかしいのだろうか?

天野は、いったい宗教やってるのかな?唯物の社会主義者かな?まるで、そういう自然の声や営みに目も行かない人だった。70代って、戦後の貧しいバラックやギブミーチョコレートの世代だ。いやしい、モノモノ崇拝の人が多い。神仏信じない。信じられるのはモノとカネ。そういう人ばかりだ。だからやるんだろう?

天野は、木を伐採したらブルドーザーで下にドサって落としていた。そうして削られた台地は養生も、擁壁もつくらず、水抜きもしないまま放置だった。

当然、土砂崩れが頻発する。熱海の多賀駅の土地では、天野の産廃捨て場の泥がふもとの寺の墓地を泥水で埋め尽くした。

しかも、天野はこうした業者への支払いすら「踏み倒して」いるという。

 

4.産廃を捨てまくる

そして、誰も来ない山奥に、ダンプとトラックが行列して産廃を捨てに来る。これが儲けのひとつ。問題の伊豆山の場所には1日40台ものダンプが往復して街でも問題になっていたぐらいだ。

いったいどれぐらい儲かったのだろう?熱海の土石流現場の土地は6万平方メートル。約18000坪である。この土地の価格はだいたい坪1000円ぐらい。なので1800万円程度で購入した。

そこに天野はダンプ7000台分の7万立方メートルの産廃を捨ててきた。ダンプ1台は7tらしい。それで1台あたり産廃の処分費用は17000円ぐらいが相場である。つまり

17000円×7000台=1.2億円

天野は現金でぼろもうけした。いや、世間の業者より安いよ……ってしたかもしれないが、それでも1億円ぐらいは手にしたはずである。

ただ、これは、産廃法違反である。なぜなら、天野は産廃業者の登録を持っていない。つまりまったくアングラの違法投棄なのである。どうして警察が摘発しないのか?不思議だね。

 

5.ひな壇にして造成して宅地にして売る

それで、産廃で儲けたら、今度は「住宅地にして」売り飛ばす。これで2度儲かる。

読者は?あれ?って思ったよね。実は天野は熱海市に対して「宅地造成」「森林保護」という名目でしか土地の開発申請をしていないのだ。申請通しても実態はまるで違う。それが天野のやり方だった。

「宅地造成」と言って、産廃を埋める。

ちなみに、天野がつくった「ルネ熱海伊豆山」別荘地だけどいくらする?

1区画200平方メートルで5000万円ぐらいする。なかには8900万円の3F建ての家がある。

エライ高く売れる。また儲かった。

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ルネ熱海伊豆山別荘地(奥の斜面)。えらい傾斜のところにある

なんか、ここに芸能人も別荘買ったらしいが、ご愁傷さまです。

この斜面は天野が造成した

「なんちゃって産廃段々畑」なのです。長谷工グループの総合地所が天野から買い取って売っているが……ま、このパンフみたら「吹くわな」

総合地所 熱海の別荘分譲 販売が順調に推移

こうして、都会の無知なサラリーマン、OL、退職組が「終の棲家」とか、勘違いして「あら、オーシャンビューいいね」って「土石流の上」に住むわけだ。

産廃の山の上に座って「オーシャンビューイイね」って。

自分で穴を掘って作ったハムの巣穴のほうがいいかもしれない。

あーあ。しかもたった

200平方メートルの狭い土地を。5000万円?坪83万円

あんた?元の土地の値段いくらだよ?ここ坪1000円だよ。830倍

すっかり、あなたの退職金、天野に吸い取られたね。

ちなみに、

この造成地がそもそも宅地認定受けられるかは怪しい

だって、中に産廃が埋められている。我々の見解では「残念ながら、全別荘撤去」「埋められた産廃の全撤去」「斜面の土砂崩れにならないための工事」がいる。

だから、いまのうちに買い手がつくなら逃げておいた方がいい……え?買う人いるかな?あの場所で。

 

さて、このヘッポコ分譲地で天野はいくら儲けたのだろう?

41区画×5000万円=20億5000万円

おー、やったね。

するとだ、この熱海土石流、産廃埋め立てプロジェクトで

天野は熱海の土石流現場で

産廃の不法投棄で1.2億円

産廃の上にへっぽこ別荘地開発で

20億5000万円

計21億7000万円

現金を手にしたことになる。

土地はいいとこ2000万円ぐらいなので差し引きしても21億はあるだろう。

天野ちゃん、お金持ちじゃん。

原価率、うーん7000万円÷21億=3%

さ、3パーセント。いやあ、すごいビジネスモデルだ。

ぼろい。まっとうな商売人のするネタじゃないわ。こりゃあ暴力団がしたがるネタだね。あいつらすごい頭いいんで。その辺のビジネスマンなんてかなわないよ。

ということで、やっぱ天野とその一味は暴力団のパシリじゃないかなと思うね。

 「楽待」も真っ青(笑)