熱海伊豆山の土石流。どうして起きたか?ほぼ判明しました。
原因は、平成元年(1989年)から「2度」の「めちゃくちゃな別荘地造成開発」によって「もともと流れていた沢」を「埋め立て」たことによります。
図は、新幹線ビルディングの天野が申請した工事開始前の当時の地図です。これに流れていると思われる沢のラインを重ね合わせました。静岡県で山を複数管理している方が航空写真や国土地理院の地図を見るだけで「どこに沢があるか」見分けることができます。
見ると、現場付近はいたるところに沢があり、それが逢初川に流れ込んでいることがわかります。ところが、天野は平成18年(2011年)にこの地を箕輪不動産から取得すると赤く塗った崩壊部分に大量の産廃と残土を捨て始めます。そして50m近い高さまで積んでもともと流れていた2つの沢を埋めてしまいます。結果として水は天野が積み上げた「産廃ダム」にたまり続け、今回の長雨で保水量の限界を超え噴き出し、産廃のダムを丸ごと泥水にしてしまいました。それが怒涛の5.4万立方メートルの土石流となり標高400mの現地から下の人口密集地の集落まで高低差約200mの「ジェットコースター」となって街を飲み込んだのです。
なお、難波副知事は現地の投棄された産廃や残土の山は8万立方メートル近くあると認めており、残り約3万立方メートルが崩れ残っております。これは10トンダンプで3000台分であり、3万トンの重量です。まだこれからも台風などの風水害がこの地域を襲う可能性が高く、早急に不法に投棄された産廃や土砂を除去しないと、新たな災害が起きるでしょう。