ウクライナが何年も前からNATOとパートナーシップを組んで、NATO入りを標榜してきた。
NATOを会員制クラブに例えるなら「ゲスト」扱いだったが、いざ入会申し込みをしようとしたら実際はクラブ「NATO」は突然「ドアをバタンとしめて」ウクライナの「入店」を拒否した。
ドアで立ちすくむウクライナがふりむくと後ろには暴力団ロシアがニヤニヤして立っていて、ウクライナをボコボコになぐりだした。
「助けてくれー」「おーいNATO」それが……今のウクライナである。
さて、その状況を見て、ウクライナよりひどい目にあったフィンランド、明日は我が身と悟ったスウェーデンは「自分たちならだいじょうぶ」「ふだんからNATOやアメリカに親密にやってきた」と「錯覚」して、NATO入店申請をする。
でも、ウクライナのボコボコぶりを見て「会員になるまでの安全保障」がないことに恐怖を感じているわけだ。それで会員の幹部のイギリスに「身元保証」をお願いする。
もちろん、イギリスは快く約束はしてくれた。
でも、会員のトルコが「あいつら嫌い」ってゴネ出した。ロシアがもっとも嫌がる2国の会員入会をサボタージュすることで、ロシアにいい顔をしたわけ。
これが戦略的にいいのか?うーん、いろいろ考えたけどトルコの「いじわる」はヤバい結果をもたらす。
というのは、ロシアにとって「NATO会員になる」って言った時点で「ボコボコにする」というジャッジがくだっている。
つまり、フィンランドとスウェーデンが「撤回」と言わない限りは、自動的にロシアはこの2名をボコボコにする。とりあえず、一番ロシアにとってうざいのは、フィンランドであり、フィンランドを今度はたたきつぶしてしまえ……というのが、ロシアの考えだ。
さて、私がこの戦争で今回疑問に思うのが「毎度、欧米軍事アナリストの見立てが外れる」ことである。わざとか?
私の方が当てている。だから、私の見立てを書いておく。
今回、欧米のアナリストは、またマヌケに「ロシアは兵站(へいたん:弾薬、燃料や食料)がない」「ミサイルを打ち尽くした」という。うそコケ。
ロシアはこの戦争をやるにあたって「世間の公表とは別腹」でしこたまリソースを蓄えてから臨んでいる。
また、1日2兆円の軍事費がとんで、ロシアの国家財政が破綻する……その予測もウソ。
私の見立てではいいとこ、ロシア軍の1日の戦費は200億円~500億円がいいところだ。
しかもロシア国家の財政でこの戦争をやってない。
プーチンの個人資産でロシア軍を雇ってやってる。だから「特殊軍事作戦」なの。
プーチンの個人資産は20兆円あるといわれている。1日500億円使っても、400日やれる。戦争開始して2カ月半。まだまだやれるだろうね。
むしろ「簿外」にある既存の核兵器弾道ミサイルは「打ち放題」だという重大な事実がある。こいつはボタン押して発射するだけなので安い。
実は、プーチンにとっては陸軍を動かすより、とっとと核弾道ミサイルを相手国に打ち込んだ方が「効率がいい」のだ。
この、クールにヤバい真実を私は気づいている。もちろんプーチンは知っているだろう。
私は、この戦争が始まるところからプーチンという人間に自分がなったら、どうするか?で彼のシミュレーションをして見立てをしてきた。
でも、結果として、私のプーチンシミュレーターは正しい。
私が2月の時点で「予言」した以下の動画を見たほうがいいと思うけどね。その辺の軍事アナリストや国際政治学者より的確に言ってるので。
私は動画でも言ったけど、プーチンはこれから「右手に核、左手に降伏」というシンプルな手法で相手国に電話かメール一本で「脅す」ようになる。
従わなければ24時間以内に核弾頭をうつ……そういう場面がこれからくるだろう。
多くの人は「核抑止力があるからロシアは核は使わない」と思い込んでいる。ウソだ。
核抑止力は「核保有国」に対してだけ効果があるが、「非核国」にはまるで機能しない。
ロシアはアメリカには核をうてないが、ウクライナや非NATO国には容易に使用できる。いや、使用するだろう。
つまり、フィンランドも、スウェーデンも、どんなに高性能な軍隊を持っていても関係ない。ロシアは躊躇なく、ヘルシンキやストックホルムに核弾頭をうちこむ。それをアメリカやイギリス、フランスが防衛するか……怪しい。
今回ひどかったのは、ウクライナはNATOとあれだけ軍事演習をして装備もNATO水準に切り替えて応じていたし、過去の政権は中国とも「中国の防衛でウクライナを守る」って習近平が公言しておいて……いざロシアが侵略したら誰も「体張って助け」なかったことだ。
これは、日本にとっても「他山の石」になるだろう。口約束、外交条約……そんなものは実は「紙切れ」でしかなく「武力が使えなければダメ」で「さらに相手を無力化できなければ意味がない」という嫌な真実を露呈したからだ。
国連も、国際刑事裁判所も「あってもないような」対応しかしない。
今回、ウクライナはロシアが攻めてくるぞ……といううわさが出て取材では、国民が武装訓練をしたり……強いぞ……イメージの醸成をマスコミを通じてPRしてきた。
でも、ふたを開けたら、市民のモロトフカクテルも、市民の銃による抵抗もあんまりというかほとんど効果なかった。
なぜなら、ロシア軍は遠隔で弾道ミサイルで彼らの10倍、100倍の「破壊」を一瞬でやってのけたからだ。
屈強なウクライナ陸軍兵士のキャンプ、弾薬庫も精密誘導兵器で一発で「全滅」していった。
この事実を見たとき、フィンランド市民が銃砲店に駆け込み武装しても「意味があまりない」のだ。
結局、フィンランド政府は「俺たちは負けない」「防空壕もある」とPRしても、しょせんはロシア軍の弾道ミサイルの雨が降ったら「死亡」するのだ。
私にはフィンランド軍が強い……という世間の「好意的」な動画やあおりは……「やめたほうがいいよ。そこまで強くないから」と思う。
むしろ、フィンランドはアメリカやイギリス、フランスがきちんと核報復をロシアにするか?を絶対的に確約してもらい公表してウソをつかせないことが大事だ。
この寒い、乾いた真実を私は知ってしまった。
プーチンはそれを知っている。
だから、プーチンはフィンランドに核をうつだろう。最初からヘルシンキを焼き払う。
その時に、問題なのは「誰も反撃しない」「反撃できない」ことなんだ。
アメリカが代わりにロシアに核を撃ってくれるのか?しない。
フランスがしてくれるか?しない
イギリスがやってくれるか?しない
つまり、あのフィンランドさえ取り残される。
そして、フィンランドが血祭りにあげられる姿をみて、スウェーデンがNATO入りを断念するようプーチンは仕向けるだろう。
でも、ウクライナと違って、フィンランドはロシアに「攻め込む」根性がある。フィンランドはソ連(現ロシア)に侵略されて領地をとられても、逆にロシアに攻め込んで取り返そうとした根性がある国である。この映画がそれ。
だから、フィンランドはウクライナと同じく自分たちが絶滅しようが……勇敢に戦うだろう。
でも……ウクライナで見たじゃないか。屈強なウクライナ軍がガチンコで市街地戦をしたら、いっぱい市民が死んでしまう。
病院も学校も幼稚園も、遊園地すら……すべて破壊されてしまう。
ロシア軍のクラスター爆弾が花火大会のように街を焼き払う。
そうなってしまう未来が、私には見えている。
だから、もっとも非武装、不戦を言ってきた私が、一番過激な主張をしないといけない嫌な現実がある。
つまり、プーチンの消去である。
実は、ロシア国家をつぶす努力より、プーチンをつぶす努力に全力を集中したほうが、とても世界のためになる。各国は特殊部隊でもなんでもやって、プーチンを消すことだ。CIAの幹部もこの本質を認めている。「この戦争はプーチンの戦争です」
それしか、この戦争が終わり、ウクライナやNATO諸国に平和が戻ることはない。
正攻法だ、条約だ、ルールだ……にNATOが面食らっている間に、プーチンは「相手国を消去して奪えばいい」でやってくる。
いや、やってる。
ロシアはまだまだ戦争ができる。いくらウクライナ軍が防戦してロシア兵を2万人以上消滅させても、まだロシア兵は15万人以上いる。足りなければ本土から連れてくればいい。
食い物はある。ロシアの小麦は今年豊作だと言ったではないか?
エネルギーもある。別に外国に売れないだけで、自国で使う石油もガスも鉄鉱石もウランもなんでもある。
戦争を継続することはいくらでもできる。
だからタチが悪い。そして使われていない核弾頭がまだ2000発ある。
私はそっちのほうがこわい。
使えるから。そして、1発5億円が核兵器の相場としても、1日200億円のロシア兵の給料払うよりは「安い」
この論理があるので、プーチンはこれから核兵器を「使ってみる」だろう。
使った結果「なーんだ、アメリカもイギリスも何もできないじゃん」って実感する。
だから「だったら、こっちでやればいい」と学習する。
わかった?私の憂慮と、危惧が。
バイデンもジョンソンも、ダラダラやってたらまずいよ。
シャキッとデルタとSASをモスクワに送ることだ。