熱海の土石流に私は「福島の除染土」が入っている懸念を当初から抱いていた。
もし、私の直感……ズボシが多いのだが。が当たるなら、現場は封鎖になる。ボランティアの作業は危険。これまで入った自衛隊員・警察・消防も「被曝」となる。
それで、静岡県庁には再三「土石流の泥の成分分析結果を公表」するように依頼してきた。
この点は県から頼まれて土石流の調査を行った静岡大学の北村晃寿教授(静岡大学大学院理学研究科地球科学専攻 防災総合センター・センター長)も、私のメールに対し
「私は土石流堆積物のCNS分析を行っており,添付した情報を静岡の報道機関に午前中に発信しました.この資料の作成中に,武田様からのメールが届き,私と同様な懸念をなされている方がいらっしゃったことが分かりました.添付資料では硫黄量については特段問題ない値であることを示しましたが,それよりもはるかに問題である放射性元素の核種,発がん性物質,ヒ素,アスベストなどについては,静岡県が分析中とのことです.ご懸念いただいた状態が,起きなければよいと祈っている次第です」
と、私と同じ疑念をもって、県にきちんと調査するよう助言している。
■土石流の泥にセシウムが入っていないことを宣言できない静岡県
それで……だ。私の願いが届いたのか静岡県は難波副知事が2021年8月12日、土石流の成分分析結果を発表したけど「天野らが泥水を固めるため大量のフッ素が入っていた」「環境基準はオーバーしていたが問題ない」とした。
一覧はひっそりと県庁ホームページのこちらに公開されていた。
土壌汚染対策法施行令第1条に基づく特定有害物質(26物質)調査結果一覧表
https://www.pref.shizuoka.jp/kensetsu/ke-340/documents/210812_atamiizuyama_chousa4.pdf
だが、この結果には放射性物質の項目はないので「やっていない」ことになる。
セシウムが検出されたのか?なかったのか?言及もない。
■難波副知事の会見動画が公開されなくなった
おかしいよね。それから、私が当初要請していた「難波副知事の会見動画の公開」は、なぜか7月15日でストップしている。
読者の指摘でこちらにあるのだが、静岡県/難波副知事の記者会見配布資料
7月15日から各部署で1つずつ増えた程度。難波副知事の会見はない。そこまでする必要がなくなった?まだまだでしょ?この事件の処理は。それにしても県庁のホームページの見つけづらさ直してほしい。ワンタッチ・ポンで見えるようにしてほしいね。
■熱海土石流事件での熱海市、静岡県、国の不可解な行動
今回の事件、全国で複数の「熱海土石流真相調査班」が立ち上がっており、調査が進んでいる。
その中で、静岡の山を長年管理して「航空写真を見るだけで土地がどうなっているか?ズバリわかる」N様と技術的な議論を続けている。
以下は、私とN様の会話である。
■私がN様に送ったメール
今回、不可思議なのは、熱海市の事故なのに、県が「全部やった」
次に、菅・官邸が出てきて
「特殊で難易度が高いので国でやる」
と県庁も言うわけですが……意味不明。
やるのは、業者だし。
国交省が県土木事務所や砂防ダムの担当部署よりレベルが高いとは思えない。
なんか、政治がらみの部分があるため、隠蔽したいのか?
国にやらせたかったのか?
あるいは、熱海市は自分たちがサボって県にやらせたかったのか?
当初から、責任問題を認識しながら「責任問題はあとで」と7月3日発災後の冒頭で言った静岡県庁・川勝知事の対応がおかしい。
どう感じてますか?
■N様の回答
先生はどう思われるかわかりませんが、私の完全な憶測でよければ、
福島の除染土を熱海に持ち込んだ。
これがバレたらまずいので、熱海市も静岡県も黙る。国が出てくる。やってますよアピールをする。
先生が指摘した放射性物質の調査。それが公表されないのはやっぱりおかしいんですよ。やっていないか、やりたくないか。
公表されないにしても、先生の所に放射線測定の結果はきましたか? 検査した方がいいと指摘した人にその結果を戻さないのはおかしいですよね。
※私は静岡県庁 危機管理部に2度催促しているが、一向に返事がない。県庁の他部署は照会事項にちゃんと電話してくる。
姫の沢最終処分場も、人が近づけないようになっているのは変ですよ。グーグルマップに施設名も出ない。土を運び込む業者は委託。
福島の土が何色土かはまだ調べてないので、もしかしたら見当違いかもしれませんが、やっぱりなんか隠してます。
トンパックだって、持ち込んですぐに上から土を被せてしまえば分からないので、
除染土と建設残土のミルフィーユじゃないでしょうか。
キラーT様の見解では、姫の沢はおそらく何の対策もされずに積んで盛っての造成地だと。ヤバくないですかというか、ヤバすぎます。
除染土の行く先が公表されることは有り得ないと思いますが、当時あれだけ騒がれたにもかかわらず、どこに運ばれたかは知らされないまま。
静岡県は、国に対して「協力」するという回答を出していた気がします。ではどこに運んだのか。普通に考えれば近い所ですよね。箱根の山奥とか熱海の山奥とか。
引き受ける側にもリスクがあるわけですから、廃棄を請け負う業者は高値をふっかけます。でも運んでる現場の人間は何も知らないままですよ。儲かるのは上の一部の人間だけ。
放射線が出る出ないに関わらず、土の処理に関しては、その出所と処理先の管理を徹底的にやるべきだと私は思います。
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……どうだろうか。
静岡県は熱海の土石流の泥に
放射性物質がないことを公言できるならすべきである。できないなら……この推理はドンピシャだということになる。
そして、なぜか国・国交省は今回の土石流の土砂で埋まった逢初川の砂防ダムの土砂を除去する作業を始めている。重機が入れないのでヘリで移送。大がかりだ。
だが、この砂防ダムをやっても、上にはダンプ2000台分の天野の捨ててきた産廃土砂が積んだままであり、それはこの砂防ダムの容量(ダンプ700台分)を優に超えている。
除去した土砂は……どこに隠ぺいされるのか?興味深い